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死体と猿と夫の話

この度子供が念願の0歳4月保育園入園を果たした。保育園入園までの約1年間の生活について振り返ってみる。我が家は里帰りをしない代わりに産後4週間は夫が育休を取り、死体と猿のようだった産後の母子のケアをした。今回は育休取得の経緯から取得後の感想について、妻の目線から書いていく。体力とか状況とか個人差が大きくて何が正解がない領域の話で、「我が家はこうしたよ」という一例でしかないことを念頭に読んでください。約8000字、長いです。

前提条件:
・第一子2020年5月下旬予定日(→ちょっと前倒しで中旬に産まれた)
・主保育者は30代会社員夫婦
・両家両親は原則戦力外
・年度途中の保育園募集は絶望的、0歳4月でも激戦

ざっくりタイムライン:

スクリーンショット 2021-05-21 21.06.18


夫は育休4週間+2週間、私は産育休12ヶ月取得した。こうして見ると夫の育休期間は短い。しかしとてつもなく有意義な育休だった。一例でしかないといいつつも、産褥期&新生児期の男性育休は義務化するべきだと思う。子の睡眠が安定しない間のワンオペ育児は無茶。誇張なしに夫はこの育休で子供と私の命を救っている。

◆産後育休の狙いと成果の概要

狙い:
・産褥期で動けない(であろう)母体に代わって育児をする人手を確保すること
・母体を回復に専念させること
・育児を二人でスタートすること
・夫復職後の生活のフォロー体制を組むこと

成果:
・夫が家事育児を担い、子はすくすく育った
・母体は回復に専念できた
・育児を二人でスタートすることができ、心強い同志となることができた
・外部支援サービスの利用は検討しきれなかった
・復職後も夫が在宅勤務を継続し、育児臨時待機要員になってもらった

◆育休取得を決めた経緯

妊娠がわかってすぐ、育休どうする?を話し合った。

方向性を絞る:
母と父では制度のルールが違うため、組み合わせパターンは複数ある。ちょっと複雑だけどゲームの好手を練る感覚で楽しかった。会社員同士のカップルはルールが近くてお金の見積もりはしやすい。
①休業最低限でめっちゃ働く
②休業を父に寄せる
③休業を母に寄せる
④一緒にめっちゃ休業する
⑤一緒に休業したり交互に復帰したりする
大まかに分けるとこんな選択肢がある。ここからまずは消去法で⑤に決定。

消去理由はこんなところ。
①保育園が年度途中募集がほぼないことが分かっていたので物理的に不可能
②私が産後すぐ復帰する体力の自信がない
③夫の育児経験が薄い生活が定着してしまうんじゃないかとか、育児機会損失が勿体無いとかそういうの
④楽しそうだったけど、世帯収入減やキャリアへの不安と天秤にかけてそこまでやらんでもいいかという気持ち

では私は産休+育休、夫も育休とって二人体制の時期を作るとして、期間はどうするか。

時期と期間を決める:
ポイントになるのは、男性育休は産後8週間以内に開始&終了すると分割してもう一回取れるっていうところ。“パパママ育休プラス”ってやつ。分割取得の選択肢を温存(≒判断を先伸ばし)するために産後8週間以内で1回目の育休を取ることにした。2回目のことは生後半年超えてから再度相談したんだけど、産前に相談した時点で私の中ではどうせ取るなら私の育休期間を短縮して夫にバトンタッチしてみたい、夫のワンオペ期間を作ってみたい、という思惑があった。あと、単純に新しい制度は使ってみたかった。新しいっつっても10年前からあるけど。この期待は3割くらい実現する。

8週間以内でどんくらいとるかは、コロナの影響で決まっていった。妊娠当初は両家両親のヘルプも併用して2週間程度にする?なんて案もあったのだけど、未知の感染症が蔓延する中、全員60歳を超えていて、基礎疾患もあったりする高齢者を積極的に移動させたくなかったので彼らのことは原則戦力外と考えることにした。そうなると夫の育休は余裕を持った日数にした方が良さそう、せめて1ヶ月。多分一番ハードなのは退院直後だろう。よって、夫の育休取得は退院後4週間とした。

