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日本の会社での人間関係

第2章:日本の会社での人間関係と特有の考え方

日本では、会社で仕事をする際に注意しなければならないことがあります。重要なものを説明します。ただしすべての会社に当てはまるわけではありませんので、入社してから先輩や同僚に確認してください。

 

1.暗黙の了解

日本では、「言わなくても相手の気持ちを察する」”暗黙の了解”という考え方があります。こんなこと言わなくてもわかるよね。自分の立場をわかってくれよ。などと思うのです。外国人の多くは、はっきりと言葉にして表現しないと気持ちが伝わらないと考えるのですが、日本人の場合、この状況ならこの人はこう考えているだろう、こう思ってるに違いない。と相手の気持ちを考え行動したり、発言したりするのです。これは、外国人の方には理解しにくい、日本人独特の感覚なのです。理解することは簡単ではないと思います。ではどうすればよいでしょう。たとえば、会議などが終わったあと、同僚と話をして「この場面は、どうしてこうなったの?」などと質問して、日本人は、こんなときこういう風に考えてこう思うだということを積み重ねて経験するしかありません。会議の場では、はっきりと結論を出さず、あいまいに終わらせ、あとで担当者が詳しく議論し決めたりすることもよくあるのです。

2.他人の主張を感情的に攻撃するような言動を嫌う

日本人は、会議の場などで、反論する場合でも、相手を傷つけたり、恥をかかせたりするような言動は控える傾向にあります。これは、日本人の、相手の立場に立って考えるという基本姿勢がそうさせるのです。また、言わなくてもわかりきってるようなことをわざわざ言葉にしないこともあります。あまりストレートに言って相手を傷つけたくないと思うのです。また、そのような言動をすると、言って傷つけた人が悪く思われる場合もありますので注意が必要です。

3.先輩・後輩という考え方

会社に早く入社している人が先輩、後に入社した人が後輩という考え方です。後輩は、先輩を敬う基本姿勢を持つのが日本のスタイルです。言葉も、多くの場合、後輩は、先輩や年上の人に対して敬語を使うことが多いです。ただし会社によっては、先輩、後輩などの関係なくすべて敬語を使う会社もあります。その会社のスタイルに合わせましょう。

4.卒業した学校の先輩・後輩の関係

 会社に入社してからも、出身大学などが同じ場合、特別な仲間意識をもつ場合もあります。同じ大学の先輩が、後輩の面倒をよく見てくれたりすることがあるのです。後輩も尊敬の念をもって先輩に接することが多くなります。

5.役員・役職者の呼び方

 日本の会社では、その方を役職(主任、係長、課長、次長、部長)役員(取締役、常務、専務、社長、会長)名で呼ぶケースが多くあります。その会社のスタイルによりますが、最近では役職名で呼ばず、全員さん付けで呼ぶ会社も増えてきています。呼び方のルールも事前に確認しておきましょう。

6.時間に厳しい

日本社会は、時間に厳しい社会です。会社でも時間厳守に厳しい人がほとんどです。いろいろな場面で、時間に遅れただけで問題になります。取引においても信用を無くす一番の要因です。自分の評価が下がることなりますので注意が必要です。

7.あいさつに厳しい

日本では、会社や取引の現場でのあいさつを大切にします。人にあいさつをすることは常識で、これを行わなければ、会社や個人の評価を落とすことになります。取引先などでは、より丁寧なあいさつをする必要があります。

<挨拶の例>

初対面の場合「はじめまして おせわになっております よろしくお願いします」  面識がある場合(朝)「おはようございます」(昼)「こんにちは」 (夜)「こんばんは」  長くあっていなかった場合「おひさしぶりです」 部屋にはいるとき「しつれいします」 かえる時・その場から去る時 「しつれいします」 

8.仲間との飲食・飲み会

日本の会社では、“飲みにケーション”という言葉(考え方)があり、仕事が終わった後に、会社の仲間でお酒を飲む機会がたまにあります。お酒を酌み交わすことで、仲間意識を高め効率よい仕事をしようと考えるのです。歓迎会、送別会(仲間を迎えた時、仲間を送り出すとき)などは、ほとんどの会社で行われます。同じ会社の社員の仲間意識が大きいのが、日本の会社の特徴ともいえます。必ず参加しないといけないわけではありませんが、参加しておけばいろんな場面で助けてもらえるかもしれません。とくに予定がない場合などは、参加しておいたほうがよいかもしれません。

9.日本社会は品質を重んじる

 日本は、品質を重んじる国です。会社も商品の質、サービスの質にこだわりをもつ会社がほとんどです。いい加減な商品やサービスを提供するのを極端に嫌うのです。社員一人一人の成果についても同様で、いくら早く仕事が終わっても、いい加減な部分が見つかると必ず指摘を受け、やり直しを命ぜられます。

10.職種について

日本の会社では、専門の技術職以外ほとんどの場合、総合職という職種になります。総務部門などがこの総合職の社員が勤務する代表的な部門になります。営業関連の職務をこなす社員は、営業職、開発関連の職務につく社員は、技術職になることが多くなります。それぞれの職種で給与、手当などの条件が異なることがありますので事前に確認してください。

※この続きは・・・・


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