好きな歌、消費する音

自分が歌を消費するようになったと思ったのは、最近聴いた「好きな歌」の歌詞を思い出せないことに気づいたときだった。

小学生の頃、サブスクサービスはなくて好きな歌を聴く方法はCDを買うかレンタルするのが主だった。

あの頃は聴きたい曲がすぐに聴けなかった。だから、CDを買うときはすごく待ち遠しくて、ワクワクしていた。

歌詞カードを眺めるのが好きだった自分はCDを買っていた。当時はGARNET CROWってアーティストが特に好きで、歌詞カード眺めながら何回もCDをプレイヤーにかけては歌をリピートする。

次から次へと新しい歌を聴けるわけじゃなかったから、何回も同じCDを流していた。イントロを聴いて、頭の中でその歌の歌詞がパッと全て思い出せるほど。

それがいつからか、聴いた歌の歌詞を思い出せなくなった。いや、覚えなくなった。

いいなと思った曲はだいたいすぐに聴けて、サブスクで次から次へと歌を聴ける。同じ歌を聴く回数は子供の頃と比べて、はるかに少なくなった。

好きな歌の歌詞を思い出そうとして、歌詞を検索する。

そんなときに歌を消費するようになったなと実感してしまう。

べつに子供の頃がよかったや戻りたいと言いたいわけじゃない。

今の方が便利だし、たくさん歌を聴ける方がいい。

ただ少しだけ、変わってしまった自分がいて、寂しく思ってしまった。そんな話でした。

おわり

人の金で焼肉を食べるのが夢です。