自己責任の世界を変えたい

私は教員免許もないただの主婦ですが、子どもたちにボランティアで勉強を教えています。今は必要に応じて。オンラインでもやります。

私が子どもたちを支援したいと思ったきっかけはある講演でした。


それは、子どもや若者の居場所を行なっているある先生の講演でした。

「子どもの貧困」問題が認知された頃です。それまでは恥ずかしながら貧困と聞いても自己責任では?と思っているところが少なからずありました。

今7人に1人が貧困と言われています。35人学級なら5人は貧困家庭の子ということになります。そのことはよく耳にしていましたが、どういうことなのか実はあまりよくわかっていませんでした。

貧困について一般的なことは調べれば出てくるので省きますが、先生の講演はとても衝撃的でした。


先生は、若者が起こした様々な事件について淡々と語りました。

児童養護施設は18歳以上になると出なければならないので、そこを出て4人で一緒に暮らしていた若者たちがそのうちの1人を殺してしまった事件…実の親から祖父母を殺してお金を取ってこいと命令されて実際にその通りのことを起こしてしまった事件など…


そしてある1人の女性の話をされました。

その女性は児童養護施設で暮らしていたのですがやはり18歳で施設を出て、頼れる親族もいなく性産業に従事することに…やがて誰が父親かわからない子どもを身籠もり、病院にも行かれず、出産する10日前でも仕事をしていたそうで…そして出産後、先生に出産の報告の電話がかかってきたそうです。

「どうして僕に電話くれたの」と先生が聞いたら、

「先生しか、子どもが生まれたこと言える人いないから」

と言ったそうです。


「こんな見ず知らずの僕にしか言えないんですよ、頼れる人も親しい人もいないんです。この女性がそうなったのは自己責任ですか?生まれてきたこの子もまた苦しい生活を送るでしょう。それは自己責任なんでしょうか?そしてこういう子たちが悲惨な事件を起こしていることもまた事実です」


それを聞いて私は、ガツーンと頭を殴られたようでした。

子どもたちにはなんの責任もない!!

そして、私も子どもたちのために何かやりたい!と、勉強を教えることならできる、と思いボランティアを始めたわけです。

他にも子ども関係のクラウドファンディングに寄付をしたりしたのですが、子どものことだけじゃなく災害があるたびに支援したりしていて、お金を出すことにだんだん疲れてしまったんですよね…。

だから、自分ができることをできる範囲でしよう、と思いました。


まだ世間的には、困ってるのは自己責任、という風潮があると思います。生活保護を受給しようと思えばできるのになぜしないの?とか。本当に困っているけどそうできない理由がある人もいます。


今はコロナの影響で学校が休校で、うちもですが子どもの勉強関係がすごく大変です…。親御さんの中には在宅や職場で仕事をされている方ももちろんいて、その家庭のお子さんはどうやって勉強しているのだろうと思います。オンラインも小学生だと大人のサポートが不可欠です。

親が必ず勉強をさせないといけないのでしょうか。

助けを借りてはダメなのでしょうか。

この今の状況では難しいこともありますが、なんでも自己責任というこの世の中を変えたい。自分と家族だけでなくほんの少しでも周りに目を向ける人が増えたら…そう思っています。

居場所活動で子どもたちへ配る飲み物やおやつの材料を買わせていただきます!