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母になる前に~夫と試験とパートナーシップ~(前編)

前回の投稿から2年5か月が経過してしまった。
この文章は、令和5年8月3日に計画無痛分娩を控えた7月31日に執筆している。
この3年間ほどで私の人生は史上最高に変化があったので、備忘録として書き留めておくことにした。大変長い文章になってしまったが、もしご興味がある方はお付き合いいただけたらと思う。


心の準備ができるまで

専門学校卒業後ほどなくして、「(結婚に向けての心の)準備が整ったな」と感じたので、2021年4月にマッチングアプリを再開することにした。
当時、パートナーシップを学ぶオンラインサロンふたりの教室(当時の名称:すきだよラボ)に入会して1年が経過していた。

入会した2020年の初春、私は29歳になったばかりで、アラサーという第二の思春期を抜け出せずにいた。結婚はしてみたいがどうやってたどり着くのかがわからない。過去の交際経験から「話し合いがどうやら大事だぞ」「話し合える男性がいいぞ」という結論に辿りついていたものの、どうやってそんな相手を見つけたらよいのか?自分はどうなっていたらいいのか?が分からずにいた。

ふたりの教室では、コミュニケーションの方法を理論的に学ぶことができる。気になる方は是非上記のリンクから内容を見ていただきたいが、入会当初の私には「こんな角度からコミュニケーションって学べるのか!」と目から鱗の内容ばかりであった。
※勿論、恋愛だけでなく仕事や友人関係にも使える考えだ。副次効果として、試験対策で仕事の緩急をつけ休みもがっつりとりながらにも拘らず営業成績も安定した(!)営業はメンタル勝負…

特に心に響き、今も私の生き方の指針になっているのが
「自己受容」「アサーティブコミュニケーション」「ご自愛」である。


自己受容

「自己受容」とは、「その人が置かれている現実の状況を受け入れること」を意味します。例えば、次のようなことです。
・身体的特徴
・家庭の貧富
・成績の善し悪し
・友人や恋人の有無など人間関係
・通っている学校や就いている職業

人が置かれている現実の状況には、自分の意志では変えられないものや簡単には変えられないものがあります。生まれた家の貧富、容姿の特徴、職業、人間関係、学歴などは簡単には変えられません。「自分の顔が嫌だ」と思ったとしても、生まれ持った容姿は簡単に変えることはできません。整形手術やメイクがあるといっても、顔そのものを変えることは容易ではないはずです。このように「こんな自分はイヤだ。だけど、簡単に変えられない」…そのような部分を受け入れることを「自己受容」といいます。

https://kizuki.or.jp/blog/communication/self-acceptance/

自己受容が大事だと気付いたきっかけは、
「なぜあなたは『愛してくれない人』を好きになるのか」という本である。

ふたりの教室のオーナーであるあつたゆかさんが紹介しており、作家の岸田奈美さんもおすすめされていた。当時の私のような迷走状態のアラサー女子の心に突き刺さる本である。

読了直後のこの記事でも触れたが、人にはそれぞれ親や生育環境や大きくなってからは友人や交際相手につけられた「心の傷」があり、その傷を無意識のうちに埋めるような相手を探してしまう。完治はできない傷がある状態を認める=受容する ことが、自分を認められる一歩になる、という。

私の場合は、幼い頃からADHDグレー気質でよく失敗を犯し(飲食物を溢す・物の紛失・約束を忘れる・時間を守れない等)それを親や周りに咎められたこと、いわゆる「女の子らしい、おしとやかな振舞い」が苦手であったこと。中学1年生の時に病気で母を亡くしたこと、その後父が再婚し義母との関係がうまくいかずに社会人1年目で家を出たこと 
あたりが傷になっていると感じる。

また、大学生の時の彼氏(25~27歳ころまで再度遠距離交際し、結婚に向けた話し合いができず破局)が今でいうモラハラ気質…不機嫌で人をコントロールする、正論で人の失敗を徹底的に責める等…であったため、恋愛に関しては「ノンアサーティブ(自分の気持ちや意見を言わない非主張的な自己表現)」な状態になることが多かった。今にしてみれば、こういった相手に惹かれていたのは傷を埋めるためだったのかと思う。

自己受容にいたるまでのプロセスとしては、自分の過去の経験や傷ついたこと・日々の気持ちの機微を日記や紙などに言語化(ジャーナリング※)していくことが大事だと思うが、自分が共感できる素敵な人物(リアルでも、有名人でも偉人でもかまわない)を見つけることもそのひとつだと思う。
muuteというアプリでも簡単にジャーナリングができるのでおすすめ

