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森逸崎さん家。

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7人兄弟(女女女男女女女)や家族の日常と人間模様に関してのエッセイ。一番上は40歳、一番下は26歳、私は6番目
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2022年2月の記事一覧

森逸崎家、地獄のサバイバル事件

「家財一切流されて何もなくなっても、米と味噌さえあれば生きられる。お金を稼ぐ力も必要かもしれないけど、もっと大事なのはどんな状況になっても生き抜く力なんだよ。」 母は昔から、こういうことを子供達によく言って聞かせる人だった。 思い付いたかのように 今から20年以上前、私の小学校2年生の夏休み。 いきなり兄弟たちを庭に集めて母は言い放った。 「今日からみんなでサバイバルをしよう。この2日間は庭で生活。家の中には絶対に入っちゃだめ。」 事前に何も聞かされていないし、何も

背負うだけで、強くなれる気がした

同じ番号を継いだとき、少し誇らしくて嬉しくて、背中から目一杯、その力に肖った。 #背番号のストーリー 自由に遊べる姉 私の二つ年上の姉、つまり「7人兄弟の5番目の子」は中学時代、バスケ部の副キャプテンだった。 そして私が記憶している中で、彼女のドリブルは贔屓目抜きで心地が良かった。もちろんそのスピードも、多彩さも。 床との距離5cmも行かない低さで彼女がボールを弾ませていたかと思えば、あっという間に相手の身長よりも高くボールを上げ、その目線を盗んだ刹那、相手の股の下

ホイクソの長女

「ネーミングセンス」なるものが一体どこから生まれてくるのかは知らないけど、我が兄弟の長女にはなるほど、つい真似したくなる言葉選びの良さがある。 皮肉100% 困った。 そのとき確かに、私は姉の話に置いてけぼりをくらっていた。 「今日ホイクソがさ、危ないからって理由で工作のハサミを完全許可制にしちゃって、」 「誰なの『ホイクソ』って。」 「ホイクソはホイクソだよ。でさ、普通に考えて利用頻度高いのに毎回毎回許可取りに行くの面倒臭いじゃん。使う子もだんだん減ってくるわけじゃん