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色について思うこと

「色」とは、その時々で、自分に必要なエネルギーを補い、気づきや行動を促し、時にはその作用により、後の流れに影響すら与えることもあるのかもしれない。

ここしばらく、私はやたらとピンク色のアイテムを欲していた。

始まりは、寝室のカーテンだった。ある日、ふっと、「ピンク色のカーテンに変えなくちゃ」と思いたったのだ。

自分が意識的に求めるというよりは、内側から湧き上がってくるように欲する感覚だった。

しかし、これまでの考え方のクセで節約思考が働き、つい、買うことを保留にしてしまう。すると、『ピンク色のカーテン』は何度も何度もやってくる。朝起きて目にするたび、日中視界に入るたび、なぜか、どうしてもカーテンをピンク色に変えないといけないように感じる。

そうこうするうちに、『ピンク色のワンピース』、『ピンク系のアイシャドウ』と、内側が求めるピンク色のアイテムはどんどん増える。

それでも何の行動も起こさずにいると、何となく分かってはいたのだけれど、いよいよ、自分自身が流れを止めてしまっていると認めざるを得ないような出来事が起こり始めた。

ここで、ようやく考察を始めた。なにゆえ、今の私には、こんなにピンク色のアイテムばかり必要なのか?

ピンク色といえば、女性性の象徴。ふんわり、ほわんとしていて、やわらかさと包容力を感じる。

私は外見こそ女性らしいとは言われるものの、中身はかなり男性っぽい。サバサバ、細かいことにはこだわらない、群れることが大の苦手、直感も働くには働くけれど、理論的で現実的な性分から、せっかく得た直感を思考によってこねくり回してしまうことが日常茶飯事だ。

ふと、しばらく前にある方から指摘を受けた、「女性性の部分が少なくなっているように見える」との言葉を思い出す。

そうか。今は、ピンク色からそのエネルギーをもらって、私の中の女性性の部分を押し広げたり、バランスを取ったりすることが必要なの時期かもしれない。

そういえば、今はちょうど人生のターニングポイントにいて、『思考』から『感覚』にシフトしようとしているタイミング。その後押しにも、ピンク色のエネルギーが必要なのかもしれない。

それで、ようやく購入に踏み切った。

その数日後、友人が、心がやわらぐようなピンク色のブーケに、ローズヒップのハーブティを贈り物として届けてくれた。

滞っていたものが再び流れ始めた兆しのように感じられ、自然と心身がゆるむ。行動を起こすと、宇宙は、わかりやすい形でメッセージを送ってくれるものだなと愛を感じる。

ふと、今の生き方につながる多くの気づきを得た3年ほど前、私は、やたらと青色のアイテムを欲していたことを思い出した。

青色には、「開示」や「解放」と言った意味が内包されていて、自分の本心と向き合ったり、内なる世界を探求するときに用いると効果的だと言われる。

もしかすると、あの時期、内側の求めに素直に、青色のニットやワンピース、文房具といったものを与えてあげたことが、本来の自分に気づくことを促し、今に繋がる流れを後押ししてくれたのかもしれない。

色ひとつといった、ごく小さなことのように思えることが、次の流れを作っていく源となることもあれば、流れをせき止めてしまったり、あらぬ方向に変えてしまうこともあるのだろう。

朝起きて、何となく緑色のカップでコーヒーを飲みたいと感じたら、それが食器棚の奥にあっても取り出して使うとか、出かける直前にやっぱりピアスをつけたいと思ったら、わざわざ部屋に戻って身につけるとか、そのような、ひとつひとつを大切にしていきたいと、改めて感じた出来事だった。