まぁ、つまりいろいろ話し合ってみたものの最終的に出産のダメージが想像できなさすぎて「床上げ約1ヶ月っていうしとりあえず1ヶ月でいっか」ってノリで決めたのだ。

はるか大前提として夫が「とりあえず産褥期っつーのはサポートが必要なんだろうな?」って漠然と思ってくれていて助かった。もし説得が必要な相手だったら、私だって全くの未経験イベントだから説得材料が「漠然とした不安」「人の体験記」しかなくて困っていたと思う。休めよバーカバーカ!みたいな。子供か。

期間を決める中で、育休の狙いもぼんやり共有。ゴールは夫仕事復帰までに私が育児と最低限の家事ができるようになること。私のダメージレベルは分からないけど、とにかく、夫婦二人で産褥期を乗り切るのだと腹を括った。

◆育休取得ハードルの性差

育休取得について、会社の事情とか社風ももちろん違うんだけど、性別によるハードルの違いを感じた。夫は「交渉」、私は「宣言」だった。

①夫、会社との育休交渉をする
妊娠発覚以降かなり早い段階から交渉を開始。私もだけど、たぶん、両親の次くらいに上司に妊娠報告している。
夫の会社はもともと男性育休取得事例が多くあって素晴らしい会社なんだけど、それはそうとしてやはり早め早めの交渉・調整は必須だった様子。早くから告知していたおかげで、予定日より早く産まれても前倒しで育休に入ることができた。取得期間はまだ相談中の段階でもいいから、とにかく予定日と育休取得希望であることをさっさと上司に言うのが大事だったみたい。

②妻、会社へ産育休宣言をする
私は交渉ではなく宣言とか報告って感じだった。妊娠しました、予定日5月下旬なのでゴールデンウィーク前に産休に入ります、まだつわりはないけど業務調整が必要だったら希望出します、順調に妊娠が続くかはわからなくて急に休むかもしれません。全部、こちらからの一方的な通達。女性活躍とか女性の働きやすさをアピールしていてハラスメントにもうるさい会社だからか、上司はちゃんと第一声でおめでとうございますと言ってくれた。真顔で。教育が行き届いている。

夫の環境は社員数も職種も私とは全然違って、1ヶ月抜けることが彼のキャリアの傷にならないか心配になる気持ちがないわけではなかったんだけど、育休は私が懇願切望して取ってもらうものではないというある種の開き直りがあったり、つわりをはじめとした体の変化に心がついていかなかったり、その他の出産準備にてんてこ舞いだったりしたのであまり根掘り葉掘り聞いていない。夫自身の不安とか苦労は、聞いていない分もたぶんあったんじゃないかと思う。

とある家庭の一例から社会全体に一瞬主語を広げると、超高齢化社会で老老介護や定年延長など、祖父母が健康な状態で孫の育児にフルコミットできるパターンはこれからさらに減ってくるんじゃなかろうか。社会全体として夫婦に育児の負担が偏るケースが増えると予想されるならば(予測もなにも、肌感でもう増えてるが)、制度的には夫が育休を取ることや夫婦で同時に育休を取ることのハードルをもっと下げる方向に整えるべきだと思う。極論、人手は別に夫じゃなくても、結婚していないパートナーとか、誰でもいいんだけど、出産育児はもう賃金労働の場から人を引っこ抜かないと成り立たないのだという前提のもと制度も風潮も変える必要があると感じた。ケア要員は降って湧いてこない。無策だと産んだはなから2人死ぬ。少子化対策の一つとして、一刻も早く誰しもが「さも当然」という顔で育休がとれる世界を実現してほしい。

◆産後4週間、実際の夫婦同時休業中の過ごし方

これがもう、ぜんっぜん覚えてない。睡眠不足ってこんなに記憶飛ぶのね。どうやって生き延びたんだ?

