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簡単におしゃれなイベント紹介ページを作れる「Luma」の事業と歴史

East Venturesの佐藤です。

今回の記事は、簡単におしゃれなデザインのイベント作成フォームが作成できる「Lumaを紹介します。

Lumaは参加者側が参加登録しやすいしやすいだけでなく、簡単にイベントページが作れたり、参加者の管理がしやすいなど、イベントホスト側にも大変便利なツールとなっていました。

実は私もスタートアップBBQのサイドイベントのホストをする際に、Luma
を使ってイベントページを作成しました。

今回の記事ではLumaのサービスや歴史、創業者、顧客獲得戦略などについて深ぼっていきます。


Lumaとは

Lumaとは、簡単にデザインの良いイベント紹介ページを作ることができるサービスです。

イベントを盛り上げるために、Lumaには以下のような機能があります。

・美しいイベントページが簡単に作成可能
・イベントの参加者のキャパを簡単に決められる
・フォローアップメールも自動送信可能
・イベントの有料チケットの販売可能
・友達とイベントカレンダーを共有可能

とにかくデザインがおしゃれでイベント紹介ページが作りやすく、これはイベントをする上で使わないてはないと思えるようなツールです。

コロナウイルスで生じた課題を解決

コロナ禍だった2020年3月、Luma共同創業者のVictor PontisDan Liuが当初はイベント作成ツールを作るという目的ではなく、新型コロナウイルスにより生じてしまった問題を解決するために何かしようと思ったところから始まりました。

このツイートに対してDanがVictorに何か手伝いたいとTwitterでDMを送り、4日後に二人で各国の毎日の症例数や増加率がわかる新型コロナウイルスの追跡ツールCream.ioを立ち上げました。(Producthunt)

Lumaの共同創業者の2人はこちらになります。Victorは自転車とスクーターのレンタル事業を行うScooterとScooter mapを創業していた連続起業家です。Danは北京出身でGoogleとUber、PlanGridで5年間勤務した後、機械学習ツールTinyMindを売却したExit経験のある起業家です。

左:Dan Liu、右:Victor Pontis(Techcrunchより)

ZmURLの誕生

コロナ禍で、Danが多くのZoomイベントに欠席してしまったこと。Pontisの友人がヨガインストラクターを解雇され、同僚と一緒にZoomでヨガ教室を運営する中で参加者の招待や集金などに課題を感じていました。

この記事を読んでいる読者さんの中にも、ZoomのURLの共有や参加者の確認などの面倒くさを感じたことがある方もいらっしゃるかもしれません。そこで彼らは友人から連絡が来てからすぐにZmURL.comという、招待リンクをタイトルや画像、説明文章でカスタマイズできる無料ツールを開発しました。

2人は投資家から資金調達を受けずにベータ版をリリースし、友人のヨガのインストラクターなどにテストしてもらいました。

当時ZmURLは完全無料で提供しており、マネタイズはイベントホストが有料イベントを開催する際に収益の5%をいただくというプランを考えていました。

ZmURL.comのサービス画面(Techcrunchより)

Y Combinatorへの応募と辞退

VictorはLumaを創業するずっと前から、Y Combinatorに採択することに強い憧れを持っていました。Y Combinatorを知ったのは2012年で友人が採択されるために大学を中退していたことから、彼もインターンを退職しヘルスケアスタートアップPicnicHealth(YC S14)に入社しました。その後大学を卒業するために退社しましたが、友人がYCに採択するのに嫉妬しながら、 バイオスタートアップBenchling(YC S12)に入社しました。

電動スクーターに関するサイトScootermapなどを開発して、YCに3度応募しましたが3回とも不採択になりました。

ScootermapでYCで面接が会った時(彼のブログ)

その後Zoom URLの作成ツールZmURLでYCに応募し、、今回はなんと「合格」しました!!しかし彼は悩んだ結果、YCを辞退することになりました。

辞退した理由として、YCは近年オープンソースでStartup SchoolやStartup Classを提供しており、進捗も友人やTwitterに共有することでできたり、ネットワーキングも自ら参加すれば良いなど、彼なりの理由がいくつかあったそうです。

