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多くの人が愛用するのも分かるシャープペン

【文字数:約1,000文字】
お題: #買ってよかったもの

 手を使って書く頻度が減り続ける昨今において、Pentelのシャープペンシル「SMASH」は買ってよかったと思っている。

 筆記用具に拘りをもつ人には、SMASHを使っている確率が高いように感じたこともあり、せっかくならと試してみたのが終わりの始まりだった。

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 私は他にも2本のペンを保有しており、気分や季節によって使うペンを変えている。

 今は廃盤になった無印良品のペンは、現行品にないゴムのグリップ部が効いており、軽さを感じる重量と構造もあいまって、ムダに文章が書きたくなってしまう。

 一方、uniの「KURU TOGA」は金属グリップが装備されたものを使っており、ペンに重さを感じつつも冷えた感触は、疲れによって筆の動きが鈍るのを抑えてくれる。

 それら2つで満足しつつも、多くの人の利用率が高いと感じたSMASHを試してみたいと、道具としてのペンに重きを置く人間の物欲は高まっていった。

 幸いというか巡り合わせというべきか、手元に迎える機会があったので、さっそく当日中に書き味を確かめてみた。

 規則的に配置されたグリップ部が、握るとキュム、キュムとたわむのが気になったけれど、ペンの構造がもたらすメリットがそれを補って余りあると分かった。

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 使用中の2本をふくめて多くのペンは、本体の作る円筒形から先端にかけての細くなる部分が分離できるようになっている。

 その理由はグリップ部を付けるための、いわゆる製造工程に起因するものであったりするけれど、分離できるということは弱点にもなるわけで。

 件のSMASHは、本体中央あたりから先端にかけてを一体成型にすることで、弱点を克服しようと試みたのだろう。

 一体成型なので無駄なく絞られた先端部は、黒鉛のペン先で紙を捉えるのに無駄がなく、本体が細身であることも重なって、ほとんど重さを感じることなく書き続けられる。

 使用する人間によっては、指の使い方や筆圧などの要因で「頼りない」と感じる可能性はあるけれど、慣れれば書き続けるのが苦にならないペンは、小さいながらも大きな武器となるだろう。

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 あらかじめ予想したよりも上手くいかないとき、その理由として道具にケチをつける人がいる。

 逃げ道を作っておくのは人間として賢いと思うし、使う道具によって成果に差が出るのは当然だ。

 とはいえ、たかだか数百円のペンで障害が取り払われるなら、それを使わない手はないだろう。

 むしろ成果物を前にして、自分が納得するために良い道具を使うという選択もあるのではと思うのだった。


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