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#44 【気分屋】赤ちゃんが出てこないので夫婦でのんびりデートしてみた

臨月に入って、いわゆる「正産期」という、お腹の赤ちゃんがいつ生まれてもおかしくない時期に突入した。
病院から離れることもできないので、ひたすら近所をお散歩する毎日。
私は実家に里帰り中で、夫とは約1か月以上離れて暮らしている。

ちょっと、いや、かなり寂しい。
結婚してもうすぐ3年経つのだから、もう遠距離恋愛中のカップルのような感情はないのかと思いきや。

あんなに毎日一緒に過ごしていた人が近くにいないのは、本当に心細い。
それに、ずっと見守ってもらっていたおなかの赤ちゃんの成長を近くで見てもらえないことも寂しい。
寒くなってきたけどあったかいお布団出したかな、今日は何食べたかな、仕事疲れてないかな、おなか触ってほしいな、なんてことをいつも心のどこかで考えてしまう。

私たちは、計画無痛(和痛)分娩という方法での出産を予定していて、計画日に入院して陣痛促進剤を打って陣痛を促して出産することになっていた。
お医者さんのお話では、促進剤で陣痛を促すことはできても、赤ちゃんがその気になって母体に本当の陣痛が起きなければ出産を進めることはできないとのことで、当日に出産できる確率は、初産というのもあって50%くらいだと言われた。

計画日の前日、夫に実家に来てもらって、私は入院し、いよいよ当日を迎えた。
夫に立ち合いをしてもらい、子宮口は約3㎝と本陣痛が起きてくれればお産が進みそうな感じではあったけど、促進剤を増やしていっても本陣痛につながらず。
「まだ赤ちゃん出てきたくないんだね~。おなかの中の居心地がいいんだね。」とのこと。

なんだかんだで生まれるだろうと思って覚悟をしていただけに、拍子抜け。家族もびっくり。
どうやら私たちの赤ちゃんは気分屋らしい。
「今日じゃないよ~。まだおなかの中が良いんだからっ。」と言わんばかりに促進剤の処置をやめた途端にもにょもにょと動いていた。
結局その日は一時帰宅して、また来週健診をして改めてどうするか相談することになった。

せっかく新幹線に乗って立ち合いのために仕事を休んできてくれた夫。
育休の申請もしてしまったけど、予定が狂ってしまったので申請し直しも必要。
まーったく、人騒がせな赤ちゃんだ。笑
きっと出てきたらそんなことなんてどうでも良くなるくらい、可愛くて仕方がないのだろうけど。

そして一旦また実家に戻ってきた私。
赤ちゃんが出てこなかったおかげ(?)で不意に訪れた夫婦時間。
せっかくなので、運動もかねて地元を散策することになった。

思えば、里帰りでバラバラだったので、こんなにゆっくり夫婦でデートする時間なんてとっても久しぶりだった。
駅ビルの中のお店を回ったり、もんじゃ焼きを食べたり、ストリートで三味線を弾いてる外人さんを眺めたり、気になっていたパン屋さんでパンを買ったり、靴擦れしていた靴を買い替えたり。

翌日も、ゆっくり起きて朝ごはんを食べてから、昨日買った新しい靴を履いて、ちょっと大きな公園までお散歩をして、木陰にあった椅子で一休み。
お散歩しているワンちゃんを眺めたり、キッチンカーから漂うカレーのにおいを楽しんだり。
手をつないで、のんびりゆっくりおしゃべりをしながら歩いて、赤ちゃんが生まれたらこんなことをしようとか、自分の家に戻ったらお部屋のレイアウトをこんな風に変えたいとか、車でどこに行こうとか、近い将来の楽しみなことをたくさん共有した。

赤ちゃんは予定日通りには生まれなかったけど、「最後に夫婦で楽しみなよ~。」と素敵な時間をくれたのかもしれない。
そう思うことにしよう。
ありがとう赤ちゃん。とっても幸せな時間を過ごせたよ。

「次はお顔を見に来るんだからなー?ちゃんと準備して出て来いよー?」とおなかに声をかけて、夫はまた新幹線に乗って戻ってしまった。
なんだか心細くてちょっとうるうるしてしまったけど、今週か来週には生まれるはずだから、かぁちゃん強くならないと。

気分屋の赤ちゃん、自分のペースで安心して出てきてね。
私たちも、家族や周りのみんなもあなたの誕生をとっても楽しみにしてるよ。

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