細かい背景や辞退した理由はこちらで語られてます。

サービスの仮説検証方法

ZmURLやLumaをリリースした際、彼らの友人がウェイティングリストに登録した人の数を見たり、たくさんのMVPをリリースしてアイディアを検証したのを横目に見るるコアとなる製品の開発に注力しました。

最初のバージョンにはログインシステムさえなかったので、アカウントを作成せずとも何度も使える仕様となっていました。

ユーザーが何度も繰り返し使うのを見て、真のニーズを把握し製品のブラッシュアップを行なっていく。創業者がエンジニアだからこそのやり方かもしれません。

ZmURLからLumaへの移行

いくつかの段階を経てZmURLからLumaへの移行をしました。

最初の段階では、Luma上のイベントページを洗練されたものにするところから始めました。前回のイベントの参加者を今回のイベントに招待できる機能やイベントページへの訪問者のアクセス解析などの機能を追加しました。

また主催者のためのツールの作成にも注力し、プロフィール作成機能やニュースレター配信機能、リマーケティングの仕組みをLumaに導入しました。

しかし、彼らが追加した機能には実際は使われない機能が多くありました。そこで彼らは新しく「コミュニティー」のアィデアを思いつき、イベントツールとコミュニティを結びつけることに取り組みます。

具体的には参加者同士誰が参加するか分かるような仕様にしたり、イベントのカレンダーやチャット機能などを追加しました。

シードラウンドで$3Mの資金調達

2020年12月、Zoom初期投資家のMaven Venturesやシリコンバレーの名門VCであるVenrock、Progression Fundからシードラウンドで300万ドルの資金調達を実施しました。

2020年の調達時点では50万人を超える人がLumaを通してイベントに参加し、2万イベント超のイベントが開催されました。

Luma上のホストの多くはオンラインでイベントを開催し、イベント運営を通してつき12,000ドル以上を稼いだ人も出てきているそうです。

またシードラウンドに参加したMaven VenturesはZoomやAngelList、cruiseなどIT領域を中心に、ソフトウェア関連のスタートアップに1社あたり75万ドルから100万ドル規模の投資を行なっています。Zoomのサービス名もMaven VenturesのパートナーのJimがつけたと言う逸話もあり、マーケティング戦略やPR 戦略も一緒に考えるなど、支援先に徹底した伴走を行うベンチャーキャピタルです。

こちらにLumaの投資に際してMaven VenturesのJimが書いたブログを貼っておきますので、ご興味のある方はぜひ読んでみてください。

Lumaの顧客獲得戦略

Lumaは小規模のチームで運営しているため、完全にオーガニックの紹介ベースで顧客獲得をしています。

イベントはソーシャルなものであるため、Luma上のイベントホストがLumaと参加者を結びつける役割を担っています。

このことをシードラウンドで投資したMaven VenturesのJimも話しています。(Mediumより引用)

私たちがLumaチームに会ったとき、彼らはすでに何年もかけてタイムリーで革新的なプロジェクトを立ち上げていました。オーガニック・マーケティングやバイラル・マーケティングを駆使してビジネスを拡大してきた彼らの手腕には、感心させられるが、驚くにはあたりません。これは、ダンとビクターの高速製品開発、迅速な開発サイクル、そして顧客の喜びにこだわる文化的なこだわりの証でもあります。

Maven VenturesのMedium

Solana対応ウォレット「glow」も開発

彼らはSolana対応のウォレット「glow」の開発と運営もLumaと同時に行なっています。ChromeやAndroid、iOSに対応しており、手数料ゼロで別の暗号通貨と交換したり、NFTをアプリ内で簡単に検索できたり、スパムトークンをburnさせてSOLに交換するなどの機能がついています。

アプリはこちらからダウンロードできます↓
https://apps.apple.com/jp/app/glow-solana-wallet/id1599584512

まとめ

今回実際に自身も使ったことがあるLumaの歴史などを調べて、このサービスがより好きになりました。

特にコロナ禍で作ったコロナウイルスを追跡するプロジェクトからLumaの開発に至ったというエピソードは大変臨場感がありました。

今後私もイベントを企画する際は、積極的にLumaを使って運営していきたいと思います!

参考文献

Luma and Victor Pontis

ZmURL customizes Zoom link previews with images & event sites

Crunchbase(Luma)

Victor Pontis Home Page

Announcing our Investment in Luma to Enable Creators


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