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森逸崎さん家。

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7人兄弟(女女女男女女女)や家族の日常と人間模様に関してのエッセイ。一番上は40歳、一番下は26歳、私は6番目
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#コラム

人見るもよし 人見ざるもよし 我は咲くなり

どんなに辛いことがあったとしても、祖母の前では決して、それを見せてはいけないと思っていた。 #我慢に代わる私の選択肢 意識された日常 誰に言われた訳でもないのに、祖母がいる食事の席で私は、いかに毎日楽しくて充実しているのかという話を聞かせることに徹していた。 それは嘘を吐くとか話を盛るとかそういうことではなく、例えば小学生のころ、友達とどんぐりでやじろべえ作っただとか、家庭科で作った炊き込みご飯が美味しかっただとか、そういう「私の世界の日常」を語るのだった。 今思え

背負うだけで、強くなれる気がした

同じ番号を継いだとき、少し誇らしくて嬉しくて、背中から目一杯、その力に肖った。 #背番号のストーリー 自由に遊べる姉 私の二つ年上の姉、つまり「7人兄弟の5番目の子」は中学時代、バスケ部の副キャプテンだった。 そして私が記憶している中で、彼女のドリブルは贔屓目抜きで心地が良かった。もちろんそのスピードも、多彩さも。 床との距離5cmも行かない低さで彼女がボールを弾ませていたかと思えば、あっという間に相手の身長よりも高くボールを上げ、その目線を盗んだ刹那、相手の股の下

ハイブランドを使い倒す女

本当に当たり前すぎて忘れてしまうのだけど、「モノ」に対する価値観も「大事」の定義も人それぞれだということを、母を見ているとすごく感じる時がある。  ◆◇◆ ケチャップにお茶、味噌汁に入っていた大根、そしてなぜか1m以上先のご飯つぶ。 2歳の甥っ子との食事(ならびに戦闘)は大体こんなもので、その日も「たくさん食べたね」と母は嬉しそうにテーブルを拭いていた。 だけどそのとき、私は目撃してしまったのだ。 見覚えのあるアルファベットの「H」を。 そしてそのまま、決して大げさで

番外編_ 父の昔話 「おもらしと検便」

. "あーちゃんとかんちゃんのおじいちゃん、つまりトトが、子どもだったころの話をしよっか。 トトの名前は知ってるかな? そう、マコト。 マコトには1つ違いの弟のヒトシってのがいる。 これは小学生だった2人の、ちょっとした「しかえし」のお話。" ゴロ、ゴロ、ゴロ ある日、次男のヒトシは、夜中にハッと目が覚めました。 お尻には、じーんわりと暖かくて、懐かしい感触。 そうなんです、ヒトシは小学5年生にもなって、おもらしをしてしまったのです。 あーやっちまった。 兄弟にバレ

【自己紹介】 森逸崎 海のこと。

noteを始めて3週間ほど経ちます。 今さらながら自己紹介記載していこうと思います。よろしくお願いします。 経歴 高校卒業  →  飲食店ホール社員2年  →  大学進学&中退  →  フリーター1年  →  都内ベンチャー企業勤務(リテール営業/法人営業/営業企画/人事教育)6年弱   ・ドキュメント作成(各種記事 、Googleスライド/スプレッドシート/PowerPoint etc.)とそれに付随する運用設計、推進は得意な方 ・好きなことは色んな人の考え方に触れる

用件人間マサコとオレオレ詐欺

祖母との電話は、いつだって一往復しかさせてもらえない。 93歳  団地暮らし 彼女は都内で一人暮らしをしていて、未だに家事も全て自分でこなす快活なばあさんだ。たまにヘルパーさんも来てくれているようだけど、週3回の透析を受けながらも、料理や編み物、ご近所付き合いと、忙しそうな毎日を送っている。 ちなみに「おばあちゃんね、もう先が長くないのよ」と弱気発言をしてからかれこれ20年は経過していて、その記録はまだこの先も更新されそうである。 とはいえ年齢が年齢だけに、「趣味 入