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【読書ログ】『夜空に浮かぶ欠けた月たち』 窪 美澄

こんばんは。随分とお久しぶりです。
自分のなかで読書も、読書ログのこともすっかり忘れそうになるぐらい、本から遠ざかっていた今日この頃です。

5月の連休明けぐらいから、なんだか猛烈に働いていました。
やってもやっても終わりが見えない仕事の山。
努力をして時間を作ろうとしても、本を読み始めるともう眠い、眠い・・・!苦笑
どこかで「こんな毎日ダメだよなぁ・・・」と思いながらも、何をどうしたら良いのかがわからない、そんな日々でした。

今月に入ってようやく落ち着きを見せていて、先週は久しぶりに街中に出て友人とご飯を食べました。
その道中で読む本が欲しくて買った本。

何かの折にAmazonの「欲しいものリスト」に入れたままになっていたんです。
ただ、最近は「Wishリストを肥やすだけではなく、ちゃんと叶えていく生き方をしよう!」と思っていて、Amazonの「欲しいものリスト」も同じだよなぁとふと思いまして^^

ただ・・・道中で読むにはまったくふさわしくなかったです(めちゃくちゃ良い意味で!)。
なぜなら、どのストーリーも涙が止まらなかったから。


舞台はとある夫婦が営むメンタルクリニック。
さまざまな事情でクリニックを訪れる人たちのストーリーが短編形式で綴られています(そして、それぞれのお話が少しずつ絡み合っています)。
クリニックを訪れる前、訪れるようになってからの変化、快方に向かっているときに揺り戻されるような出来事が起きるも、再び回復に向けて歩いていく・・・そんなストーリーたち。

私が印象的なのは、食品メーカーの営業として働く有馬麻美のストーリー。
いつも同じパターンで恋愛が上手くいかない麻美は、相手からの返信が気になるあまりに眠れなくなってしまい、椎木メンタルクリニックへ通うことに。
そのお話のなかで、同僚の横山くんが麻美にこんな言葉をかけます。

「大丈夫、って有馬さんの口癖だけど、人間、大丈夫じゃないときのほうが多くない?」
(中略)
「社会人になったら、誰も自分のコンディションなんか気にしてくれないじゃん。……大丈夫じゃないときにも大丈夫って言わなくちゃいけなくて。本当はぜんぜん大丈夫じゃないのに」

窪 美澄『夜空に浮かぶ欠けた月たち』より

このセリフは直近の私自身の状況にも当てはまっていて、ドスンときました。

この本の別のお話にも出てきますが、ついつい「完璧なマルじゃないといけない」と思ってしまったり、「これぐらいは我慢するのが当たり前」と思ってしまったりで、本当は大丈夫じゃないのに「大丈夫」って強がっちゃっているときもたしかに多くて。
でも、「大丈夫じゃない」ときがあったっていいし、元気がないときや上手くいかないときがあったっていい。
強がりすぎなくていいんだなぁと、少し心を解きほぐしてくれるような感覚がありました。

椎木メンタルクリニックのさおりや旬が訪れる人にかけている言葉に救われたり、それぞれのストーリーの主人公が回復に向かうなかで、周りの人たちの温かさに気がついたり、「××と思ってたけど、本当は〇〇だったんだ!」と気づいたりする瞬間が本当に感動で、もう頭が痛くなるぐらい涙がボロボロ溢れてくる、溢れてくる・・・。
おかげで、読みながら、自分の心までもが癒やされていく、そんな時間を過ごせました。

なんだか少し心が疲れているなぁとか、
日々の仕事や生活にいっぱいいっぱいだなぁとか、
そんな風に感じている方がいれば、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。


今年の夏も暑いですね・・・!
体調など崩さないよう、栄養と睡眠をしっかりとっていきましょう。
私も気をつけます^^

それでは、また次にnoteを書く日まで!


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