妻が脳梗塞になった#3
【患者の配偶者である事】
昔、漫画版るろうに剣心、剣心の嫁になる薫ちゃんという女の子の流派は神谷活心流という人を守る剣術、活人剣という設定であり、剣は狂気、剣術は殺人術と教えられた剣心は活人剣を甘っちょろい戯言と一蹴したが、活人剣を使う者であれば自身が倒されては守ろうとする者を守れないとも後に説いた。
つまり私は今神谷活心流の使い手となり、守ろうとするためには私は倒れてはいけないのである。因みに神谷活心流奥義「膝挫」はモーションもデカく普通は避けるので、ローキックの方が良いと思う。
要は冷静な判断や行動が出来るように自分自身を見失わないように努めました。
【自らと環境を変える】
断捨離
実は我が妻は片付けや段取りが非常に下手である。洋服は部屋の隅から端に寄せられ積み上がりリビングだけは綺麗だが、よく分からないオブジェを所構わず配置するため、乱雑に見える。また常にオブジェも含めて掃除するわけではないので、ホコリだらけである。
妻がLINEや通話が出来るようになったので断捨離を決行する旨を伝えた。
私の服の8割は捨て、洋服のスペシャルを確保し妻の服を入れた。
その量45Lのゴミ袋5袋分。
妻の物は捨てていないが、服の量が多すぎること、物が多いことで片付けきれていない時点でストレスが溜まり、睡眠も上手く取れなくなる可能性がある事を伝えた。
妻も確かに寝た気がしていなかったと言い納得を得た。帰ってきたら服の大半を捨て、よく分からないオブジェも大方処分すると言ってくれた。
食事改善
以前から食に関しての情報は得ていたが、更に徹底するようにした。
炭水化物を絶対に取らない!
みたいな程ストイックにはしていないが、葉物野菜中心プラスサバ缶などに変更し、食事で精神的に弱くなる事を防ぐ目的で改善した。
ジャンクフードなんて以ての外です。
喫煙者だが、本数は減らして落ち込む状態を回避し、普段食べない果物も取り入れて精神力を保てる食事改善にした。
運動
現在の状況下で「仕事」「育児」「家事」「環境改善」「悪い習慣の節制」「病院手続き&面会、差し入れ」など様々な事柄の中で一番キツイのは運動であるが、元々毎日やると決めて、結果週4は行っていたので、そのまま継続もしくは毎日と心に決めて精神力を保てるように改めて行うキッカケにした。
睡眠
これに関してはかなり変更し、前はギリギリまでスマホを見ながら時間になったら寝ていたが、就寝時間をおおよそ決め、普段より1、2時間早く寝ることを心がけ、スマホの時間を子と話す時間に変え、睡眠改善を計った。
これが私には一番良い効果のような気がしている。
情報のシャットアウト
普段からこれはやっていて、不倫ニュース等一切見ない。決めた情報しか見ないようにしているので芸能ネタからわりと大きいレベルの情報が私にはない(なんなら明日の天気も知らない)その任意で決めた情報も減らし、脳梗塞の情報量を増やす事にチェンジした。
【男だからと言えない時代!でも男だから】
時代では男だからと言ってはいけない空気感の日本。世界ではまだまだ「男だから」という風潮の国がほとんどであるが、日本ではダメらしい。しかしそこを都合よく苦しくなった時にだけそこに乗っかるのはやはりどうかと思うのです。
いつも偉そうに立ち居振る舞っている私だから、今こそ超絶脳梗塞のために動き、根性を見せる時です。
「あの時あぁしていれば……」
こんな事にならぬよう今自分がどこに立っていて、何が出来るのか。
どこまで出来るのか。十二分に計画を立ててこなしていきます。
父親であり夫であり、男である。
ここで「結果」を出せなければ男ではない。
そこを理由としての足場として行動の原動力にすると誓いました。普段は邪魔になるプライドをプラスにした例ですね。
【打算と愛と】
性格によるものもあるが、打算もある。
元々他でも話したことがあるのだが、配偶者を性の対象と見れなければ結婚など私はしない。
1回目の結婚はそれが色濃く出ており、2回目の結婚は、性とは別に常識を有しているを含めて探して結婚した。
副産物として家事等一切文句を言わずやってくれるといった結果であった。
当然動けなくなれば家事、育児等の負担は全て私に来て更に介護の負担も強いられる。
損得で考えればこの生活を続けるのはマイナスになる事も多いだろう。
世のインフルエンサーが言う結婚のコストが高すぎると言うのもわかる。金だけじゃなく時間のコストもかかるからだ。
再婚であるため数年間ではあるが、献身的に尽くした妻。元々敵を作る事が多い私の性格であっても無条件で味方でいた妻。そんな妻を捨てる自分でいたくない、やはり自分を鑑みればそれも自分ファーストと気づき「ちゃんとクズな性質がある」とわかる。
【脳梗塞一緒に乗り切ると決めた結論】
自分のためだと気づいた。
人の役に立つ事で自分が気持ちが良い人生を送れる気がするからだ。
実際多くの著名人も言っている通り、自分の幸せのために手を差し伸べるのだ。
無償の愛など恐らく世の中にはあまりなくて、自分の人生を彩るために人を助ける。
解っているようで解っておらず、実際に経験して初めてその事のリアルに気づいた。
「家族なのに打算的だ」「自分の事しか考えられない人間なのか」言われればそうだと思う。
しかし、自分のためだと考えると降りかかる現実的なコスト、時間、お金、労力も不思議と苦痛でなくなった。
「妻のために動き回る俺カッコイイー」
こんな感じである。
続く
凛1129