違和感を忘れるな

違和感って言い方はちょっと違う気がする。
でも、語彙の少ない私の中では一番しっくりくる言葉なのかもしれない。

誰しも育った家庭や環境は千差万別。
バックグラウンドが違うんだから、考え方も価値観も、優先するものも大切なものも全て違う。
だからこそある程度の許容しなければならないんだと思う。
それが自分の許容範囲を超える時は少なからずある。
私の人生においては。

私が妊娠する前。
まだ夫と学友として付き合いのあった頃「面白くない」と言われた事がある。

ことの発端は通学中の電車の中だった。
大学に通学してた頃は毎日が課題に追われる日々だった。
期限まで余裕はあるけど、今この課題を終わらせないと他の課題が期限までに終わらないって感じ。
その日も英語の課題に追われていた。
ネットでの提出だったので、スマホを片手にせっせと課題をこなしていた。
と言っても、メモアプリを開いて文字を打ち込んでる"だけ"。
夫から見れば携帯を触ってる"だけ"に見えたのだろう。
でも私は早く課題を出そうと必死だった。
もちろん夫から話題を振られれば返事はしていた。
私から見れば、話題は振るけど話を広げる気がないように思えた。
って言うかほとんど私から話題振ってたけどな。
車内で「話す気ないん？」的な事を言われた。
話す気あるから返事してるんですけど？
「すぐにスマホに視線戻すやん」的なことも言われたけど、話終わったんなら課題したいんですけど？
「スマホ触っとらんと」的なことも言われたけど、「これが課題やっとるんやったらどうするん？」と聞いた。
「どうするん？」とは、私が課題やっとっても同じ事が言えんのか？私が課題提出遅れたら責任取ってくれるんか？え？と言う意味合いを込めて。
私からも話しかけてるし、夫の話にも返事しとるやん。
私が返事したら会話途切れさせたん夫やん。
やのに「話す気ないん？」は特大ブーメランなのでは？

そんなこんなで某線の乗り換え駅で電車を乗り換えていざ、大学へ！
みたいなやる気も出ず。
大学の最寄駅に着いた途端、いきなり夫の歩調が速くなった。
そして一言。
「面白くないねん」

はあああああああ？？？

と、まあこれが私の心の声でして。

「すぐにスマホにに視線落として話そうともせん」
みたいな事を言われたけど、返事を一番最後にしたのは私じゃない。
自分から話題振らんのに私のせいにすんなよ。
夫から返事が返ってこないから私は課題に戻ったんですが？

と、まあ怒り心頭に発するわけですよ。
私が。

1歳年下に何ムキになってんの？ププー
とは今でも思えん。
大人げないとは思うけど、全て私が悪い前提で話を進めるな。

話はもちろん平行線。
行ったり来たりというか全然動いてない。
疲れた。
朝から何で私こんなに言われなあかんの？

何の拍子に口から出たんかは忘れたけど「課題しとってんけど」と一言口から出てきた。
電車の中では「んなもんしるか」って態度だったのが、電車を降りると一転した。
夫の口から出てきたのは「課題しとるんやったら言ってよ」の一言。

言ったがな。
で、夫は「課題しとってもしったこっちゃねーわ」って感じの返事をした。

1時間も経たんうちにどうしたん？
突然の記憶喪失？

こういう違和感を忙しい日々に揉まれていつの間にか忘れてる。
そしてなかったことになってた。今までは。
それが息子を出産してからのこと、ある日ふと思い出した。
違和感として心の内に残っていたものが、今では見過ごすことのできないほど大きなモノになってしまった。
でも気付くのが遅過ぎたんだよね。
今気づいたところで、人生という道のりを引き返すことはできない。

この時感じてた違和感を忘れずに持っていたら、今とは違う結果になってたのかな。
そう思う日もあることは夫には黙っておく。