Earth Partner-平田里菜

そのときにあるもの、なんでも書きます。

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他者となにかを共有できると言うのは、一緒にいるというのは、きっとそれだけで素敵なこと

ひとつの輪が終わりを迎えた。 11月から10名で歩いてきた「ひらがなを話す会」が全8回を終えた。 今日はもうすっかり春ですね、と言い合える空気の中、私たちは輪になって最後の時間を過ごした。春の始まりのあったかい日。ずっと真ん中で炊かれていたストーブも、最後は必要がなくなった。ひとつの冬を一緒に越したんだな私たち。 私たちは何かの解決を目指してない。だから、やってることを聞かれてもうまく答えられないことが多い。何を大切にしていて、どんなふうに一緒にいようとしているかを、今

    • 「世界と恋に落ちるのよ」 の意味が、またちょっとわかった日

      先日、友人いとちゃんの会社、(株)ホウキンのチームビルディングの研修の場に一緒にいさせてもらった。その時驚いたのは、みんなが「一緒に」「みんなで」「全員で」ってめっちゃ言うこと。全員男性、管理職。彼らがまっすぐに、小さく震える願いを込めて大きな声で言う「一緒に」は、わたしの心をまっすぐ震わせた。 冬の柔らかい日差しの中で大人の男性たちがまっすぐに想いを伝え合い受け取り合う姿は、本当にうつくしかった。みんなが自分の全部でみんなと出合おうとする姿は、希望そのものに見えた。 あ

      • なにひとつ置いて行かない道をともにあるく【tomomi.】のこと

        いっちゃんはわたしの人生にかろやかに現れた。 (写真はいっちゃんのFBより拝借) いっちゃんと会ったのは、ひでとふたりで開催してるファーストピースサークルという約1年間のプログラムに来てくれたのが最初。いっちゃんの参加の動機は、友人まりりんから聞いてピンと来たから、だった。それもかろやかだ。そしてもっと大切そうに教えてくれたのは、「輪になって人が話すということに絶大な信頼がある」ということだった。それまではかろやかだったけど、その言葉の温度はものすごくアツかった。もっと仲

        • 《わたしとはとんでもなく複雑な存在だ》というシンプルさを大いに生きるひらがなの道

          ひとりひとりが同じ生命で、その現れは全て違う。こんなに神聖で神秘的なことがあるだろうか。この感覚に心が触れたとき、わたしのsence of wonderがバンザイする。 週末にひらいた名古屋での「ひらがなを話す会」で、わたしは圧倒された。輪には「生命力」がうごめいていた。ひとりひとりの存在のあまりの豊かさ、複雑さ、そのうつくしさ。こんな存在が今ここに少なくとも13人もいる。その13人がみんなして自分の内側でささやくたくさんの声に耳を傾けて声を出す姿は、その輪は、圧倒的だった

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          終わりながらはじまっていく

          箕面のファーストピースサークルが終わった。 輪にいた人々は、誰かが寂しい気持ちになるのを見過ごせない人たちだった。誰かが辛い気持ちなら、自分を差し置いてでも何かしたくなる人たちだった。誰かのために自分の平和を後回しにしてしまう人たちだった。 だから私たちにはFirst Peaceの知恵が必要だった。 「何かのため」を思う時私たちは、何かをすること、何か言葉をかけることが大事だと思ってしまいがちだ。目の前に現れる力になれそうな人、困っている人、助けを求める人、サポートを必

          終わりながらはじまっていく

          パパが死んだ日

          親が死んだらどうしよう、と小さい時ずっと思っていた。そのことが現実になったんだなあと、父が亡くなってからずっと思っている。現実味しかない。もう会えないっていうのはそうだったこういうことだった、って毎日味わう。 死んでからの方が、1人の人間に感じられる。生きてる時は圧倒的に「パパ」だった。じゃあそのパパを、大好きだったか?と問うてみると、ぼやんとした世界に入る。大好きだったと思います。だけど好きとか好きじゃないとかよくわからなかった。前川慎一が私のパパであることは当たり前で普

          パパが死んだ日

          素直になると、言葉は歌になる〜ひらがなを話すということ、その③

          なんだか体が重たくて、頭も心も重たい夏のラストスパートでした。皆さん、いかがお過ごしですか。 ひらがなを話す会が週末から名古屋ではじまる。今夜はオンラインの2期目がはじまる。 ひらがなを話すってどういうことでしょう、っていうのをここ最近色々書いてみたんだけど、ちょっと堅苦しかったかしら、重たかったかしら、とも思ってる。シンプルには、すんごく面白くって楽しくて嬉しい会だとわたしは思っているので、そこもう少し茶化さず媚びずに伝えたいな。めっちゃ大切にしながら簡単に表現すると、

          素直になると、言葉は歌になる〜ひらがなを話すということ、その③

          ことばをとおして「つながっている」に触れる、気づく、思い出す〜ひらがなを話すということ、その②

          前回の記事の続き。 わたしたちEarth Partnerの大切な大切なキーワードに「いっしょに」というのがある。いっしょに。みんなで。そこに戻るために、その体験を共有するために、そこから先に進むために、全部の活動をやっています。 「いっしょに」「みんなで」っていうのは、わたしたちはつながっている、というところから全てを始めること。そもそもつながっているということをからだの全部で味わって、それぞれがかえる毎日の中でつながっているの波紋を広げていくこと。それが全部の活動のねが

