私のこれまでと、これから
暑い日が続いておりますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
今年で社会人2年半となり、この節目に一度事業を振り返ろう!のコーナーです!
2021年12月にプロジェクトスタート
クラウドファンディングは2021年の12月からスタートし、1,429,752円もの資金を集めることができました。ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございます!そしてキッチンカーの作成は3月に本格的に始動し2ヶ月で完成。同年5月に、キッチンカーとしての鹿肉料理提供を本格的に開始しました。(クラファンリンク)
累計5000人の方に鹿肉を届けました!
最初はキッチンカーをどのように出店すればよいかが分からず、知り合いのツテで出店させてもらうことからスタートしました。その後、仲介業者やコミュニティの存在を知り、定期的な出店へとつなげることができました。その結果、8月には1ヶ月間で25日間も出店することができました。
2023年1月までに合計121回の出店を行い、累計約5000人の方に鹿肉を届けました。大阪だけでなく、神戸や淡路島、東京でも出店を行い、スナックを借りての営業も経験しました。
鹿肉ステーキで「美味しい!」を。
出店メニューは主に鹿肉のステーキ。塊肉を調理してカットし、串に刺して炙るスタイルで、お米の上に乗せて販売するなど、さまざまな方法を試しました。その結果、ヘルシーで肉感がしっかりと味わえる!というお声を多く頂きました。鹿肉を初めて食べるお客様がほとんどでしたが、今までの偏見が崩れた!というようなリアクションは嬉しかったです。
平日の出店では、オフィス近くで30代の男性や赤身肉が好きな女性に支持されました。また、70代のおばあちゃんが毎週キッチンカーに買いに来てくれることもありました。これらを通して、鹿肉を広めている実感が湧き、非常に意義を感じる瞬間でした。
イベント出店では、見慣れない鹿肉が一体験として人気を博し、老若男女問わず多くの方に購入していただきました。特に子供からの人気が高く、牛肉や豚肉を食べられない子供でも鹿肉は食べられる!とおかわりに来ることもありました。
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一方で課題も多くありました。私の3つの反省を聞いてください。
反省①:食品ロスと仕込みコスト
まず、食品ロスが多く発生したことです。鹿肉は加熱すると非常に賞味期限が短くなります。作った翌日に余ったものは廃棄せざるを得ませんでした。(実際には私の胃袋に収まっていました笑)冷凍保存や他のメニューへの転用など、工夫が必要でした。また、鹿肉のおいしさを広めるために低温調理にこだわりましたが、トリミング、焼き、調理、冷却、カット…とかなり仕込み工数が多くなってしまうのも課題でした。鹿肉のおいしさを広めることだけに注力し、原価や仕込みの手間を考慮せずに運営していたのです。その結果、経営的にはずっとトントンな状態が続いており、金銭的にも精神的にも余裕がない日々が続きました。
反省②:上手な「次の一手」が打てなかった
当時、キッチンカーを運営しつつ、次の一手を打たなければ!という前のめりな焦りがありました。そんな思いから、自分の中で大きな納得があったわけではなかったのですが「次は飲食店をやりたい」と口に出すようになっていました。鹿肉のレストランの誘いを受けたのは2022年12月ごろ。年明けにはオープン予定でキッチンカーも連携して運営する予定だったため、出店をなるべく減らして準備するための時間を作りました。ですがその予定がどんどんずれ込んでしまい、待つしかなかった私はほとんどニート状態でした。次の一手を打つための時間の割き方を完全に間違えてしまったのです。最終的にはお断りすることにしました。自分の人生をグリップできていない感覚が非常に苦しい時間でした。
反省③:シェフとの決裂
共にプロジェクトを行っていたシェフの方と決裂するというトラブルが発生しました。出店日が増える中で、誰がどのような仕事を担当するのか、仕事の配分や進め方について意見が合わず、最後まで合意することができませんでした。この出来事は、自分の未熟さを痛感するとともに、共同代表として事業を進めることの難しさを再認識するきっかけとなりました。
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鹿肉から離れて「売れる」に振り切る。
2023年の年始。飲食店の進捗を待つ間、鹿肉キッチンカーの改善点を考える時間ができました。その結果、提供していた鹿肉料理利益率が低いことに気づきました。お金が回らなければ鹿肉料理を提供し続けることもできません。私は「キッチンカーで利益をしっかり出すには」を念頭に、鹿肉から一度離れてみることにしました。メニューは手軽さと食品ロスの少なさを重視したサンドイッチとスムージーに変更。提供スピードは1食1分以内に収め、ワンオペながらも回転率を上げるためのオペレーション作りに励みました。
結果、初出店の4月では出店日15日間に対して、売上が695,300円。1日の平均売上は3万円近くアップしました。鹿肉という枠から外れてみることの怖さはあったものの、ちゃんとやればしっかり売上が立つという成功体験に繋がりました。
もっと美味しい鹿肉を求めて北海道へ赴いた2023年
サンドイッチとスムージーのお店で大きな売り上げを収めるも、これを鹿肉に転用したいという思いはずっと持っていました。しかし、自分の中でクオリティと原価が上手くマッチせず、踏み切れずにいました。そんな中、北海道の知り合いの方から声をかけていただき、ひょんなことから鹿肉の解体と精肉を学ぶ機会を得たのです。
2022年の鹿肉提供時から「鹿肉の素材のクオリティが安定しない」ということに悩んでいました。実が引き締まってプリプリの鹿肉もあれば、繊維が緩んで色が薄く、変色が進んでいるような肉もありました。調理をする中で、なぜこのように鹿肉のクオリティに差が出るのか、非常に疑問に感じました。原因が分からず、廃棄することもありました。
鹿の解体・精肉を学べば、何か次に繋がるかもしれない。そんな思いで、私は北海道へ飛ぶ決意をしました。(もっと美味しい鹿肉を届けるという目標に向かうためには、この選択は非常に重要だったと感じています。)
ここでの経験は、ジビエールというサイトで全10話にわたって配信しておりますので、ぜひご覧ください。(https://gibier.site/2023/06/24/ezoshiika_kaitai_1/)
私のこれから
北海道で過ごした約1年間、解体・精肉に加え、ジビエペットフードの製造・開発、エゾシカレザージャケットの店員、カフェバーの立ち上げ、農水省プロモーション事業の請負、メニュー開発、パッケージデザインなど…5社10個ほどのプロジェクトに関わりました。そして現在は大阪に戻り、新たな鹿事業の立ち上げを行っています。
そして現在、キッチンカーはとあるプロジェクト支援者さんとともに、新たなメニュー開発・運営体制の再構築を進めています。主なメニューはヘルシーかつボリューミーな味わいが最高な(私も大好きな!)ブリトーです。鹿肉を使ったメニューも開発中です。皆様と作ったキッチンカーの、新たな一歩をまた見届けていただけると嬉しいです。
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さいごに
作り出す、生み出すことと、それを届ける、続けていくことは全く別世界です。理想と現実の差に愕然とし、キッチンカー事業が思うようにいかないことに目を背けていた自分もいました。
まだまだ未熟な私ですが、鹿への情熱は消えていません。今後は上手くいかないことも含めてもっと見せていきたいし、もがいて前に進んでいきたい、今はそう思っています。ただ目の前のハードルは高く、鹿の核心に近づくほどその壁は見上げるように感じますが、一歩ずつその可能性を探っていこうと思います。
今後とも、よろしくお願いします!
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