見出し画像

憂鬱なピアニスト

飛行機の移動中ではほとんど寝ている。だけどどうしても寝られない日もあってそんな日は機内の音楽に耳を傾ける。
今月は「SEKAI NO OWARI」特集。
「世界の終わり」

すごいネガティブなバンド名。
私の印象としてはファンタジーのような独特の雰囲気をまとったバンド。
ボーカルの深瀬さんの声が良いのと歌が上手。
その世界観に浸りながら時折りパーソナリティのおしゃべりもなんとなく聞いている。

「このバンドは同じ所に一緒に住んで音楽活動をしているんです。しかしバンド名が世界の終わりだなんてなんとも不思議なバンドです」

へー、同じところに住んでるなんて珍しい。バンド名、誰がつけたんだろうか。
そういえばピアノの人本書いてたな。ちょっと読んでみるかな。


セカオワのピアニスト 藤崎彩織さん

フィクションであるはずなのにどうしても実物像とだぶらせてしまうほど体験談っぽい。
いや絶対体験談だろ。
とにかくピアニスト夏子の心の痛み、嫉妬、焦燥が手に取るように伝わってくる。
私も少し音楽をやっているので特に焦燥感がリアルに感じられて胸が詰まりそうになった。
上に行かなきゃならない。とか
リズム違う。とか楽譜書いて。とか。
頑張ってるのに中々認めてもらえないしできないし。挙げ句のはてには自分はダメ人間だと思ってしまうその流れ。
これ、私のことではないですかと思ってしまう。

あと、やはりボーカルの月島がいい。破天荒で精神的にやばくて面倒くさいやつだけど「お前の居場所は俺が作る」とか「1人で成功したって面白くないよ、同じ景色を一緒に見たいんだよ」
言われて見たいわーと思わずにいられない素敵な言葉をくれるひと。

ミュージシャンの1人が書いた小説なのでそんなに期待してなかったけど非常に真っ直ぐで言葉を上手に使って丁寧に書いてるなと思った。

音楽やってる人はぜひ読んでほしいし音楽やってない人も1人の女の子の話がとてつもなく面白いので読んでほしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?