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妊婦さんと私


今朝の話。

人身事故の影響でいつも以上の満員電車っぷり。

あまりの人圧に自分の意思で身体を動かす事が出来なくなった私は、いつもの通り心を無にして死んだ表情で電車に揺られていました。

大きい駅を何駅か通過し、電車も少し空いてくる。
目の前の人が降りて行やっと席に座れた私。

ため息をついてふと目線を上げたその瞬間、目の前の女性がマタニティーマークを付けている事に気付きました。

(これは!!!!!)

一気にテンションが上がる私。

そう、何を隠そう、私の夢は妊婦さんに席を譲る事だったのです。

私が都内の職場に異動して電車に乗るようになってから数年が経ちます。使っている路線のせいか、はたまた時間のせいか、譲る機会があるようで、意外とその機会に恵まれることはありませんでした。恐らくコロナ禍で電車に乗ること自体が減っているというのもその理由のひとつかもしれません。

仮に妊婦さんを車内で見つけても、私が席に座れていない、そもそも席がガラガラでわざわざ譲る必要がない、距離が遠くて先に譲られてしまうなど、チャンスをモノにする事が出来ておりませんでした。

そんな中!!!不意に舞い降りた好機!!

今しかねえ!!!


私「あ、あの、席どうぞ…」

妊婦さん「ありがとうございます」


キマったーー!!!

天国のじいちゃんばあちゃんよ、見たか私がスマート(?)に席を譲る瞬間を!私はやり遂げたぞ!

数駅先で背筋を伸ばし堂々と電車を降りる私。
気分はもうアルマゲドンで宇宙船に向かう瞬間のブルースウィルス。
ここ最近で1番のドヤ顔をしていたに違いありません。


なんて気持ちがいいんだ…!
この清々しさはクセになりそうです。
恐らく世のサラリーマン達はこの感覚を求めて我先にと妊婦さんに席を譲っているのでしょう。
なかなか席を譲る機会に恵まれなかったのも納得です。


世の妊婦さん達よ、是非また私の前に降り立ってきておくれ。今度は更に華麗に席を譲ってみせよう…!

そんな事を思いながら帰りの電車でこの記事を書き上げたのでした。

おわり

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