「テニスの王子様」を分析する(124):ボールが辿りつく先

向日が返した球が、菊丸の手と足の間を通り抜けていく。

許斐剛『テニスの王子様 15巻』集英社、2002年、P.15。

ともにアクロバティックなプレーを得意とする向日(1コマ目)と菊丸(2コマ目)が、ここでは鏡で反転させたかのように描かれている。特に向日の右手と菊丸の左手は、指の曲げ方までもが同じような形だ。

しかし、余裕そうな向日とは対照的に、菊丸の表情は少し慌てているようにも見える。

1コマ目で打たれた球は、2コマ目(菊丸の焦り)を貫通し、3コマ目のフキダシ(氷帝の1ゲーム取得)に到達する。

球の軌跡を目で追うことで、自然にゲーム展開をも追うことができるコマ割りであると言えそうだ。


散文と批評『5.17.32.93.203.204』に、テニプリ論考を寄稿しました。
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