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吾輩はP患である

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精神治療の徒然。
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#カウンセラー

トリイ先生が感謝を受け取らない理由

これは私が描いている漫画のキーパーソン「トリイ先生」のモデルとなったカウンセラー(A先生)がこんなニュアンスのことを語っていたのを、記憶を頼って肉付けした内容です。 A先生との治療関係は20年ほど続きました。 「カウンセラー」という言葉すら、ほとんど誰も知らない時代からされていたので、今だったら多分、かなり古風なカウンセリング技術をベースとした先生だったと思います。 A先生が「決してクライエントからの感謝を受け取らなかった」「全てあなたの力よ」と言い続けた事について、私な

精神の支援者が遠い?

「傘を差し掛けてくれる支援者より、一緒に雨に濡れてくれる支援者が良い」。 そんなtweetを見かけることが続きました。 私は ここについたいいねの数の多さに、治療者が自分の安全圏にいることに 違和感を感じる患者さんが多いのなのかなと感じました。 もちろん色んな場合があるのはよく分かります。 前提に そのぐらいの心の温かさがないとできない仕事であるし、職によっては「これが精神医療の支援者か?」と思われるようなハードな対応をする人もいるのは事実でしょう。 ただ、私は 心の温か

一言で「毒親サバイバー」と言っても

私は毒親サバイバーの仲間を捜し求めてずっとずっとさまよっていた。 自助団体。 SNS。 デイケア。 地域のサポート支援。 私はどこにも属せなかった。 毒親育ち同士、互いに共感する仲間に恵まれる人もいる一方で、規格外の苦労をしながら自我を保っている奇跡のような人もいる。 そういう人はまるで人生そのものが人体実験のようで、 その人の経験からしか語れない、毒親育ち特有の回復フローを伝えてくれる。 こういう情報は治療者からは開示できない。 私の場合はそういった人たちとは全く

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不安神経症