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おとずれる 《詩》

家のむかいに さいている

やえの桜が ゆれている


早起きひとえ そのとなり

桃は緑に 色がわり

旅立つ青は 空となり

晴れの舞台の おとなりで

風とおどるよ さわさわと


またいだ暦は 三四と

けしてかさねず すれちがい 


やがてはしまい おむかいの

玄関そばに おとずれる

ふわりふわりと おともなく

めざめてすぐの いまはまだ

家のむかいに さいている


初出:2023/04/10 note(書き下ろし)

 一重咲きと八重咲きの桜が隣り合っており、順に咲くのが近所の風物詩です。

 時期をずらして花びらが玄関に訪れるので、掃除をサボるとどちらのか分からなくなります。

 ちなみに本作は十四行詩と七五調の組み合わせです。


 しまい:終い:姉妹

 おとずれる:訪れる:音ずれる

なかまに なりたそうに こちらをみている! なかまにしますか?