らしくじらの活動の振り返り

大学1~3年次まで、いろんなサークルや団体に所属し、チームのあり方や、マネジメントの方法に触れた。そして、大学3年の9月に自分が代表になった団体を立ち上げた。今月大学を卒業し、団体も卒業。1年と少しの軌跡を残しておこうと思う。
「らしくじら」という団体についてと、始めたきっかけと振り返り。


きっかけ
コロナ禍に大学に入学し、一人暮らしが始まった。大学の講義は全てオンライン。朝起きて、一人で朝食を済ませ、パソコンと向き合う。一方的に話を聞き、次第に学ぶ意欲も感じなくなった。何人か新しく友達が出来たが、出会ったばかりの友達に中々弱音を吐くこともできず。
「寂しさ」「孤独感」「虚無感」
毎日何のために生きてるんだろう。

そんな感情にのまれていった。
「社会的孤独」がこんなにも生きていく希望を奪っていくのかと実感した。そして同時に、社会的交流が比較的多い大学生で、こんな状況なら、核家族世帯や、社会人、高齢者の人、もっと孤独な人がいるのではないか?
孤独が健康にとって有害なのではないか?
そんな問いが湧いていった。

専攻が看護だったので、健康についてのWHOの定義を学んだ時に、それが確信に変わった。WHO(世界保健機関)の憲章前文には「健康とは肉体的にも精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態にあること」と書かれている。社会的健康にまさに孤独が含まれる。

だが実際、「孤独」に医療従事者がどれほどアプローチしているだろうか?
「一人で寂しい」その思いをどこに、だれに吐き出せばいいのだろうか?
受け止めてくれる場所が、人が、その時に私には見つけられなかった。

孤独で眠れなくなって、動けなくなって、学校に行くことや仕事に行くことが出来なくなって初めて「精神科」や「行政機関」に行く人が多いのではないか。それでは遅い。今私が感じているような孤独感の時点で介入していかないといけない。そう思った。

「人と人とをつなぐ必要性」
加えて、単につながるだけでなく、
「その人がその人のままで受け入れられる関係性」

そして、現在の社会は人とのつながりが少なくなり、中々弱音を言えなかったり、誰に頼っていいのかわからず、孤独を感じやすくなっているという体験から作ったのが「らしくじら」という団体。

コンセプトは
「わたしらしく あなたらしく らしさが輝くつながりづくり」
大学生が地域であたたかい「人と人とのつながり」をつくることで、誰一人取りこぼさず、その人がその人らしく輝いて生きていく、そんな社会を作りたいと活動している。

詳しくは下記のサイト参照。

らしくじらのHP

https://rashikujira.wixsite.com/home/%E7%A7%81%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

長崎大学の広報の方が取材してくれたサイトがわかりやすいので載せておく。

そして今月大学を卒業し、活動拠点であった長崎を離れるに伴いらしくじらの活動も次の世代に引き継ぎ、卒業した。団体での活動を通して学んだことを記す。
らしくじらは、活動の1つとして、教会の方と協働でくじら食堂という子ども食堂(地域食堂を目指しつつ)を月一回していた。

①「継続することで地域の居場所になる」
誰かの居場所になる、弱音を吐く関係性、その弱音を拾って助け合っていく関係性は単発のイベントでは生まれにくい。地域の人に受け入れられるためには持続性が必要であること。そして、基盤が安定している場所じゃないと、社会的に立場が弱いといわれている人たちにつながらない。最初からそこにアプローチするのではなく、基盤が出来て、やっと少しずつつながることが出来るんだと実際にやってみて経験として見えた。

②「自分がやりすぎないこと」
チームの役割においても、空間づくりにおいても、どこが抜けている、どこに人手が必要だとわかると、つい自分が手を出してしまっていた。確かに完成度(なにを完璧というかは人それぞれであるが)は高くなるが、持続性がない。1人がいないと回らないなら、それはチームとして機能していない。
「ここ、こうした方がいいな」と気づいていても、あえてそれを言わないこと。やりすぎないこと。
一人一人の気づきや個性をもっと信じることを意識すること。

③「居場所づくりはもっと経験してから、また」
くじら食堂をして思ったのは、自分は居場所づくりや目の前の人の役に立つことが好きだということ。将来、こんな風に地域の居場所になるような空間をつくりたいと思った。それと同時に、「今」はまだ自分の中で期が熟していないとも感じた。
人の挑戦を応援する前に、自分の挑戦が満たされていない。
いろんな場所に行って、興味に従い挑戦をして、人に出会って、経験をして、引き出しを増やしたい。人間力ももっと厚みのある人になりたい。それから居場所づくりをしたい。
1つの場所に地に足をつけて活動するのはしばらく先になりそうだ、そう感じている。

0から1をつくる経験が初めてで、試行錯誤だったが、総じて楽しかった。
人間関係に悩んだり、難しい時期もあったけど、友人にアドバイスをもらったり、コンセプトを決めていたおかげで悩んだときはその軸に沿っているか立ち返ることが出来た。

社会的孤独に関しては、社会問題である。長崎での活動は一旦卒業するが、「目の前の人へのあいさつ」「ありがとうという言葉」わたしの行動や言葉、雰囲気など出来ることをこれからも続けていきたい。


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