あつたさんはご夫婦でのやりとりでご自身を「おおざっぱ王国の民」とされており、私もあつたさん寄りのタイプ。性格や思考が真逆な夫さんと、毎回話し合いを重ね、ご夫婦仲を深めていらっしゃることに勇気をもらっている。

作家の岸田奈美さんは、同い年でお父様を亡くした時の年齢がほぼ同じなこと、おっちょこちょいな星の元に生まれていることに勝手に共感している。
たいへんな状況も多々あれど、くすっと笑える&泣けるエッセイに昇華されている。

自分よりもはるかに才能のあるおふたりだが、共感できるところがある人に重ねることで、自分のコンプレックスをひとつの個性と認めたり・和らげる効果があるんだなあとこれを書いていて言語化できた。
大変一方的ですが、ありがとうございます。


アサーティブコミュニケーション

アサーティブ(assertive)は、「積極的な」「自己主張する」といった意味があります。ここでの自己主張とはただ一方的に意見を言うのではなく、相手の気持ちを配慮した上での自己表現・自己主張を指します。これを起源とした方法論をアサーティブネスといい、心理療法のひとつである認知行動療法のトレーニングにも取り入れられています。
つまりアサーティブ・コミュニケーションとは、相手を尊重しながら自分の意見や要望を伝えるコミュニケーションスキルの一つです。アサーションとも呼ばれ、対等に自己表現・自己主張できるWin-Winな関係を築く上で重要なスキルだとされています。

https://www.i-learning.jp/topics/column/business/assertive-communication.html

今まで自分の中には「意見の強さで人を従わせる人(アグレッシブタイプ)」or「非主張的な人(ノンアサーティブタイプ)」という区分しかなかったが、同一人物でも時と場合や相手によってそれが逆転することがあることはなんとなくわかっていた。自身も職場ではアグレッシブなコミュニケーションをすることもあったと思う。そうではない第三のコミュニケーションを教えてもらった。
「対等な自己表現・自己主張」というのが、どういった伝え方なのか?を知ると、恋人だけでなくあらゆる人との健全な関係性に欠かせないものだとわかった。
また、結婚やそれに続く生活・妊娠出産などのテーマを話し合うためにも、自分の意見を持ち、提案や問いかけがフラットにできる状態が非常に大切なのだということも。

相手を尊重しつつ自分の意見を伝える。
それがうまく伝わったときの嬉しさや、言いたいことを我慢しない日ごろのストレスのなさといったらない。
夫との日々のやりとりでも存分に生きていると思う。


ご自愛だいじに

そして、自分を大事にすること(ご自愛)の大切さも教えてもらった。
そもそもアサーティブコミュニケーションを学んだとしても、365日24時間アサーティブでいなくてはならない…なんてことはないし、そもそもできないものだという。

発言してから「あ、いま言い過ぎてしまった…」「言語化がうまくできなかったけどもっと伝え方うまくできたな…」ともやもやすることはいまだにある。そんな時、反省も 大事だが、一番にすることは自分を癒すことだと思っている。

大概の場合、人は「眠い」「お腹がすいている」「疲れている(体調が悪い以外にも暑い寒い等環境要因も)」と余裕がなくなり、イライラしやすい。イライラを自覚した際は、今どれに当てはまるのかを考える。
※ちなみに、時間の余裕がないときもイライラしてしまうのだが、特性上なかなかいつでも余裕をもった動きができているわけではないので、子育てするうえでも今後の課題である…。

ご自愛して自分に余裕があることがまず大事と知った後は、「あ、今自分疲れているな、余裕がないな」と思ったら、お昼寝してひとやすみしたり、リフレッシュする予定…私の場合はリラクゼーションサロンや喫茶店での読書、だいすきなスープカレーを食べに行く等…をとにかく入れてしまう、ということが習慣化できたと思う。(親指で完結する現代ってすばらしい!)

日常的に怠いなあというときは、美容室やネイルなど他人に手入れをしてもらって目に入るところがちゅるんとしていると、私は気合が入りやすい。

また、ご飯を無理して自炊せず外食や中食にする、便利家電や外注の活用など、削減できるストレスはお金で解決するのも好きだ。

そうして体力・メンタルゲージが60~70%程度以上に保てていると、ご機嫌を保ちやすく・寛容になれるし、アサーティブコミュニケーションを実践しようとする気力も湧いてくるのである。

回復したのちに、もやもやを言語化してノートやスマホのメモに書き留めておく。そうすることで、次回同様のことが起きたときに心の整理がついている・言語化できている状態になるのだ。

