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体験からできるを引き出す
おはようございます、林田です。
障害者支援施設で働く私、林田が仕事を通じて感じたり考えたり、または実践したりしていることを発信するラジオです。
さて、今日は、「体験からできるを引き出す」というテーマでお話をさせていただこうかなと思います。
障害のある人のプラン作成に伴うアセスメントについてのお話ですね。
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このアセスメントというのは、簡単に言うと、障害のある人の身体状況、または健康状態、対人関係、コミュニケーションの領域でいうと意思の表出だとか理解、または家族関係などのいろんな項目からニーズ、すなわち本人の思いとなる核を見つけたり、または課題を見つけたり、または強みを引き出したりといったことをする事前の調査になります。
こういった事前の調査をもとにプランの作成するんですが、作成にあたって、難しい方もいます。特に障害の重い方のアセスメントというのは非常に難しくって、困りごとや生きづらさを自分の思いを言葉にできなかったり、自傷や他害になるケースも少なくないんです。
なので、まずは大事なのは、直接の観察であったり、または幼少期からの教育、生育歴の環境であったり、または日頃の支援の記録から導いたりします。
ここでちょっと落とし穴があるのかなと思ってまして、それが何なのかっていうところで言うと、 「一つのコミュニティのみで判断しちゃう」という落とし穴が潜んでるんではないかと思うんですね。
例えば分かりやすいところで言うと、うちの子供なんですけども、家庭では「お姉さんにべったりの甘えん坊」という顔であったり、 または「勉強で分からないことがあったら、それをすぐに投げ出す癖」なんかもあったりするんです。
一方で学校からの評価、先生の見立てというと、「下級生への優しい気遣いができたり、または、 計算苦手ですが暗記は非常に得意です。社会なんかすごい良いです」ということも見えるんですね。
いろんなコミュニティに入って、そこで合間見える人や環境が違うと、それぞれで生かせる強みとか特性とか、 いろいろあるんじゃないかなっていうところなんですね。
となると、障がいのある方も同じだと思ってて、僕が、体験したエピソードなんですけども、うちの施設を利用されている自閉傾向にある方ですね。その方のアセスメントをしていく中で、「調理」の項目でいうと、施設では調理をしない、する経験がないので、「全般的に支援が必要」という風に項目として打っちゃってたんですよね。
面白かったのが、その方と一緒に日帰り旅行に行った時の話で、それが、明石焼きの体験のコースだったんです。具体的にいうと、明石焼きの体験というのは、熱々の鉄板がテーブルに四、五個バババッと並べてあって、そこに生地をその鉄板に流し込んでいく。あくまで体験なので、皆んな皆しなくてもいいわけで。
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じゃ、これを利用者さんがやってもらえるかなということで、会場の係員の方が言ってくださって、 それを聞いた引率スタッフは、調理の経験がある人、またはできそうな人を瞬時に判断して声をかけて、やってみようかと誘うんです。
そんななか、最初にお話した自閉の方が、おもむろに、バーッと席を立てて、係員の方が手にするネタをぶんどって、熱々の鉄板にネタを注いでいったんです。
僕も他のスタッフも、冷や冷やしながらその様子を見てたんですが、なんと面白いことに、そのネタを鉄板の穴すれすれのところでビターッと全部注いで回ったんです。
やっぱり、自閉のある人って、そういった手先の器用さであったり、均一化であったりというのが特性でもあったりするんですけども、 調理をした経験がないから、多くの支援が必要というわけではなく、「こんな配慮をすればこんなことができるんだよ」という強みを引き出すのは、 色んなコミュニティに参加したり、体験したりして、見つけられるところなんじゃないかなと思います。
アセスメントをしていく上で、こういったプロセスっていうのは絶対的に必要でしょうし、強みを見つけてる、引き出す体験の機会の提供はやはり支援者として、ぬかりなく作っていかなくちゃいけないのかなと思います。
といったわけで、今日は体験からできるを引き出すというテーマでお話をさせていただきました。
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