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鬼療法犬 脳卒中サバイバーの犬暮らし

脳卒中サバイバーとうちゃん片麻痺になって日常生活での苦労が増えた。そういった苦労を減らすために生活期リハビリをおこなっているのだけど、杖無しで歩くより左手の指を動かす方が遥かに難しい。左手に力を入れようとすると大胸筋とか上腕の筋肉とかばかりに力が入ってしまい指先に力を入れることが出来ないのだ。運動麻痺だけじゃなく感覚麻痺もあったからか?。なんとか改善したいところだ。左手先で物がつかめるようになればペットボトルも楽に開けられるようになるし野菜の皮だってむけるようになる。それよりもっと日常的に助かるのは洋服のジッパーだろう。このジッパーを閉めるという行為は両手を前提にして作られているから、いくら利き手の右手は自由に動かせるといっても右手だけでは難儀するのだ。僕は毎朝3つジッパーを閉める。電気代もうんと高くなっているからなるべく着衣で寒さを凌ごうと思っているのだ長袖のシャツの上にライトダウンベストと上着を羽織っている。
このダウンベストのジッパーが極小で難易度が高い
ダウンベスト自体が身体にフィットする小さいものなので引っ張ると反対側が逃げていくのである。
左手が利けば逃げるのを押さえることができるのだけど。
それが出来ない。
そうやって僕が泣きそうになりながら悪戦苦闘しているとさっちもちゃんがそばに寄ってくる。
鬼療法士犬のさっちもちゃんは決して介助してくれないどころか邪魔をしてくるのだ。
集中して右手で両方を噛み合わせて慎重にジッパーを上げる、そのあらゆる場面で邪魔が入る。
とうちゃんはもう半泣きだ
でも鬼療法士さっちもちゃんは決して許してくれない。
片麻痺とうちゃんは要介護なんだぞ~とかぶつぶつ独り言を言いながら泣くのを我慢して取り組むのだ。
でも相変わらず左手は動かない。
入院中もそうだったけど、訪問でも通所でも、療法士は手は時間が掛かって難しいんですよね~としか言ってくれない(泣)
歩行に関しては回復のいいアイデアをたくさん持っている療法士さんや医師もこと手に関しては全くの役立たずだ。
鬼療法士さっちもちゃんもね。どうにかならんのかねリハビリ業界。と苦労が重なるとつい愚痴と他責に逃げ始める脳卒中サバイバーの片麻痺とうちゃんなのであった。


君のじゃない。



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