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ツレは27歳年上で。

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歳の差パートナーの日常と思想を綴ったエッセイ。part1に概要記載しております。お好きな記事からお好きなようにぜひ。
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#年の差

【part1】 どうも。27年遅く生まれた女です。

生意気にも「彼氏いるの?」と聞かれたその回答は「YES」なのだけど、「彼氏」と形容するにはちょっとくすぐったい。 だからしっくりくるという理由だけで私は、細川貂々さんのエッセイ「ツレがうつになりまして」から拝借して、彼を人に紹介するときは専ら「ツレ」という表現を使っている。 LGBTQ「G」? タイトルの通りツレは私よりも27歳年上な訳だが、世の中にある他のパートナーと何か違う部分があるかでいくと、そんなことは全くない。普通に食事や趣味を共に楽しみ、普通に行きたいところ

【part2】 あなた、根が主婦なのよ。

働き方もお金の管理も、ツレを見ていると悔しいかな「私もしっかりせねば」と思うことが多くある。 空飛ぶゲームボーイ 母の話だ。 私の兄が小学5年生のとき、宿題そっちのけでゲームボーイをやっていたのが母にバレたことがあった。 それから兄と母で何か口論をしていた気がするけど、最終的に母が、こともあろうか2階の窓から兄のゲームボーイを投げ捨てたのだった。高嶋ちさ子もびっくりの所業である。 その「ゲームボーイが空中を舞う」という今だったら大炎上しかねない光景は、なぜかスローモーシ

【part3】この先何が起こったって、米と味噌さえあれば生きられる。

大事な人と、互いに大事にしているものが同じだったとき、そこには少しだけ、何ともいえない嬉しさと安心感があると思う。 相手に求める条件  「思うんだけどさ、『結婚相手に求める条件』って大人になればなるほど多くなってるはずのに、皆それを隠すよね。条件が増えすぎると『理想が高すぎる』だ『がめつい』だ言われるから、どんどん『これだけは嫌、これだけは譲れないポイント』だけを挙げるよね。ずるいよね。」 と言っていたのは私の数少ない友人の一人だ。 私とツレがまだ付き合う前の話である。

【part5】 ハロー、ミスターグリーンフィンガー。

ツレの植物に対しての接し方から、メンバーマネジメントについて考えた話。 ナスとオクラと私 一昨年の5月のこと。ツレが野菜の種を買ってきた。 ツレのワンルームには、半畳くらいのベランダがある。南向きで日当たりもまあまあ良い。もともとそのベランダには観葉植物やら花やら植えていたけれど、とうとうツレは家庭菜園に手を出した。 私は実家でよく夏野菜を育てていたから(part3参照)、家庭菜園程度であれば一般的な知識はある。ただ、そのときは専ら苗木を購入していたので、いきなり「種

【part6】セックスって何歳までできるんだろうね。

ひょんなことから、そのものの意味と限界値が気になったという話。 困ったときは先生頼み 「なあ、森逸崎の彼氏って精力剤飲んでるの?」 一年以上前のことである。会社の先輩から、唐突にこんな相談を受けた。 朝8時だぞ。何を言ってんだこの男。 「朝ごはん何食べた?」くらいのテンションでそう聞いてきたこの先輩は、聞くところによると奥様との間にその手の悩みがあるらしかった。 だから少しでも参考になる情報を収集している、と言っていた。 だとしたら収集相手間違っているけどな、既に

【part9】今時小学生でももう少しマシな言い訳考えるけどね。

歩くことに関しての目的は人それぞれで良いんだけど、やっぱりツレはそこんところしっかりしてた。 そう思えばそれが一番の健康法 「おー。今日は12,000歩。」 スマホの歩数カウントアプリを見て、ツレは嬉しそうに報告する。その日どのくらい歩いたのか、毎日確認しているらしい。 「へーすごい。割と歩いてるもんだね。」 「そうだねえ。今日は特に一駅分歩いたからな。一日8,000歩が目標なんだよ。今のところほぼ毎日達成してる。」 なんだか嬉しそうだ。私は思わず感心してしまった。

