夏休みの勉強5日目 「豊かな学び」を創り出すために必要なこと
未来の先生フォーラム5日目
田中茂範先生(慶應義塾大学名誉教授、PEN言語教育サービス代表)
主題は生成AIと教育。
教育における生成AIの可能性を中心に話は進んだ。
生成AIができそうなこととして、
個々に合った学びをするうえで、即時フィードバックや個別学習などは教師の仕事のサポートや、子どもの学びのサポートの役割としては大きいだろう。
一方で生成AIの負の側面もある。
夏休み明けに話題に上がりそうなのが、不正行為の増加やオリジナリティ問題であろう。
田中先生は、生成AIの本質的な限界を知ることが必要だと述べていた。
その1つが、Hallucinationである。
これは、「もっともらしいが、誤った内容、バイアスのある内容を生みだす;部分としては正しいが、全体としては問題がある」
ということである。
例えば、自分を生成AIで検索(プロンプトにもよるが)してみると、一見正しいように見えて、誤った回答はよくある。
「佐藤和宏という人はどんな人ですか?またどのような著作物がありますか。」と入力すると上記のような内容が返ってきた。
上から3行目までは、パンチ佐藤さんのことが書いているが、それ以下については別の佐藤和宏さんの情報である。
(なぜパンチ佐藤さんを検索したかは特に意味はない)
このように、ただ聞くだけでは正しい結果が出ないことがある。
2つ目が、コンテクストの問題である。
コンテクストについては、
生成AIのコンテクスト(文脈)
人間のコンテクスト(情況)
この二つがある。
特に、英訳の時などに、その言葉の背景や想いなどは組み込むことはまだできない。
では、生成AIをどのように活用すればいいのか?
それは、資質・能力を伸ばすために活用すればいいのだ。
具体的には「比較力」と「批判力」である。
田中先生は、授業について
「授業では場づくり、場面づくりが行われる。
情感を伴う情況空間がうまれ、そこでやりとりや活動が起こる。」
場(シチュエーションについて、
「教育とは、生徒と教師が教室という空間内でリアルなやりとりを通してシチューエーションを創り出す営みである。
そして、シチュエーションはさまざまな一人ひとりの思いが詰まっているたえざる情況編成である」と述べていた。
教室だからつくることができる情況、リアルなやり取りの中で繰り広げられる試行錯誤や創造的な活動の中に生成AIの活用が期待されるのであろう。
授業づくりの鍵は、
生徒がその活動を有意義と感じることができるということである。
理解ができて(面白い、有用な)
本物であると感じる (理解できる条件として)
自分ごととして価値を感じる(リアリティーがある)
という要素が必要である。
まだ生成AIを取り入れた授業はしたことがないのだが、
夏休みにさらに生成AIに関する勉強をして、授業を行いたい。
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