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9月入学は反対です。2015年8月生まれの息子を持つ母の気持ち。

我が家には、2013年9月生まれの娘と、2015年8月生まれの息子がいる。

学年で言うと、娘は小学校一年生、息子は年中さんだ。

ところが、これが覆されそうな議論が今まさにされているではないか。

来年の9月で、娘が2年生に、息子が1年生になる、という議論だ。


えっ。

ちょっと待って。

来年の9月に息子が1年生!????

年長さんは?年長さんにはなれないの!??

この案を目にしてからというもの、不安で仕方がない日々を過ごしている。


9月入学に変更される場合、その帳尻を合わせるために『2014年4月生まれ~2015年8月生まれ』を一斉に新一年生とする案が出ているらしい。

つまりは、息子の学年だけ児童数が1.4倍になり、子どもの年齢差は最大17ヶ月差となる。

そして、わが息子は8月生まれなので、その学年の一番最後の生まれとなり、ガチでモロに17ヶ月差を味わうこととなる。

息子は学年相当な成長を遂げており(どちらかというとゆっくりかも?)、その学年の中で彼なりのペースで成長していけば標準通りに成長していけると感じていたので、特に焦ることもなく急かすこともなく、のんびりと自分のタイミングで成長していってほしいと私は願っていたし、そうなるものだと思っていた。

でも、これが来年の9月から1年生になるとなると話は大きく変わってくる。

学年相当ではなくなるのだ。確実に遅れを取る側になる。

そうなったら「のんびりと」なんて悠長に構えていられない。なんとか追い付くために私から急かすことも出てくるかもしれない。

しかしながら、私は『勉強や運動の遅れをとる』というその事実よりも、『自分は周りよりも出来ないんだ』と息子が感じてしまい、自信を喪失してしまうことを最も恐れている。

「自分は出来る!」という成功体験はその子の自信となり、生きるための糧となる。子どもの成長にとって無くてはならないものなのだ。今彼が少なからず感じているであろうその自信を、17ヶ月差という自分ではどうしようもない事実の前にボキボキと折られるような経験が増えてしまうかもしれない。

それが私は一番怖い。

17ヶ月も差があれば周りよりも出来ないこともあるだろう。多々あるだろう。

早い子であれば既に漢字も読めているであろう時期に、息子はひらがなすら危うい状況で飛び込むこととなるのだ。

その周りとの差異に本人が気づき、自信を失い、全てにおいてのやる気を失ってしまうのが怖い。


そして、その環境は1年だけでは終わらない。

人数が1.4倍になることから受験の倍率も上がってしまうであろう学年なのに、8月生まれというだけでずっと不利な状況が彼には付いてまわることが大いに予想される。就職に関しても然り。

そんな状況になる可能性が高いのに、そんな不利な状況になることがわかっているのに、「9月入学」に反対せずにいられようか。


『それはあなたの息子が当事者だからでしょ。不利にならない人もいる。今後のことを考えたら、今やるメリットの方が大きい。』

と国は考えるのかもしれない。

そう感じる方たちもいるのかもしれない。

でも、未就学児の子どもにだって未来はあるのだ。

このドタバタのしわ寄せを一気に受けてしまうのは未就学児で、それを黙って受け入れなきゃいけないなんて絶対におかしい。

大人の誤差の範疇と言える17ヶ月差と、小さな子供の17ヶ月差は全く異なるものだということを、今一度気にかけてもらいたい。


まだ保育園や幼稚園に通わせていない方の中にも、4月生まれが保育園入園に有利だからと計画を立てて出産した方もいるかもしれない。保育園に入りづらい状況をどうにかしようと計画したのに、出産後急に「9月が有利になりました」なんて言われても納得できるものではないと感じる。

そもそも!保育園に!入りにくい状況を作っているのは!国なのに!!!


そして、こういう問題もある。

私は2学年差の予定で学資保険に加入しているのですよ…というね。

この変革の前では小さな問題だろうか。いや、わが家にとっては非常に大きな問題なのである。

仮に9月入学に変更になった場合、我が子達は二学年差から年子へと変わる。この状態で二人が大学生となれば、大学の膨大な学費が3年間被ることになるのだ。…やばくね??