記憶はないが育児記録があるので添付する。育児記録はぴよログというアプリを使用。夫婦で共有できて便利なので重宝している。縦軸が24時間表記の時刻、横軸が日付で1週間分の育児記録スクリーンショットです。●や■がオムツ替えや授乳などのイベントマーク。

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私は母乳授乳(スクショのピンクの●)と、自身の回復に努めていた(ような気がする)。そして夫は母乳を出す以外のその他全て、としていた(ような気がする)。4週間のうち最後の1週は、慣らしも兼ねて私も家事をやった(ような気がする)。外部に頼ったものは両親による食料サポート(調理済みのおかずを冷凍or車で送ってもらった)のみで、死にかけの私に代わって育児も、私の栄養補給も夫が全てをカバーしていた(んだと思う)。断片的な記憶のカケラしかない。痛い!辛い!眠い!ねむーーーーーい痛ーーーーーいどんだけあちこちから血出るのよォォォォォォ会社の申請クッソめんどくせぇ文字読めないよバカバカバカーーーーーー!!!!!!みたいなしんどい記憶の合間に、おっぱい飲みながら寝落ちする赤ちゃんかわいすぎ天使か?天使を産んだのか??とか、夫まじいい男すぎる抱くぞ(実際悪露でそれどころではない)、とかが挟まっている。大変なストレスだったけど夫への恨みは全く残っていない。すごい。

母乳出すだけでも細切れ睡眠で鬼畜なスケジュールなんだけども、夫はさらに

大人の食事作り(3食+α)
食材買い出し
皿洗い
洗濯
子のオムツ替え(昼夜問わず)(■)
沐浴(◆)
ミルクの準備
授乳(ミルク)(橙の●)
哺乳瓶の消毒
母乳・ミルク授乳後のゲップ出し(昼夜問わず)
寝かしつけ(昼夜問わず)
出生届をはじめとした書類作成と提出(子供の名前も考えた)

などなどなどを担っていた(んだと思う)。え、本当にどうやってこなしていたんだ?夫二人くらいいたのか??夫が倒れなくて良かった。新生児育児の睡眠不足、本当に本当に本当に本当に辛かった。育児の向き不向きは色々あれど、ショートスリーパーはかなり向いている。私は過眠症ロングスリーパーなので絶望的に向いていなかった。人間は寝ないと生きていけない。細切れ睡眠は睡眠にならなくて本当に辛い。これから新生児を迎える方はとにかく人手を用意してください。新生児に限らず、子が夜通し寝るまではワンオペ育児は自殺行為です。本当に。拷問の一種に睡眠妨害があるけどまさにあれ。産後うつの何割かは人を派遣すれば救える。妊産婦の死亡理由1位は自殺、そりゃ死ぬよ。拷問だもの。制度の工夫で救える命が確実にある。行政仕事しろ。産後1ヶ月頃に3人で撮った家族写真があるのだが、私も夫もそれはそれは顔色が悪くてちょっと面白い。

◆育休の成果

夫の活躍により赤ちゃんも私も無事一ヶ月検診で順調に健康の太鼓判を押してもらうことができた。健康(睡眠不足とか腱鞘炎は問題のうちに入らない)、素晴らしい。母体の一ヶ月検診では夫婦生活も再開してOKよ、産婦人科医としては子宮の回復のために1年くらい避妊することをお勧めするわ、と言われてびっくりした。夫婦生活OKとか正気か?もう一回裂けそうだけどほんとに大丈夫なの??たまに逆算すると産後半年以内で妊娠している人がいるけど、生命力が飛び抜けている。

想定とちょっとズレたことは、期待したより私が回復しなかったこと。(そういえば逃げ恥SPのみくりはやたら回復早かったな…)順調に健康になってきているんだけど、まだ子はまとまって寝ないし、私の体力も(本人の認識よりもはるかに)戻っていないし、私が一人で昼間育児をするのは不安が残るというか不安しかない状況だった。これは夫の努力の及ぶところではなく、ただの個人差。見通しはやや甘かった。労働基準法で産後休業が8週間と設定されていることの意味をもう少し考えるべきだったかもしれない。私たちの想像力の限界だった。夫育休8週間でもよかった。

産後すぐの期間の外部支援サービスは結局検討しきれず、依頼には至らなかった。現実的にパッと頼めるサービスは見つからなかったし、検討して外注するエネルギーがなかった。支援の方から歩いてきてくれ。

夫復職後の不安のフォローは、引き続き夫がカバーすることとなった。コロナ禍で唯一良かったことは、夫がほぼ完全在宅勤務になったこと。これがなかったら産後うつ待った無しでもう一度命の危機があったと思う。仕事復帰後は、夜中の育児(いわゆる夜勤)は私がメインでできるだけ夫には寝てもらい、昼間は私が育児で夫仕事、夕方お風呂のタイミングで夫仕事切り上げて育児に復活、という流れを基本とした。まぁ、夜も昼も私がしょっちゅう限界を迎えて夫が仕事を中断することになるんだけど、この話はまた今後。

