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【読書ログ】『自転しながら公転する』 山本 文緒

こんにちは。
最近出現頻度高めの、凛です。
というのも・・・またむくむくと読書欲が高まっているんです!

じつは、以下で紹介した「1万円選書」の抽選に応募し、先日当選の通知をいただきました。
期限スレスレで(苦笑)選書カルテを提出し、現在選書を楽しみに待っているところです。

選書ってどのくらいかかるんだろ・・・あと1冊ぐらい、自分で選んだ本を読んじゃって大丈夫そうかな…とか思いながら、いつもよりも慎重に読む本を選びながら過ごす、今日この頃です。


さて、またも前置きが長くなりましたが、またまた展開が気になって、ページをめくる手が止まらなくなる本に出会いました。


主人公は32歳のアパレル店員、都。
表向きは母の介護で東京から地元に戻ってきて、地元のアウトレットで契約社員として働いています。
ひょんなことから、勤め先のモールで出会った、寿司職人の寛一と付き合い始め、幸せだと思う瞬間もあるけど、なんだかモヤモヤ。
そのほかにも、母の介護、職場の人間関係・・・ぐるぐると考えること、悩むことも多々。
そんな都の姿を通して、そして都を取り巻く友人たちの姿や言葉を通して、考えさせられることがたくさんあった小説でした。

個人的には、女子会のシーンで出てくる言葉たちに、グサグサ刺されてました(苦笑)。

「都さんの迷いの根本は、自活できる経済力がないことなんじゃないですか。
(中略)
都さんが持っている不安は、寛一さんの将来じゃなくて、自分への不安じゃないですか」

山本 文緒『自転しながら公転する』より

とか。

学歴なし、回転寿司屋の寿司職人(一時無職になる)、添い遂げようとする覚悟もなさそう・・・そんな寛一と一緒になるか、なるまいか。
物語のなかで、何度も都はぐずぐず悩み、ときに友人たちに相談することもありました。

その姿を見ながら「本当だよ…都、それはちょっとズルいでしょ」とか、「自分のことを棚に上げて、彼氏のこと悪く言えるんかい!」とか、突っ込みたくなることもありました。
でも・・・ふと立ち止まって考えてみたとき、自分のなかに都のように誰かに寄りかかって生きようとするような気持ちが、本当にないのかと言われたら…正直、そうでない気もしたんですよね。

それに、都の友人たちがそれぞれ対照的な意見や考えを持っていることも多く、一つの出来事でも、多角的に見たり、考えたりすることの大切さを説かれたような気もしました。


プロローグからいろいろ想像しながら読んでいく、という構成も面白く、とにかく続きが気になって、気になって仕方がない作品でした!
気になった方はぜひ読んでみてくださいね♫

ではでは、素敵な日曜日の午後を〜!

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