前回の投稿にも登場したH先輩(愛妻家で、リアル知人の中でいちばん夫婦のパートナーシップが素敵だなと個人的に思っている)に「どうやったら結婚できるんですか?」と聞いたところ、「自分が(誰と)結婚してもいい状態だと思えたら」という回答をくれた。

その時は「それってどんな状態なんだろう…」とよくわからなかったが、どんな相手にも自分の考えを言語化し、アサーティブに話す方法を知ったうえで実践する努力ができること・自己受容した上で日々をご自愛しながら生きることを心掛けれるようになったことで、「準備ができたな」と思えるようになった。

夫との出会い

上記のようなことを理解し実践すること半年以上経ち、アプリを登録するに至った。使用したのはいきなりデートというアプリである。

名前の通り、事前のやりとりなしで運営の調整でデートが成立するアプリ。(現在は仕様が異なるようだが)当時は顔写真が表示されず、出身地・出身大学・身長・職種などが簡単に記載されているのみで、都合の良い日程を入力しておくと、スケジュールが合う人が表示される。

今までのアプリはまず写真の印象から入り、その後プロフィールをチェックしいいねを押し合いやりとり…という流れだったため、第一印象なしに会えるのはかえってよかった。

夫は県外出身(大学は今の居住地で理系)、土木業…ということで、大学から現在まで男性ばかりの職場で女性慣れしていなさそうだなあ、建設と土木は近しいので話が合うのでは?と簡単にプロファイリングし、会ってみることにした。
※自分と同職種の営業マンは見た目が華やかだったりコミュニケーション上手でも、お酒・煙草・ゴルフなどに傾倒する人や女性関係がゆるっとしている人が多いと感じていたので、家庭を築くにはその逆タイプな人がいいなあと思っていた。

そして外見のイメージは限りなく低めに想定し、当日どんな人が来たとしても、その人の内面をインタビューするようなきもちで会ってみよう、と臨んだ。

そうして迎えた2021年のゴールデンウィーク。
私よりも早く到着し、店内で待っていた彼は、到着するなり名乗らずに話しはじめた。とっても緊張している様子だったので、思わずふふっと笑ってしまった。北国とはいえこれから温かくなる季節にコートを着ていて、そのコートもおしゃれとはいえないものだったけれど、マスクの上に見える、笑うとふにゃっと下がる目じりが好印象だった。

緊張のせいかちょっとせっかちでどもってしまう話し方も、言葉遣いがきれいで語彙力があるのでかわいらしいなと思った。

まずは出身地や大学・仕事の話の共通点で盛り上がり、私が文系から専門学校に通学して二級建築士の試験勉強をしていることを伝えると「尊敬します」とさらっとほめてくれたことが嬉しかった。

家族の話になり、お父様が家父長制的価値観で、モラハラ等が原因で両親が別居していることや、ご両親のエピソードからそれを反面教師にしていることを教えてくれた。
ミソジニーという言葉を知っていたのも驚き&好印象だった。
ジェンダー観がずれていると結婚・出産後大変だろうなあと思っていたので、安心した。

また、仕事が忙しく家事外注を考えたことがあるということ。(逃げ恥の話もした)物欲はあまりなく普段は節約して旅行等にお金をかける派で、仕事が忙しく使う暇がないので勝手に貯金が増えていくこと。
お酒が弱くて学生時代から酔いつぶれた人の介護担当と聞き、私もお酒に弱くほぼ飲まないこと・便利家電に投資したい派なので共感。どちらかというと浪費家な私には、財布の紐が固いのは素敵だなと思った。

すっかり盛り上がったのでその日は喫茶店を2軒はしごした。
私は職業柄車を所持しており、デートの際は毎度彼の家に送り届けていた。

その後も毎日LINEのやりとりをし、3回目のデートで彼から交際を申し込まれ、(運転中だったのでちょっとタイミングにびっくりしたけれど)もちろん了承した。

結婚願望があることや出産もしてみたいと思っていることを伝え、
彼も34歳くらいまで(夫が生まれた時のお父様の年齢)にはこどもがいたらいいなと言ってくれた。

お付き合いして間もなく、あつたさんが開発したふたり会議というアプリを活用し、お互いの価値観を改めて&深く確認したところ、初日に話した印象とほぼ変わることがなかった。

そもそも将来のことなど真剣な話し合いをすることへのハードルが低く、真摯に向き合ってくれたことで、改めてこの人とお付き合いができてよかったなあと思ったのだった。


次回は
二級建築士学科試験・婚約~入籍~引越・二級建築士製図試験の3本立て
最後に結婚式~妊娠編を書きたいと思う。(決意)


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