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娘の命⑤ーおかえりー

退院の日。

朝、退院できるよって聞いて、心底ホッとした。

退院の時間はまた看護師によって違う。

「朝10時ね」
「たぶん夜6時ね」
「昼の12時よ!」

個の国、自由の国…
日本だったらイラッとするであろうポイントも、アメリカだと気にならない。



何時であろうが帰れるんだ!

スヤスヤ眠る娘を眺めていると、

「わぁー!マミー来た?!」

と、大きな声で現れたのは・・・

退院が延びたとき、大泣きするわたしをハグしてくれたあの看護師さん!!

「キャーーーーーー!!」

と、ハグーーーーー♡


あの日以来、あの看護師さん見ないなぁと思っていたから、退院の日に担当なんて嬉しい!!

「この間はsad dayだったけど、今日はhappy dayね!happy dayに立ち会えて私も嬉しいわぁ♪」
「最近見なかったけど、どうしてたの?」
「バケーションよ〜♪」

なるほど。
だからそんなに日焼けしているのね。笑
日本人だったら患者さんが大変なときに、「バケーション行ってたです〜♪」なんてこんな満面の笑みで言えないだろう。言えるようになって欲しいとも思うけど。

「この点滴がお昼に終わるから、終わったら退院できるから旦那さんに連絡してね!」

やったぁぁぁぁぁーーーー♪


午後になり、看護師さんが足から血管を通って腸まで入っていた管をソーッと抜いた。

「ほら!これが入っていたのよ! 」

と、糸のようなチューブが出てきた。。。
これが腸まで入っていたのか… 信じられない… 

最先端医療ってすごい。。

昔は、たくさん子供を産まないと子孫を残せなかった。今は医療があるから、少子化がすすむのもある意味自然みたいなのを聞くけれど、娘も昔だったら助かっていなかったのかもしれない。

全部繋がっていたチューブを外してもらい、何もついていない娘を抱っこする…
チューブなしで自由に抱っこできることがこんなにも幸せだなんて。。。とまた涙ぐむ。。


旦那も到着し、

「さぁ、帰っていいわよー!!!」 
「イェーーーーイ!!!!で、結局、娘は何だったの??」

検査は全部ネガティブだったし、菌も出てこなかった。
でも白血球の値が異常に高いから、検査で菌が出てこなかっただけで、何かいると判断した。
三日目には熱も下がってたけど、このまま帰らせて身体にまだいるかもしれない菌が脳にまでいったりすると、かなり危険な状態になる。だから抗生物質二週間に延ばした。

わたしのカルテを見ていると常在菌(タイプBなんとか溶連菌)を持っているとあった。
(確かに妊婦検診で妊婦さんの20~30%が持っているから、出産のときに弱い抗生物質の点滴をしながらお産をするって言われていた)
お産が予定より早かったから、点滴が効く前に出てきてうつったんじゃないかと推測。

ということだった。

(これもあとから、産婦人科の先生、ファミリドクター、みんなあれこれ違う見解を言っていた。。)

新生児や赤ちゃんの高熱は原因が特定できずに退院することもよくあるらしい。


でも、とにかく元気になってよかった。

この看護師さんには本当に助けられました。 

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みなさん本当にお世話になりました。
ありがとう♡



家に帰る車に娘がスヤスヤ寝ている。。

旦那とハグし、よかったねよかったね、みんな頑張ったね頑張ったねって、二人でポロポロ泣きながら帰った。

家に着いてからもお義母さんと肩を抱き合って泣いた。

本当にお義母さんがいなかったら生活できていなかった。
息子はNICUに入れなかったし、プリスクールがない日は家の中で一日中相手してくれて、ごはんも作ってくれてた。
わたしがいなくて寂しがるリンが笑顔になるようにずっとずっとサポートしてくれてた。

旦那さん、お義母さん、息子、娘、私、病院の人たち、心配してくれた友人たち、みんなで乗り越えることができた。
本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

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あーーーおかえり♡ 


そして、安心したのも束の間、
わたしはこのあと一気に体調を崩すことになる。

つづく。。

循環が循環を生むのがすきです。サポートしたいただいた循環を、文字で循環していきます♡