DAOの定義とは

Web3が興隆し、一般的にはNFTコミュニティがDAOと呼ばれていますが、ETHのVitalikによるとDAOの定義は「スマートコントラクトが真ん中にある組織」です。ただ、これではまだまだぼんやりしていてクリアなイメージが出来ず、「DAO」をDAOたらしめる要素は何か?とずーっと考えていたところ、師である(と勝手に私が言っているw)tomyさんから素晴らしい洞察を頂いたのでアウトプットしています。

パブリックな場に文字を書くことが生来好きな方ではないのですが、tomyさんからちゃんとアウトプットしなさいwと言われてしまったので、今年はしっかりと向き合っていきたいと思います。。

以下はいつもお世話になっているtomyさんとの1on1で学ばせていただいたことです。一人称で語っておりますが100%、tomyさんから教えていただいた内容です。


DAOのDAOの定義とは何か?

結論、DAOの規模や内容に関わらず以下の機能を持っていること:

  1. トレジャリーウォレット

  2. 貢献度を測る明確な基準

  3. 透明化されたプロセスと実行内容
    →(最低)条件:コア機能をとりあえず手に入れられること

この3つの条件を満たしていることが、現時点ではとある組織/団体をDAOと定義づける為の最低条件(機能)である。


これらの機能はAPI接続のように簡単にインストールでき、上記3つ以外の機能も無数に増えていき、それらがそのDAOの必要に応じて取り外しができる状態であることが理想であると考えます。

また、DAOを設計するにあたり、アルゴリズムを組めば、感情で評価を変える人間を特定することができ、ノイズを出した(問題を発生させた)人間の評価が査定の際に自動的に下がるように設計することができ、その結果、透明化、自動化をすることによって、評価されるためにはどのような行動を取れば良いか判断ができます。

投票制の限界

DAO内の意思決定を投票制で行っているうちは、真のDAOの実現は厳しいように思います。

価値交換やモノの交換に人間を介在させない方が双方にとってハッピーなことは自明ですが、基本的に、あらゆる「交換」がスマートコントラクトによってしかできなくなれば、人間は一緒にいて楽しい人としか付き合う必要がなくなります。つまり損得勘定での人付き合いが不要になるのです。

しかし「投票」というシステムはとある案を賛成として可決したいという「思惑」や「感情」が働くので結局また忖度や誰についた方が良いかという損得勘定が生まれてしまいます。

これは歴史が証明しており、多数決での議決制に限界があることを示しているのではないでしょうか。

では、この問題をどのように解決できるか。

結論から言うと、ガバナンストークン保有者が出した提案は基本的に可決すると言う前提の元、その他のガバナンストークン保有者にはその提案に対して「反対」する権利を持たせる。

ここで「反対意見」に対してどう思うか?の意見を出すか否かの参加・不参加が生まれますが、賛成意見を出すにしても、反対意見を出すにしても、いずれにせよ等しくコスト(時間など)が発生します。

このコストですが、賛成に投じた場合、そのプロジェクトが成功した場合リターンが返ってきますが、反対に投じた場合プロジェクト成功によるリターンがありません。

つまり、この方法によっていたずらに反対票を出した人間のメリットを排除できます。(私利私欲の為に反対に入れる人に対してはゼロ知識証明のアルゴリズム(スマコン・AI)で、そういったプロジェクトに対するマイナス行動をトラッキングできるように設計しておく)

一方で、真剣に考えた結果、この提案は可決しない方が良いな…と言う場合(反対派の意見が正だった場合)組織への貢献のための正しい行動を取ったとしてメリットが与えられるアルゴリズムを組む。

これらがDAOに必要な最低限の機能です。

つまり、

Aのメリットの為にBがデメリットを被ることを目を瞑ったCも、デメリットを被るような設計

する必要があります。

例1)
・ギャンブルの仕組みと同様。賭ける人が多ければ多いほど、1人あたりの配当は少なくなっていくので、逆張りする人も増えるので、配当以外のメリットとして行動の履歴等に繋がる等のメリットが必要。

例2)キャリーオーバー
・コミュニティの為に発言した結果、少数派となってしまった→本来1.1倍のところを1.3倍等
→とにかく正しい行動を行った人が高いインセンティブを得られる仕組み。この「正しさ」とは?についてもAI・アルゴリズムで設計を組む。

※AI・人間・スマコンがやる役割は技術特性を理解して、それぞれ分ける必要がある。
※スマコンは誰が見ても明らかなアウトプットを自動的に出力するが、このアウトプットが時代に合った内容・品質なのかをAI・アルゴリズムで測って
いく。

さいごに

人間の感情、行動からアルゴリズムの組み方、加重平均の値を割り出す為に10~20年はかかると見ている、とのことだったので、技術的側面からこれらの実現はまだまだ先かなと思う一方で、私が考えても解が出なかった部分について、tomyさんは明確なアンサーをお持ちだったのでとてもクリアになりました。いつもありがとうございます。。

私が生きているうちはweb3の本当に良い面を享受できないかもしれませんが、これから生まれてくる未来の子どもたちが良い環境に身を置けるように今日もできることを1つずつやっていきます。

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