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音ゲ未経験がデレステにばちぼこハマった話(12)~『さよならアンドロメダ』を想う~

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平素よりお世話になっております、RingoPです

現在デレステではイベント「さよならアンドロメダ」が開催中!

曲自体は3年も前からCDのカップリングに入ってた既存の曲みたいなんですが、当時からあまりに人気が高すぎて、全宇宙のPがデレステに実装されることを待望してたという人気曲らしいです

そのせいか(というよりプロデュース方針という最近実装された新たなシステムの力もあって)とんでもねぇボーダーになってます

過去一?伸びるのが早いんだとか。5年間で歴代一位ですよ?やばない?

ちょうど同時期に始まったミリシタでもデレステのコラボイベントやってるってのもあって、私は流石に今回は流しめでやってるんですけど


このイベントのコミュがね~~~もうね、なんていうか、超えた。臨界点を

人って、ある一定の感情を超越すると叫ぶとか力強い衝動がなくなるんだね

スンッってなったもん

ゲッター線に飲み込まれた武蔵みたいに全てを理解した気持ちになったわ

ということでコミュの話するのでこの先ネタバレ全開です。留意せよ





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もりくぼォ!

おまっ・・・おまえ、オスカーいくつもりか?

森久保はさ~~~、本当そーいうとこあるんだよな

前もソロ曲の「もりのくにから」で曲の背景とか全然知らないのにプレイしてて初見で泣いたという経歴を持つ私なんですけど、またやられましたわ

ノノがやらかしましてね

よかった・・・本当にいいコミュだった


そしてあまりに沸き上がった感情がクソデカが過ぎるので、自分の中で整理する意味も含め、今回のコミュについて、考察まがいのことを書き留めたい

決して考察といった立派なものではなく、感情論に任せた主観の意見です


最低でももうちょっと星に詳しければね、

もっとたくさんのことを気づけたかもしれませんが・・・

なのであくまで、コミュを読んで思ったことのまとめになります



銀河鉄道の夜との関係

このコミュを話題にするにあたって、必ずふれられる「銀河鉄道の夜」

Twitterのトレンドに上がった時も、色々と騒がれていましたが

これは宮沢賢治が遺した童話作品の一つです

雨ニモ負ケズ・・・みたいなフレーズが一番有名かもしれませんね


で、今回のコミュの・・・というより、このさよならアンドロメダという曲そのものが、銀河鉄道の夜を意識した物語なんじゃないかという推測が多くのPからされているというわけです


では実際、銀河鉄道の夜がどういう話なのかというと、

うーんザックリ言うと、空想に逃げてた少年が現実に向き直る話的な

そういう感じです

実は宮沢賢治が完成品としてこれを世にだしたわけではないので、彼の本来の意図がどこまで作品に宿っているのか誰も知ることはできないんですけど



ジョバンニという少年は、周囲から孤立していた

彼は母が病気で父も家にいないため、アルバイト三昧で生活費を稼いでいた

そのため学校でもいつも寝ていて、眠気に夢うつつの、どこか現実がぼやけた生活を送っていた

父が帰宅すればこの生活が変わると信じているが、父は帰らず、学校の生徒たちは父親のいないジョバンニをからかっていた


そんな彼に、ある夜、丘の上にいた自身の元に銀河鉄道が舞い降りる

そこには親友のカムパネルラもいて、彼と二人で鉄道の旅を続けていく


鉄道の旅で、様々な出会いと体験を繰り返すが、旅の途中、カムパネルラがいなくなってしまい、そこでジョバンニは「目を覚ます」

現実ではカムパネルラは川に落ちて行方不明になっており、彼の父はカムパネルラの安否をなかば諦めていた

カムパネルラの父から、もうじき自分の父が帰ってくることを知らされたジョバンニは、その報せを母に知らせるため、急いで帰路につくのであった


・・・まあ、という感じで

最後の二行で「ん?」って思った方いるかもしれませんが、そういう話です



「銀河鉄道」は、死者が乗っている電車と推測されています

ではなぜ生きているジョバンニが乗れたのかというと、彼は現実生活の大半を眠気のなか曖昧に過ごし、逃避から孤独を好み空想にふけ、ひとりでいることが多かった・・・つまり、半分死んでるような生活だったという本人の自虐めいた感情ではないでしょうか(この旅が夢だと解釈するならば)