【part10】ツレに対してついた「世界一どうでもいい大嘘」の話。

付き合いたてのころってどうも不要な気遣いばかりをしてしまう。2年以上前、私はツレに自分が行きたい場所もろくに提案できなかった。 誘い方が分からない 当時私はツレと付き合う前、「彼氏ができたら行きたいところ」とかそういう妄想も人並みにしていて、その中のひとつになぜかディズニーシーがあった。 正直アトラクションに関しては富士急ハイランドにあるものみたいなスリル満点のジェットコースターが好きだから、ディズニーシーだと少し物足りない。好きなキャラクターとかも居ないし興味ない。

【part11】朝10分間のドライブデート

ワーゲンバスを運転したい。 60年代洋ロックをカセットで聴きながら、ガタガタする田舎道を思いっきり走りたい。 そんな夢を見て18のときマニュアルの免許を取得したけど、私はそれを失効させた。引っ越しをして住所変更届けを出さないまま、さらにそのタイミンングで免許証の入った財布をスラれ、免許更新のことなど忘れて過ごしていたら、このザマだ。 色々言い訳はあるけれど、簡単に言うとただの更新忘れである。 勿体無いことこの上ない。 そんな私の怠慢話はさておき。 ツレはよく、自分の家

【part12】乳首つねってごめんなさい。

フェチは宗教用語で「呪物崇拝」のことを指すらしく、古来より「それをもっていると災厄が近づかず、幸運がもたらされる」とされてきた。 であるならば、大義名分は十分だ。 二の腕 私はツレの体のパーツの中で、二の腕がダントツで好きだ。 特に夏の半袖の時期。クーラーでいい感じに冷えた二の腕が最高である。運転中、ハンドルを握ったまま無防備に放り出されたそれは、もはや尊い。 ちなみに最初、ツレの二の腕を揉む度に私は「これこれ」と小さい声で言っていたらしい。ほぼ無意識。はたから見たら気

【part13】ありがとう。頑張る理由をあなたに置くのは、やめにする。

「信念」と言えば聞こえはいいけど、自分の首を絞めているそれを外すのに、私は随分時間を要してしまった。 信念とhave to 2ヶ月前に書いたnoteを見返して、私はちょっと、自分の必死さに笑ってしまった。 この時の私はずっと焦っていたのだ。ツレとの関係性において、誰からも認められる組み合わせで居られるように。 今思うと恥ずかしいのだけど、こう考えていた理由はおそらく2つある。 一つ目は、ツレをモチベーションにしないと、仕事に身が入らない状態にあったから。 二つ目はシン

【part14】けんほろ予防新聞、ツレに刺さる。

相手が自分を選んだ理由なんてものは、結局大して重要じゃなかったりもする。 私と付き合うメリット一年以上前、当時私が勤めていた会社の上司が発起人となり、私の上司二人とツレとの四人で飲みに行ったことがあった。 もちろん私の会社の関係者とツレは「はじめまして」な場だったのだけど、だんだん酔いも回ってきて、私と上司たちはいつものように下ネタもちょくちょく挟む会話になっていた。 その流れでいきなり上司の一人が私に対して、 「おい森逸崎、お前と付き合うメリットって何なんだよ。三つ

【part15】ドワーフってそれ、悪口だよね。

自慢じゃないけど、私は短足寸胴だ。 私の母も父も、そのまた母も父も、代々短足寸胴だ。 そんな私を見てツレが森逸崎家に付けたあだ名が「ドワーフ族」。 うるせえ黙れこの野郎、と思いながら事実何の反論もできないほど、私の家族はみんな短足寸胴だ。 先日は先日で、「似てる」というメッセージとともにこの画像がLINEで送られてきた。 ツレは最近ドラクエウォークにハマっていて、そこに出てくるキャラらしい。まあ短足寸胴ばっかりはどうしようもないし、受け入れてもらうしかないんだけど。 で

【part18】待ち続けるということ

「私の過去の態度」を引き合いに出された時、思っている以上に、当時の私がツレに与えた傷が大きかったことを知る。 ◇ ツレと喧嘩じみたことをしてしまった。 「放っておいてくれ」というツレに対して私が踏み込んだら、 「自分は放っておいてくれと言って勝手に出ていくくせに、俺にはそうさせてくれないのか」とツレが言った。 私は何も言えなくなってしまった。 以前も書いたように、ツレと出会ったばかりの頃、私はだいぶ我儘で自分勝手だった。 他人に踏み入れられたくないからすぐシャットダウン