万が一二人揃って大学院に行ったり医療系にでも進んだ日にゃ、5年被るぜ??(それはさすがにないとは思うけども…)

私はこの事実に気づいた時、思わず身震いした。

我が家のライフプランが大幅に狂ってしまう。

国にしてみたら小さな問題かもしれないが、家庭にとってはこれもまた大きな問題だ。


学校にしてもそうだ。

文部科学大臣は「受け皿はある」と語っていたようだが、本当にあるのだろうか。

人数が1.4倍になるのだ、本当に教師は足りる?質は落ちない??

ちなみに、娘の通う小学校は児童数が元々多いこともあり、親の私から見ても現状既に余裕は全くないように見受けられる。毎年ギリギリの教室数で回している状況だ。

1年生は1クラスに35人までと法律で決まっていて、人数がそれ以上となる場合は教室(もちろん教師も)を増やさなければならない。来年1.4倍の児童が入学するとなれば教室数を増やすしかないわけだが…本当に受け皿はあるのだろうか。甚だ疑問だ。

大臣は本当に現場を把握して「ある」と口にしているのだろうか。机上の空論にすぎないのではないだろうか。

「この学校には入りきらないので今年度から学区が変更となります。違う小学校に通ってください」なんてことにならない??そこまで負担強いられるようになったら、いよいよ私は発狂すると思う。


もし仮に。

『9月入学の方が国としてメリットが大きいからそういう方向に動いていきます』とするのであれば。

せめてもう少し時間が必要だ。綿密に事を進めるための時間と余裕が。

ただでさえ、今の現場は大混乱である。既にイレギュラーでてんてこ舞いなのだ。それにさらなる混乱を加えてはいけない。

偉い方たちは「だからこそ今やるべき」と思っているのかもしれない。

しかし、マイナスとマイナスをかけ合わせたらプラスに…なんて虫のいい話、現実世界で早々あるわけがない。

マイナスとマイナスを掛け合わせたら、とんでもないマイナスになる可能性だって十二分にあるのだ。

未来のある子ども達に、そんな賭け事のようなことはしないでほしい。

2020年から新しい学習指導要領に変わります!ということですら何年も前から計画を立てて行っていたではないか。大学の入試方法を変えることですら手間取ってグダグダになっていたではないか。

なぜ、それよりももーっともーーっと社会全体を巻き込んだ大きな変革なのに、こんな短期間で勢いでやろうとしているのか私には全く理解できない。

どさくさに紛れてでっかいことしようとしないで欲しい。


私は、とにもかくにも、反対だ。

「9月入学」それ自体への反対というよりは、「未就学児に負担を強いるような9月入学」を反対している。

とはいえ、私は桜の季節に卒業入学が日本らしくてよいと思っているので、そもそも9月入学自体へも賛成はしていないが、もし検討した上でメリットの方が多いのであれば変わるのも仕方ないと感じている。

でも今じゃない。

もっと時間をかけ、社会全体の準備が整ってからでも遅くはないのではないだろうか。

やるならば、これから妊娠する方対象にしっかりと『〇年以降は9月始まりになります』と告知をした上でだと思う。家族計画をしっかりと立てているご家庭はたくさんあるのだ。そこを忘れてはいけない。

今を生きる未就学児を、ママのお腹にいる赤ちゃんを、犠牲にするような変革なんてあってはならない。


私は普段こういった話題は夫婦で話し合うくらいで公には口にしてこなかったし、ブログにも書いてこなかった。

でも、今声を上げなきゃ後悔すると思った。

息子の人生がかかっているのだ。

幼稚園のお友達と一緒に卒園したい。卒園させてあげたい。

これまでの年長さんと同じように、お泊り保育や運動会のパレードなど、年長さんならではの行事を経験させてあげたい。コロナ禍でそういう行事が無理だったとしても、年長さんとしての生活を、小学校に上がる前の大事な1年間を、幼稚園のお友達や先生方と過ごさせてあげたい。

娘を見ていても感じるのだ。年長さんの1年間でとても成長したと。あの時間を息子が『2015年8月生まれだった』というだけの理由で経験出来ないなんて理不尽すぎる。

幼稚園で過ごす貴重な時間を、大人の都合で奪わないで欲しい。

『どこかが犠牲にならなきゃいけないんだから』なんて理由で受け入れたくない。彼には彼の人生がある。

誰かの犠牲になるための人生じゃない。


どうか、議論の末「今はやるべきではない」と判断されますように。

息子の大切な時間が、奪われることがありませんように。


【追記】

メインブログにもこの件について、より深堀して書きました。


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