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【MTG】ローテーションの件について

【はじめに】

 先日、MTGの公式サイトで『スタンダードに再び活気を』と題した記事が公開され、その記事中でスタンダードにおけるローテーション期間の変更が発表されました。詳しい内容に関してはそちらの記事を読んでいただくのが理想ですが、その変更部分について簡潔にまとめると、スタンダードにおけるローテーション期間は即座に2年から3年に変更されるということらしいのです。つまり、9月のエルドレインの森実装に伴うローテーションで落ちる予定だったMID、VOW、NEO、SNCの4セットは、翌年の2024年までローテーション落ちしないということにもなり、これは現環境にも大いに影響する重大な変更になります。
 まあそんなこんなで、スタンダードをメインに活動している僕としても無視できない発表ですし、書きかけの記事の方も大きく修正せざるを得ないような状況になってしまったので、今回は此度の公式からの発表について個人的な意見を述べていこうと思います。

【記事の内容】

 先程も述べた通り、この発表は『スタンダードに再び活力を』という記事の中でされたもので、その真意と狙いを知るためにも、まずは公式の記事の内容を軽くまとめていきたいと思います。とは言え、僕が勝手に要約しているものなので、正確に知りたいという方は元の記事の方を。

 要するに、以下のようなことを言っていると思います。

 スタンダードはビジネスとして軽視できない分野で、実際にプレイの機会が最も多いフォーマットでもある。しかし、紙に限ると、スタンダードの勢いというのは弱まってもいる。そこで、公式は長期に渡ってスタンダードに多面的な改革を施していくことにした。
 その第一歩となるのが、件のローテーション期間の変更である。この改革の狙いはスタンダードをより楽しみやすい環境を作るというもので、具体的に以下のようなメリットがあると考えている。

1.カードが長く使える
 予てから、プレイヤーの側にカードを長く使いたいという声があることは分かっていた。今回の変更は、そのような声に応えつつ、ローテーションがあるフォーマットとしての新鮮さも保つこともできると考えている。

2.メカニズムやアーキタイプを効果的に構築できる
 
セット内のメカニズムやテーマを構築する力が失われているため、今回の変更によって、新しいアーキタイプを構築したり、活力を与える機会が増えることを望んでいる。これは飽きさせないプレイ環境を作る上でも効果的な改革になるだろう。

3.色やメカニズムにフォーカスしたデッキを増やし、ミッドレンジが少ない環境を作るための強力なツールが得られる
 カード・プールの拡大によって、セレズニア毒性やアゾリウス兵士のような色やメカニズムにフォーカスした新しいデッキが構築されやすい環境を整えることができる。

 改革はこれで終わりではなく、これからもスタンダードに活気を取り戻せるようにサポートを継続していく。今後のことは未だに計画段階だが、今回の件に関しては早期にお伝えする必要があると思った。

だいたいこんな感じ

 所々に表現の変更はありますが、公式が伝えたいことをなるべくそのまままとめたつもりです。

 まあ言っちゃうと個人的には「うーん」という感じです。この手の話題が賛否両論にならない理由が無いので、実際に僕と同じように感じている方もいらっしゃると思いますが、割と突っ込みどころが多い感じの内容になっていると思います。

 正直、僕自身も紙ではスタンダードをやっていないので、紙の方に関する話はできないのですが、ローテーションに関してはアリーナ勢も無縁ではないので、パックの値段を下げろとかもっと流行るようにプロモーションを頑張れとか、そういう経営方針の問題ではなく、単にゲームの内部において今回の変更がどんな影響を齎すのかという部分について、公式の記事の内容にも触れながら、色々と突っ込んでいきたいと思います。
 それでは、始めていきましょう。