退院後からずっと育児を主体的に行ったことで夫の戦闘力は53万をとっくに超えており、そんな夫が常に家に居てくれることはこれ以上ない保険となった。激動の最初の1ヶ月を一緒に戦ったからこその安心感。指示せずとも自分で考えて動ける、説明せずとも共感してくれる、育児においてこれがどれっっっだけ貴重なことか!新しい環境においても夫と信頼関係を強め、子供を育てるパートナーとして心強い同志になれたことが、この4週間の最大の成果だった。

◆予測不能なガチャ要素

うまくいったから良かったものの、この体制がベストだったかと言うとそうではない。むしろ、最低限の準備で済んだ幸運な部類かもしれない。正産期に入ってからの出産で、子供は低体重でもなく元気に生まれて、私も標準的なダメージで済んだ。
もし出産時の後遺症があったら、
もし子供に生まれつきの重篤な障害があったら、
もし夫の体力がもたなかったら、もしコロナにかかったら、

想像するだに恐ろしい、どれか一つでも引いたら今日を平和に迎えられなかった。当時考えた中では良い準備をしたし、夫の努力は素晴らしかったが、それはそうとして運が良かったこともまた事実。育児に携わる手は多い方がいい。うまく連携できる見込みがあるならば、夫と親と兄弟と産後ケアサービスと、、、切れるカードは2枚以上あった方が絶対に良い。今も、わりと日々が綱渡り状態でヒヤヒヤしている。

◆産後の母と子は「死体と猿」かもしれない

肝心の当時の過ごし方について具体的に書けなかったけど、声高に主張したいことが一つある。産褥期&新生児期には絶対に母ワンオペをさせないでくれ。この時期は本当に本当に人手が必要。子の育児のため、母を休ませルため、母を戦力にカウントせずに人手を用意して欲しい。産後の母のワンオペ育児は母子を殺す。繰り返すが、どうか、命を救うために父親は戦力になって欲しい。

夫は産後体験レポ等々を読んで、最終的に「(退院時は)死体と猿が帰ってくる」と覚悟していたらしい。蓋し名言。教科書に載せてほしい。実際には「死体と猿が帰って来ると思ってたけどゾンビと赤ちゃんくらいだった」と言っていた。死体でもゾンビでも家事育児に向いていない。

そもそも産後の母体は根本的に育児に不向きだ。怪我のレベルは交通事故レベルだし、子宮からまだ出血してるってのに乳からも母乳という血を出す。出すなよ。ホルモンバランスのせいで全身の関節が緩んでいて、腱鞘炎や腰痛にもなりやすい。精神的にもPMSなんて目じゃないくらいホルモンに振り回されていてすぐ泣く。睡眠不足は妊娠中から続いているかもしれないし、眠いし痛いので当然判断能力も落ちている。冷静に考えれば、そんな母体よりも無ダメージの人間の方が育児に向いているに決まっている。常識だ。なぜか私は最近気付いた。目からウロコボロボロ。なんで私は産むまで気付かなかったんだ?母性神話?確かに、人間の体からいきなりあんな甘い液体が出るなんて自分でもびっくりしたけども。母乳って甘いのね。妊娠出産イベント、一体どうなってるのか理解しがたいミラクルが多いので思わず神話にしたくなる気持ちは分からんでもないけど、冷静に考えて産後の母体はほぼ死体なので一旦休ませてください。

回復が早かったり赤ちゃんがイージーなパターンもあるけど、準備は死体と猿が帰ってくるかもしれないと想像してハード側に構えておいて損はない。なんてったって命を救える。母体回復が早かったらそのボーナス分たっぷり子供を可愛がればいい。

