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Rheingau - Silvercrown Riesling 2013 / Eva Fricke

<タイプ>

<生産者>
Eva Fricke
<品種>
リースリング 100%
<産地>
ドイツ・モーゼル
<価格帯>
6000円強

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<コメント>
北のワインが好みだということが分かってきたのもあり、ドイツのほど良く熟成したリースリング単体という、恐らくドンピシャそうなこちらをチョイス。リースリングのボトルを飲むのも初めてのチョイスです。

名前の通り、コルクの代わりに王冠が使用されています。結構攻めのチョイスな気もしますがどうなんでしょう。開栓直後からほどほど青リンゴが香ります。しばしばリースリングの特徴とされるペトロール香は(経験不足故な可能性もありますが)全く感じません。飲み口は比較的スッキリしていてハーブや青リンゴのニュアンス。中盤以降が非常にふくよかで、ほどほどの甘みと熟成由来と思われるはちみつやヨーグルトを感じます。べっこう飴のようなコクも。少しだけ苦味もありますが、キレというよりも後味はまったり感がかなり強く、とにかくまろやかな印象が強いワインです。余韻も上品ながらかなり長く、少しフルーツ的な印象もあります。少しまったりしすぎる感すらあって、温度は低めの方が良さげ。
栓が王冠で口の部分の太さも細いので止むを得ず無理やりアルミホイルを詰めての2日目。そこまで変化はないのですが、徐々に酸と苦味が強くなりバランスは崩れてく印象。さらに1日あけて4日目になると黒鉛のニュアンスが出てきたり、渋みが強くなってオレンジワイン系の感じに変化。これはこれで、という感じはありますが、本来のバランスではない印象です。

<感想>
熟成による効果なのか、もともとの性質なのか、非常にまったりとした印象のリースリングです。ふくよかで程良い複雑さもありながら、どこまでも優しく飲みやすいワインで素直に美味しかったです。ただ、惜しむらくは価格がまあまあ上級な割りには、それほどの貫禄は感じない点でしょうか。しかし、それでも、嫌な部分が全くなく、誰が飲んでも美味しいワインなのではないかと思います。反面強いミネラル感や酸味、苦味などの引き締まる要素があまりないので、ともすると緩さがあるというか、もったりする印象も。なので温度は冷やし気味がいいのではないかと感じました。また、栓が王冠で口が細いため保存が難しく、2日目以降に向上した印象はなかったので、1日で飲みきるほうが良いでしょう。日本限定キュベらしいので、長期熟成を想定せず、かつ開けやすい王冠なのかもしれませんが、個人的にはこの価格帯のワインはやはりコルクかせめてスクリューの方が無難な気がしました。
今まで飲んだワインと比べるとSebastien Riffault Sancerre Akméninéに近いですが、複雑さは欠ける代わりに親しみやすさで勝っている印象。グラスで飲んだワインですがPierre Olivier Bonhomme Touraine Sauvignonとは青リンゴ感が似ている印象です。
飲み頃的にはまさに今、といった感じだったように思います。置いたら置いたでさらなる熟成感が出るような気がしますが、果実味もまだ感じられ、バランスの良さは今が一番なのではないかと思います。

<得点>
82点

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