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諏訪大社の謎

諏訪大社にいった第一印象


全国25,000か所もある諏訪神社の総本社、諏訪大社。
長野はその諏訪大社がある。
2024年 5月22日、はじめて諏訪大社の下社(しもしゃ)秋宮に行った。
その異質さに「なんだここは」と思った。

まず、今まで見てきた神社よりも社殿の色味が深く、黒がかっていた。その分、金の装飾が映え、独特の雰囲気があった。社殿の掘りが細部まで丁寧に掘られていて、凝っている。
また、本殿がなく、拝殿のみがあること、全部で4社からなること、出雲大社に類似したしめ縄があること。
出雲大社系列なのか?
なぜ本殿がないのか?
なぜ4社もあるのか?
様々な疑問が浮かび、考察したので、まとめる。


諏訪大社の始まり

まず、古事記の話から。
大国主命が治める出雲大国に対して、天照大神(現在の天皇家の祖先)が国譲りを迫った。天照大神は力自慢のタケミカヅチと足の速いアメノトリフネの2神を差し向け、武力で解決しようとした。大国主の次男であるタケミナカタが国譲りに反対し、大きな岩を抱えて戻ってきた。「この国が欲しいなら力比べだ」と言って勝負を挑むが、タケミカヅチは投げ飛ばし、タケミナカタは逃げ出した。タケミカヅチは追いかけ、信濃の国(長野県)の諏訪湖まで追い詰めた。タケミナカタは「諏訪の地から外にはでません。出雲大国は譲るので助けてください」と命乞いをした。そのため出雲に神在月に集まることが出来ない神と言われる。
※前宮の神社の方に話を聞いた際に、タケミナカタが竜に変身し出雲まで行っており、その尾が気に引っかかって、祀られているとの話があった。
本当に集まることが出来なのか諸説ありそう。

つまり、古事記からタケミナカタは大国主命の息子であり、出雲系列。強靭であったが、天照大神の刺客により諏訪に追いやられた。しめ縄が出雲大社と似ていたことが腑に落ちた。


本宮

諏訪大社の概要
御祭神
上社は建御名方神(タケミナカタ)
下社はその妻(やさかとめのかみ)
下社では兄神である八重事代主(やえことしろぬし)もお祀りしている。


ご利益
古くは雨や風、水の守り神として、縄文時代からある龍神信仰としても広く崇敬され、中世には劣勢の状況でも容易は屈しない、強い武威を示す神として、敗北を喫した神でありながら日本三軍神に入り、武勇の神、軍神として坂上田村麻呂源頼朝武田信玄徳川家康などの武将から崇拝されてきた。その御神徳には限りがないといわれる。

本殿がないのはなぜか?縄文時代との繋がり
古くに創建された神社の多くがそうであるように、諏訪大社には前宮にのみ本殿があり、他の3社にはない。代わりに春宮ではスギの古木を、秋宮はイチイの古木をご神木とし、お山を御神体として崇める。自然物・自然現象を敬い神格化する古代の信仰「自然崇拝」の形をとどめている。

御柱(木)が祀られる


それは縄文文化のなごりが色濃くのこっているからである。諏訪湖周辺には縄文遺跡がとても多く、縄文文化が最後まで生き残った地である。奇祭である「御柱祭」も縄文の名残。縄文時代には柱を神聖なものと感じており、石川や富山の遺跡からは環状木柱列という遺構がみつかっている。
このことからも日本最古の神社の1つされているのだ。
また、神社に龍があり、龍神信仰もおもわせた。

諏訪大社にはいくつもの珍しい儀式があり、その起源や理由は宮司さんでも未知のものがあるらしい。だからこそ魅力が増すのだろう。


4社ある謎


諏訪湖周辺に上社と下社があり、上社が本宮・前宮、下社が秋宮・春宮に分かれる二社四宮で鎮座している珍しい神社。本宮・前宮にはタケミナカタが祭られ、秋宮・春宮には妻が祭られている。地元の人の話によると秋の時期には秋宮へ、春の時期は春宮へ妻は移動し、その儀式も行われているそうだ。
自然現象と神話がおりなす「御神渡り」という特殊神事がある。諏訪湖が全面結氷すると南の岸から北の岸へかけて氷が裂け、小さな氷の山脈ができる。これは諏訪神社上社の建御名方命(男神)が下社の八坂刀売命(女神)のもとへ通った道筋といわれるのだ。とてもロマンティック。


ロマンチックな御神渡(諏訪湖)


諏訪湖に御渡りができると宮司と氏子総代、古役、小和田各区長等約60名が、諏訪明神の通った道とされる氷の亀裂を拝観し、その年の農作物、社会情勢の吉凶、気候雨量等を占い、結果を公表する。近年は地球温暖化などの影響で見られていない。

感じたこと
独特な雰囲気を持っていた諏訪大社。出雲大国とのつながりや、武将との関係、七夕のようなロマンチックな話が知っていってすごく面白かった。
地元の人に親しまれている神社なんだと感じた。
神社に行って感じる「直感」と歴史などから読み解ける「知識」両方の大切さを感じた。どちらともあることで深まっていく。
先月行った霧島神宮ともつながるが、さかのぼると竜神信仰、自然崇拝に繋がっていた。総本山など由緒ある神社は奥が深く、神道のみにとどまらず、いくつもの信仰が混沌としている。その共通点に確信を得た。
神社に行くときに、「ここはどの神が祭ってあるのか」と知るだけでなく、自然崇拝など、天皇家が始まる以前の信仰にも思いを馳せることが出来るようになり、面白い。


最も重要といわれる本宮の第一御柱

疑問メモ(宮司さんに聞きたい)
なぜ秋、春にうつるのか?
前、本宮があるのはなぜか?
7年に一度、御柱を変えるのは本当か?

やりたいこと
まず4社めぐり。
御柱祭いきたい。(6年に一度の大祭。次回は2028。おぼえとって~わたし)

続編(4社巡ってみた)

本宮に行った際に、拝殿に参拝したが、特になにも感じなかった。対して、山の方に近づくと、頭がぐーと絞められるような感覚がし、本当に山にいらっしゃるんだ、と思った。

神社の方に話を聞くと、御柱祭のときの諏訪の人の盛り上がりは半端ないらしい。その年は結婚なは極力せず、祭りに集中するとのこと。
それほどまでに諏訪の人にとって言葉に表せない何かがあるのだろう。

うん。2028年の御柱祭、見に行きたい。

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