【僕は基本的に懐疑的】

 結論から言ってしまうと、僕は今回の変更は活力を取り戻すという意味では全くの逆効果になると思っています。その理由は極めて単純で、僕というプレイヤーがそもそも次のローテーションに希望を抱いていたからに他なりません。勿論、僕の感覚と他の方の感覚には差があると思いますが、実際に新しいデッキを生み出して公開している僕は、予てから《鏡割りの寓話》が存在している現在のスタンダードにある種の閉塞感を感じていました。そもそも、ローテーションというのは新しいデッキが生まれる土壌を作る上で最も簡単かつ確実な手段であったにも関わらず、それを延長してカード数が増えるのだからそれに比例してデッキの多様性も生まれるよねという論理は全く的外れに思える訳です。既に大いに活躍したカードが正統に去り、そして今まで抑え付けられてきたものが台頭を始めるというのは、今までの王道の流れであり、必要不可欠な代謝能力でした。それが損なわれれば当然のように環境の硬直化は深刻化しますし、活力も失われます。
 まあ要するに、単純にゲームとして見ると面白くない変更でしかない訳なのですが、ではビジネス面ではどうなるでしょうか。確かに、カードを長く使えるというのは新規参入にとって嬉しいのかもしれませんが、ゲーム自体が面白くないのだから結局は根本的な解決にはなりません。寓話のようなものが代謝されずに硬直化した環境においては、競技以外の楽しみ方というのは制限され、競技に楽しさを見出せない層は当然のように去っていってしまうからです。公式の言う活力とは、恐らくビジネスや競技シーンでのものに限定されており、それをさもプレイヤー全体のための変更であるかのように喧伝する態度には、流石に面の皮が厚すぎるとしか言えません。
 既に各所で議論されていますが、寓話は流石に禁止にされるだろうという話も出ています。僕自身は、以前から申し上げているように、基本的には禁止は出して欲しくないというスタンスなので、寓話禁止に関しても反対の立場でした。しかしそれは決して寓話が好きだからではなく、むしろ嫌いだけどローテーションがあるから我慢していたというだけの話なのです。僕には多数派の意見なんて分かりませんが、僕個人は公式の悪いところもゲームの面白くないところもある程度は許容して、その上で娯楽としての楽しさを求めてプレイしてきました。今回の変更はそういう層に対するある種の裏切りでもあったと思います。要するに、今の僕は寓話禁止過激派という修羅と化した訳ですね。
 あと、僕は直接的に関わったことはありませんが、こういう話をすると高確率で「じゃあ引退すれば?」という趣旨の反論をする方が現れてしまうように思いますが、そういう層って何なんでしょうね。そもそもそんな議論を全否定するようなことを言う人が何で掲示板とかに現れるのかがまずよく分からないのですが、それは置いといて、先述した通り、これはあくまで個人的な意見ですので、この変更が結果として全体を良い方向にシフトできたのなら、僕も流石に文句はありません。人の世には『住めば都』という言葉もありますし、意外とやってみるとそこまで大した問題ではないのかもしれません。しかし、住む前に嫌気がさして辞めてしまうという方も出てしまうように思います。一時期と比べるとPWを中心にカードの調整が改善されてきたようにも感じますし、カード・プールの拡大に伴い、環境の調整が困難になったとしても、多様性のある飽きない環境を維持することができるという自信があるのかもしれません。しかし、それにしたって現在の環境を定義してしまっている幾つかのカードに関しては、流石に早急な対応が必要だと思いますし、記事の内容にしても「ビジネスとして活力を取り戻すために申し訳ないけど過去のカードの使用期限を延ばします」と正直に言ってくれたのなら、僕と同じように今回の変更に懐疑的な層も「なら仕方ない」と納得できたのではないでしょうか。

【さいごに】

 ちょっと過激な内容でしたが、最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
 正直まだまだ言いたいことはあるのですが、キリが無さそうだったので今回はこの辺にしておきます。
 それと、冒頭の方で触れた書きかけだった記事ですが、実はこんな謎デッキに関するものでした。

 こちらの『マルドゥ・バトル』はローテーションを見越して比較的新しいカードで作ったデッキだったのですが、もう意味ないですね。紹介するタイミングを完全に見失ったので、こんなところに載せることになってしまったのですが、勝率自体は悪くないデッキなので、偶然にもカードが揃っているという方は気が向いたら是非使ってみてください。まあ機会があれば記事にし直すかもしれませんが。
 それでは、独自デッキを作ってる方々からしてみると冬の時代になるのかもしれませんが、近頃は気温も上がっているので、ゲームと現実の寒暖差でお風邪を召しませんようにと祈りながら、この記事を締め括らせていただこうと思います。またの記事で元気にお会いしましょう。

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