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吾輩はP患である

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精神治療の徒然。
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2023年7月の記事一覧

患者というアイデンティティ

診察室と社会の間にある崖は簡単に人を死なせる。 こんなに社会に嫌われてるのは私だけかも知れないが、中には私のように感じた経験を持っている人もいるだろう。 心身共に健康で優秀な人でさせ「育休後に社会が一変してしまった」なんてよく聞く話。 それが精神疾患の闘病後だったら実にエグい。 中には福祉資源に恵まれてうまくいく人も居るだろうけれど、私の場合は元々無理して社会に合わせてやっと生きてたんだと言うことが、このタイミングで初めて分かった。 最初はただ、診察室と社会を繋ぐ福祉資源

逆転移が患者に与えるものとセラピストの心の傷

最初に言っておきたいのは、私に関わった治療者達を批判できる人間はどこにもいないと言うこと。 私の治療の足跡は私の人生であるし、研鑽を重ねてきた私の治療者達がすでに自分の心の内で決着をつけている問題を他者に問題視されたくはない。 読者自身の精神治療の場で起きる心の揺れに対して、私の感じたことが参考になればと思う。 精神科の診療やカウンセリングの現場で、治療者の自己開示はどうであるのが適切か・・・?という議論が先生達の中でもそれぞれに意見があるらしい事を知った。 私が参考にな