でも彼の持っている切符だけが、どの場所にも行ける素晴らしいものだった

生きているからこそ、行く先には無限の可能性があるという暗示

そしてそれ以外の乗客たちの行き着く「駅」は、死という一つだけ

多くの乗客たちが降りるとされる駅で、カムパネルラはいなくなってしまう

彼もまた、その駅で降りてしまったのでしょう



で、ここまでのことを踏まえると

もちろん共通点はけっこうあるんですけど、でも意外に、

そんなに似てなくない?とも私は思っています


イメージとして被るのは間違いなくて、

少年が現実に向き直る話というのは一緒だと思うんですけど、

銀河鉄道の夜はどこまでもジョバンニの中で話が進んで行く物語なのに対して、このコミュは他者との繋がりが非常に重要になっています


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そして、別れを告げること・・・これが、一番の肝になってるのではないか

たぶんエピローグで語られるであろう、オープニングの凜ちゃんの担任の意味深なシーンからも、それは推測できます


ジョバンニは、カムパネルラに別れを告げていません

物語は似通っていても、

伝えたいことはきっと別なんじゃないかなと思っています


アルバの背景がない

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ここからはコミュで思ったことを書き連ねていこうと思うのですが、まず思ったことは、この作品で主人公のような立ち位置であるアルバ

作中、彼だけ・・・正確には彼と車掌のふたりだけ、名前ありですがその背景が描かれていません

何故列車に乗っているのか?

どんな過去なのか?

ジーリオも、ミアも、イレーネも、ある程度列車に乗る前の生活や情報が掲示されていますが、アルバはそれがない

おそらく両親が他界してるのではないかと匂わせてるくらいです


これは単純に、アルバを視聴者が「自分」として重ねて見てほしいため、

感情移入させるためにアルバの情報を出していないのではないかと思います


それともうひとつ、序盤現実のシーンで語られたとおり、

この作品の主役は三人全員であり、アルバが主人公ではない

どうしても話がアルバが中心のため、あまり彼に描写の数を増やすと、

主人公度があがっちゃうから控えめにしたんではなかろうかなと



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このコミュ・・・劇中劇の「さよならアンドロメダ」

主人公が誰なのかというと、それはジーリオでもアルバでもなく、

この劇の主人公はアンドロメダだと私は解釈しています


星に願いを、という言葉がありますが

何万人、何億人という人たちから願いを託される天上のアンドロメダ

なんでも願いが叶う場所、願いの叶う糸で包まれたベルベッド・・・

それぞれ人の数だけ姿や形を変えて、人の叶わぬ願いを受け止めながら、

願った彼らが、どういう道を進むのか、アンドロメダはいつも見守っている


願いを抱き続けるのは悪いことじゃない

でも人は、いつか願ったものを、

叶えるために、あるいは違う願いを見つけて、その目的のために

いつしか、それぞれ自分の足で向かっていく


「なんでも願いが叶う」という天空のアンドロメダから目をはなし、

まっすぐ地上の現実を見据えて、一歩ずつでも、歩み進めることを

アンドロメダは、ずっと、見守っている・・・

そういう話なのかなと


なので、当然この列車の乗客は死人ではないし、死に向かう列車でもない

人々が希望を見つけるための準備期間、「時間」という名の空白駅

それがアンドロメダなのかもしれません


この劇では、一度たりとも列車に乗る前の現実世界の描写がありません

どうやって乗ったのかも分からない不思議な列車

アンドロメダが人々を見守っているという視点を可視化したのがこの劇なら、星に願われる前と後が描かれないのも道理かなと

列車から降りた彼らは、もうアンドロメダという願いは必要としていない

列車に乗せてもらわなくても、自らの足で、歩んで行けるのだから


アンドロメダにさよならを告げるための旅であり、物語でもある

まさしく主題どおりの、劇なんじゃないかなと


この考えでいくと、銀河鉄道の夜とはやっぱりやや雰囲気は異なるのかなと

そもそも「さよならアンドロメダ」という曲、フルでは聞いたことないのですが、歌詞を見る限り、上の劇とはまた違った解釈の詩であるように思うんですよね

色々な視点があって、様々な解説や推測が生まれる作品・・・

そこは、銀河鉄道の夜とも重なる共通点だと思いました


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あと劇の中で、列車以外の日常生活にまったく触れられてない分、

現実パートでは、森久保の視点から劇に対して葛藤と悩みが描かれています

ここもけっこう面白い

森久保はジーリオに・・・そしてアルバという自分に、さよならできたのか

エピローグは絶対この森久保の劇を終えての感想がくるので今からティッシュ5憶万枚用意して準備しておきます



まあでも、そんな小難しいことはおいといてさ

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この二人がイチャイチャしてるのを一生見守ってたいアンドロメダのように

え?なに、君らあれかい?付き合ってんの?


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まぶしっ!(直視できない!)

あぶね、今生命の危機に咄嗟に熊本弁でたわ


実はこのあと、

このアルバの台詞に続きがあるんですけど、見たら死ぬんで載せてません

全宇宙のみんな、さよならアンドロメダ見ろ

そしてMVも堪能しよう!



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