副業組織とブロックチェーン

こんにちは。Rimo合同会社の代表社員兼エンジニアの相川です。最近、自分がエンジニアであることを忘れかけていたので、エンジニアっぽいことを話してみようかと思います。

昨日は副業の給与の決め方に関して話しました。

ですが、もともと話そうと思ってたわけではありませんでした。でも、なんで話すことになったのかを考えると、副業主体であるとより多くの人を雇うことになるので、それぞれの労働に正しくインセンティブをつけられていることや、できる限り信用がなくてもうまくいく仕組み(トラストレス)であることが求められます。
実際にこういった問題にアプローチし、実にうまくやって通貨としてまで成立させてしまったのがブロックチェーン技術の代表例であるBitCoinだったりします。なので、今日はブロックチェーンを組織制度と絡めてお話できればと思っています。

ブロックチェーンの何がすごいか

ブロックチェーン技術も日々進化していて、応用例も色々模索されていますが、ブロックチェーンがすごいのは、お金や芸術品が本物であることの担保が、信頼できる機関の助けなく実現できることだと思います。

具体的には、

1. 本人が間違いなく送金したことの担保 (なりすまし・偽造問題)
2. 同じお金で2回払えたりしないことの担保 (二重決済問題)

の2つが日本銀行などの信頼できる機関ではなく、様々な参加者同士で検証し合う事によって分散処理されてることです。このとき、1つの機関でやってたことを複数個に分けて参加者にやらせたわけではなく、例えばぽっと出の個人が自分の利益のために参加しても、全体のブロックチェーンが正しく運営されることの貢献になっているというのがすごい話なんです。

これの嬉しさを具体的に言うと、Rimo合同会社というできたばっかりで給与支払い能力もわからないし、一つ一つの仕事に適性な評価を下せるかもわからない、全く信頼できない機関だったとしても、参加者である労働者どうしがそれぞれ競争しあった(協力し合うわけじゃないのがポイント)結果、正しく正当な給与が生み出されそして支払われる、ということだったりします。(ちなみにRimoでこれができているというわけではなく、こういう事ができたら嬉しいよねという話です。)

ブロックチェーンはこれらの問題をどう解決しているか

上の問題をどう解決しているかのエッセンスを少しばかり解説すると、こんな感じです。(実際はもっといろんな技術が使われてますがそれを正しく解説することはこのNoteの役割ではないはずです。)

1.  参加者は最近行われた各取引が正しいかどうか検証するタスクをする
2.  検証が一定数終わったらガチャを引いて、あたりが出たらその検証が認められ報酬がもらえる
→ この一連の作業をProof of Work = マイニングと呼ぶ

このガチャの存在によって複数人が同じ仕事をするのでその確からしさが検証されるし、ガチャのの当たりのでやすさを10分に一回ぐらいとコントロールすることで参加者が増えたときでもマイニングできる速度をコントロールできます。

BitCoinはインセンティブ設計まで完璧だった

ブロックチェーンはその技術を使えば上で書いたような問題が解決できるよねという理論の話です。BitCoinがすごいのは、更に参加者のインセンティブ設計もしっかりする事により、理論ではなく実践し、実際の通貨としての流通総額が100兆円を超えるまでに現在なっていることです。

実はマイニングは2種類の報酬で成り立っていて、マイニング成功のお祝い金と、マイニングは各取引の一定の塊なのでその中に含まれる取引の手数料です。
初期はマイニングの成功に対して支払われるお祝い金が大きく、だんだん減っていきます。初期は手数料の価値なんて微々たるものなのでお祝い金が必要ですが、後半は手数料だけでも十分な価値があるため、マイニングはされ続けます。

これはスタートアップで言えば、初期は株をあげて、あとの方になると普通に高めの給与を払って採用を行うのに近いインセンティブ設計です。一定期間に支払える額が決まっていてマイニングする人が多いと多い分分前が減るのも、給与の予算や分けれる株の総数が決まっていて、それを分けあっている感じに近いと思います。

今は、ブロックチェーンを給与分配や株の配分の例で例えましたが、逆に給与の配分や株の分配法を、今どんどん研究されているブロックチェーン関連の研究の成果を用いて決めればより良い結論が導き出されるかもしれません。

まとめ

なんとなくのブロックチェーンの仕組みも説明したかったのでながくなってしまいましたが、伝えたかったのは下の2つぐらいです。

・多くの人に参加してもらう組織はインセンティブ設計がより大事になるよ
・組織としては信頼し合った関係の方がいいけど、あえて信頼なしでもできる仕組みにするといいことがあって、それをトラストレスと呼ぶよ

最後に

自分たちは「はたらくを未来に」すると言って会社を運営しています。

単に、リモートワークや副業を推し進めるみたいなことだけをゴールにしていないのは、こういったブロックチェーンなどの新しい技術の考え方を組織に取り入れるようなことも考えられるからです。

これを取り入れることで、契約のあり方だったり、給与の支払い方だったり、ストックオプションのようなものの配り方すら刷新できる可能性があります。

なんかちょっとワクワクしませんか?


とはいえ今日は難しかったかもしれないし、書くのも大変だったから次はもう少し普通なことを話そうかな。


はたらくを未来に。

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