          ことばをとおして「つながっている」に触れる、気づく、思い出す〜ひらがなを話すということ、その②

          子どもと本当に大切なことについて対話したければ〜ひらがなを話すということ、その①

          わたしたちが内側にあるものを表現するとき、必要なものは? というお題からそれぞれ文章を書いてみようと、大学1年生の女の子との対話の中で決まった。わたしも書く気満々。ちょうど書きたいことがあったのでそのことを書きます。 ============= 社会に出てからのわたしの仕事の半分は、「子どもたちと話すこと」だった。これはわたしにはとてもとても好きなことで、やれることで、やりたいことで、やっていく必要があるなと思ってること。 わたしが子どもたちと対話の様子を話すと、「そ

          子どもと本当に大切なことについて対話したければ〜ひらがなを話すということ、その①

          セレモニーと共に生きる

          Earth Partnerとして初めてのセレモニー、「虹の環のセレモニー」を行いました。 「セレモニーと共に生きる」。これは、「地球といっしょにしごとする」という言葉とともに、Earth Partnerとして大切にしている言葉のひとつ。今回はそれがどういうことなのかに触れることができた、忘れられない時間になりました。 どうしてわたしたちはセレモニーにこだわるんだろう?ワークショップ、リトリートという言葉と、何を区別してるんだろう? その問いには、今回のセレモニーで自然と

          セレモニーと共に生きる

          痛みの下のやわらかさから、希望の矢を放て

          わたしは、わたしの友達たちをとても誇らしく思っている。彼女彼らのことを思うときわたしはいつも、やさしいなあ、がお腹の底から湧き上がってくる。彼らはほんとうにやさしい。わたしが彼らのことをやさしいとおもう時、何を受け取ってそう思ってるんだろう。やさしいは一体なんなんだろう、どこからくるんだろう?と考えてた。すると、共通点が見えてきた。それはちょっと前に書いた、「深いところの担当の人へ」みたいなタイトルの文章の人たちといっしょのところにあった。 彼らがやさしいのは、自分の奥深く

          痛みの下のやわらかさから、希望の矢を放て

          子どもに信用される大人が地球に増えていくといい

          「りなっちは信用できる」 と、初めて会う子どもに言われた。 信用できない大人がいっぱいいるのだ、それは当たり前だ、と別の子どもからも聞いた。子どもたちから最近、「信用」という言葉をよく聞く。 私を信用できると言われたのは嬉しい。だけど同時に、私も大人。信用できないとひくくりにされる「大人」のその1として、あなたたちにそんなことを思わせてごめんなさい、と思う。 子どもに信用されるってどういうことだと思いますか。そもそも子どもたちに「こいつは信用できるな」と信用を寄せてもら

          子どもに信用される大人が地球に増えていくといい

          私は父に栄養を送る

          父が癌だ。 結構前から、「父が癌だ」が続いている。初めて聞いたのは、師ウィンドイーグルが住むニューメキシコに1ヶ月滞在してストーンウィールを作り、帰ってきた日のことだった。2019年、9月のこと。癌があったりなかったりしながら、もう2年くらいになるんだな。 「父が癌です」とは、なんというパワーワードだろう。漂う悲壮感、ただ事じゃない感じ、触れにくい感じ。 父が癌です、イエス。そして、私の父は、癌と言う名前ではない。私の父は、前川慎一です。 父は、妹の結婚式の前に癌が発

          私は父に栄養を送る

          深めの層担当の表現者の人へ。「それは、あなたの仕事じゃない」

          「それはあなたの仕事じゃない。」 「それはあなたの担当領域じゃない。」 「いいからあなたの仕事をしましょうよ。」 そういうことを口にする機会が多かったので、これはちゃんと文章にして、何回も読んでもらおうと思って書きます。 ===================== 表現する人たちにはその人たちのレイヤーがある。深くても浅くてもいいんだけど、浅いところの仕事を担当する人たちはあんまり色々気にならないらしく、深いところの仕事を担当する人は色々気になるらしい。担当レイヤーが深

          深めの層担当の表現者の人へ。「それは、あなたの仕事じゃない」

          人と人との間でできた傷は、人と人との間で癒される

          人に言われた一言が、胸の真ん中に刺さり続けてた。1年前のもの、2年前のもの、3年前のもの。長い間刺しすぎて、錆びてる釘みたい。私はその錆びた釘を抜きたい抜きたいと思って、同時に、抜き方がわからなかった。抜くってことは、確かめるってこと。「こう聞いたのですが、これは、本当ですか?」そう聞いて、もし、「はい、本当です」と答えが返ってきたら、立ち直れないんじゃないかと思って、刺したまま痛い痛いと言っていた。 それを引っこ抜いた。もっともっと血が出てくるのかと思ったら、血が出ないど

          人と人との間でできた傷は、人と人との間で癒される

          人が自然のいちとして産み出すピッタリは、鍵と鍵穴のよう

          ひでから教えてもらった私の口癖に、「ピッタリ」がある。 セレモニーをひらいたら、口癖どおりに何もかもがピッタリだった。そのことを書くんだけど、みんなのことじゃなくて、わたしのことを書く。 川の流れる音が風の音みたいに聞こえてくる、木々に囲まれた広場。そこに私たちと大地が共に過ごす場所としてのウィールを作って、真ん中に焚き火。焚き火を囲んで7人で、朝も夜も昼も、ひたすら自分の物語を語った。 物語を語る人々の声に、自然はとても丁寧に、瞬時に、応答してくれる。 何もかもがず

          人が自然のいちとして産み出すピッタリは、鍵と鍵穴のよう