見出し画像

アルバムいっぱいの愛

先日、久しぶりにロフトに上がり、
衣替えをし終えた服たちを整理していた。

そのとき、ふと私の名前が書かれた箱が目に入り、そっと蓋を開けた。

中にはいくつかのアルバムと、アルバムに入りきらなかった写真たち。
どれも私が幼少期の頃のものだった。 

私が生まれて初めて祖父母に会った時の写真
父に頬をつつかれて笑っている写真
犬を触ろうと手を伸ばしている写真

母がよく写真を撮ってくれていたのだろう、
集合写真以外で母と2人で写っているものはあまりなかった。

今までも昔の写真を見たことはあったが、
その日はなぜか両親や祖父母の表情がよく目に入った。
どの写真でもみんな私を見て笑っていて、
とても愛しいものを見ているような顔で、
「あぁ、こんなにも愛されていたんだな」
と心がじわじわとして、少し泣きそうになった。


リビングに行くと、さっきの写真よりいくらか老いた父と母の姿があった。

テレビを見て笑っている父。
「ぶどう食べる?」と母が言う。

昨日までと同じ日常なのに、
とても貴重で、永遠に記憶しておきたい大切な瞬間のように感じた。


写真に撮っておきたい、と思ったけれど
きっとパジャマのまま撮るのは嫌がるだろうから手書きのノートに書き留めておくことにした。



父と母との会話、
今日の夜ご飯、
昔の写真を見たこと、
両親は顔にしわが増えていたけど笑顔は全然変わってなかったこと、
またアルバムを覗きたくなったこと。



もし私が今日のことを忘れても、
私が書いた言葉が思い出させてくれることを願って。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?