◆新生児育児は体力だけでは乗りきれない

やることの多さもさることながら、考えることはその100倍多いのが育児のしんどさの元だと思う。子育てというものはきっと、こういう個人差大海原の解のないアップデートに試行錯誤する日々の積み重ねなんだろう、先は長いなーと思えるようになったのは最近のことで、新生児期は目まぐるしいアップデートに振り回されながらどこかに教科書的な解はないのかと助けを求める気持ちがあった。第一子で全然分からなかった。足元には、ミスったら死ぬというプレッシャーが控えていてそれはもう追い詰められた。育児書を開けば「赤ちゃんは泣くのが仕事」のすぐ横に「お母さんの何か変だな?の感覚のおかげで奇跡的に助かりました!」の話が書いてある。どうしろというのか。ディープラーニングは最初に膨大なデータを覚えさせるだろう。育児は初期入力データがないのにいきなり異常検知を求められる。無茶だ。私個人に人類の過去のデータは入っていない。一旦頭を休めたくても、新生児は豆腐の角に頭ぶつけて死にかねないくらい儚かい生き物で、今この瞬間泣いているのをどうにかしなければ、死んじゃうんじゃないかって焦る。育児書だとたまに死んでる。これを24時間、切れ目なく睡眠不足(+母体の場合は死体の体)で続けるのが新生児育児。無理だよー!無茶だよー!一家に一人保健師を派遣してください!!!!!!

そんなわけで、何度も繰り返し書くが、産褥期新生児期には人手が必要だ。これから出産を迎える方、ケアする人間は夫でも実家でも他人でもなんでもいいんだけど、とにかくほぼ死体(かもしれない)母以外の健康な人間を確保しておいてくれ。

◆夫婦でスタートすることの良さ

他の誰でもない夫と一緒にスタートする必要性は下記3点くらい。
・人手確保のため
・夫自身の楽しみのため
・その後の家庭円満のため

人手については里帰りでも一時的に解決するんだけど、残り二つは特に夫本人でしか享受できない。
まず、新生児は可愛い。とびっっっきりかわいい。そしてレアだ。赤ちゃんってのは免疫力が弱い生き物で、だいたい1ヶ月検診くらいまでは外に出さない。新生児を見れる機会ってとても少ないのだ。産んでから知った、外で見かける赤ちゃんはでかい。この、とんでもなくかわいいふにゃふにゃの赤ちゃんを見る千載一遇のチャンス、逃してはならない。産んでない方の人は健康な体で新生児を楽しむことができる、なんというアドバンテージ!羨ましい。赤ちゃんはすぐでかくなる。豆腐の角に頭ぶつけたらワンチャン死にそうだった我が子もあっという間に育っていまや逞しくバナナを握りつぶしている。(これはこれでまたとびきりかわいい)

家庭円満部分は、早くから育児の解像度を上げておくと夫婦で助けやすくなって喧嘩が減るんじゃないかなーという論理。どんな間柄でもコミュニケーションの基本は報連相だと思っているけど、一方で指示するとか頼むってほんっっっとうにエネルギーを使うから、やらなくて済むならそれに越したことはない。こと育児が加わったあとの生活は常に時間がなく、何をどう頼むのが正解なのか分からないことも多いので頼むハードルは上がりがち。育児の知識が偏ると効率が落ちてしまう。頼むくらいならさっさと自力で済ませて1秒でも長く寝たいと諦め、さらに偏っていく、みたいな負のスパイラルが生まれかねない。同じ景色を見たところで受け取る情報が同一になるわけではないんだけど、一緒にデータ収集してマメに進捗共有する習慣を最初に二人の体に叩き込めたのはとても良かったと思う。二人の解像度が近ければ近いほど負担をシェアしやすく、子供をかわいがる余裕は増えやすくなるんじゃないだろうか。育児負担の配分は各家庭それぞれあれど、一緒に子供をかわいがる時間がたくさんあるとだいたいみんな嬉しいだろう。リスク分散して子の生存確率も上がるし、いいことづくめ。

◆総じて

うちの夫、本当にいい人。いい人だと思ったから結婚したんだけど、やっぱりいい人だった。妊娠出産は未知のイベントの中でもどうしたってメスに全ての負担がのしかかるイベントだから、産まない側の想像力とか思いやりが試される。結婚式で誓った、愛し敬い慈しむとはまさにこのこと。どうやったらこんないい人間が育つんだ?育児はまだ始まったばかりだが、この人とならこの先のハードルも乗り越えられそう、だってこんなにも心強いパートナーがいるのだから。夫が私と子にとって最高であるのと同じように、私も夫と子にとって最高なメンバーであり続けられるように頑張らねば。夫よ、育休助かったよサンキュー!

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