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パラサイト 半地下の家族

パラサイトを見た。
最近アカデミー賞をとって話題になっている。

■登場人物

【貧乏家族】

父|キム・ギテク
過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的。

母|チュンスク
甲斐性なしの夫ギテクに強くあたる。

息子|ギウ
大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している

娘|ギジョン
美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない


■あらすじ

内職で日々を繋ぐ、“ 半地下住宅”で 暮らす貧しい4人家族が主役だ。

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“半地下”の家は、暮らしにくい。
窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。
電波が悪い。Wi-Fiも弱い。
水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。
家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。

「僕の代わりに家庭教師をしないか?」
受験経験は豊富だが学歴のないギウは、
ある日、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。
“受験のプロ”のギウが向かった先は、IT企業の社長一家が暮らす
高台の大豪邸だった——。

パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを
家庭教師として紹介する。
更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていく…
“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“ 高台の豪邸”で暮らすパク一家。

この相反する2つの家族が交差した先に、
想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく——。

こういった話だ。


■パラサイトの意味

まず、パラサイトってどんな意味だろうと思って調べた。

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なるほど。寄生虫。
寄生虫って韓国語だと、
「ギ・セン・チュン」という。

貧乏家族の名前は

■ キム・テク(父)
■ パク・チュンスク(母)
■ キム・ウ(兄)
■ キム・ジョン(妹)

ギセンチュンのチュンが入ってる。
分かりやすい伏線。

韓国の貧富の差、格差社会が題材になっているというのは知っていた。
裕福な家庭に貧乏な家族が寄生する話かな、くらいに思っていた。

予告で血が飛ぶシーンがあるのも知っていた。
わたしは血が苦手だから、あんまり飛ばないといいなと思いながら見ていた。



■ことの始まり

父、母、兄、妹の4人の韓国人家族が半地下と言われる部屋に住んでいる。
彼らは働き口がなく、内職のバイトをしてどうにか生活していた。

韓国でいうと「半地下の家」というのは貧困の象徴で家賃が安い。
あるとき、兄が金持ちの家での家庭教師のバイトを紹介される。

バイトを紹介してくれたのは、育ちの良さそうな友人・ミニョクで、
家庭教師を頼まれた時に、友人・ミニョクから大きな石(山水景石)をもらう。少ししか登場しなかったけど、ミニョク、イケメンだった。

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■山水景石

山水景石は金運と学業運をもたらす石。
映画では実際にこの石が来てから、ギウ家の財運は上がっていく。
長男のギウがこの石に異常な執着を示すようになって、
この石がお金持ちになることへの執着の象徴として使われる。


俺が留学に言っている間、代わりの先生がいる。生徒の女の子のことが好きだから、他の男たちには任せられない。お前なら信用できるから。」と言って仕事を紹介してくれた。

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それなのに、兄は先生をし始めてすぐ、生徒である金持ちの長女とキスしちゃったりするから、「え、めっちゃすぐ友人裏切るやん。」と思う。多分みんな思う。今思えば、この長女は年上の男を口説きたいお年頃だったのかもしれない。

兄が家庭教師として働きだしてからだんだん、
家族全員が金持ち一家に寄生していく。


■インディアン


初めて兄が金持ちの家に行った時、
金持ち一家の弟・ダソンは、インディアンの格好をしていて、おもちゃの弓矢で矢を飛ばしてくる。この映画の中では度々インディアンが登場する。

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これは
アメリカ本土(金持ちの家)に侵入する者(ギウ)と、
侵入者を攻撃するインディアン(ダソン)に見立てている。

ダソンは映画の中で何度も貧乏家族が侵入者であることを警告。

・貧乏家族の匂いが同じだと指摘
・モールス信号を解読

勘のいい子供だな、怖いなと感じる。


■性行為

たぶん、鑑賞後かなりの人が印象に残るのは
金持ち夫婦のソファーでのセックスシーンだ。

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韓国映画は日本映画より、セックスをしっかり写す。
触っているところきちんと画面に入れる。こう触ってますよみたいな。
少し滑稽だけど、普通にアダルトな感じ。

奥さんの言葉がいちいち面白かった。
「時計回りに触って!」「ドラッグをちょうだい!!」と旦那にねだる。
旦那も「拾った安いパンツを持ってこよう。そのほうが興奮する。」
このセリフたち、どういう意味だ?と思いながら見ていた。

意味が気になって鑑賞した後に調べてみると、
「パラサイト 時計回り」が検索ワード上位に上がってきている。
ああ、やっぱりみんなあれ気になるよな、と安心した。

「時計回り」には特に意味はなさそうだが、
「どんなに金持ちで上品ぶってても、性に関してはみんな下品だ」
ということ。性欲にお金は関係ない。

■大雨

大雨が降ると半地下に家には水が溢れる。
下水溝から水が逆流する。トイレから噴き出してくるのだ。
貧乏家族は半地下から大事なものだけを持って、避難生活をする。

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それなのに大雨の次の日、
金持ち家族は弟・ダソンの誕生日パーティーを開く。

ここで明確に感じたのは、
貧乏人は「金持ちを近いもの、頑張れば自分たちもなれるもの」と考えている。金持ちは「貧乏員がどんな暮らしをしていて、どういう状況なのか全く興味がない」のだ。

だから前夜、半地下が完全に水没して、貧乏人が何人も生活に困っていることに全く興味もない。知らない。

最後の方は、わたしにとって地獄みたいなシーンが続いた。
血が流れる、流れる。顔を手で覆いながら観た。



■まとめ

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パラサイトは韓国の現実が見やすく描かれている。
韓国に興味がある人はもちろん、サスペンスや伏線、関係性や意味を考えるのが好きな人にはもってこいの映画だと思う。

わたしも見ている中で、これはなんの意味があって何を象徴しているんだろう。と考えさせられる場面がいくつもあった。

貧富の差からくる憎しみ、恨み、差別、嫉妬やリスペクト。
人間は少しのことですぐに壊れてしまうもの。

お金が大事なのはわかるし、あるほうができることが多いのもわかる。
けどないからこそ、感じられる苦しみや喜びがあるのも確か。

わたしもとにかくたくさんの作品に触れて、心の中を広く大きく、豊かにしていきたいと思う。


#映画 #パラサイト #半地下 #時計回り #ポンジュノ


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