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私の想うアート : about art

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20世紀までは「芸術」、21世紀には「アート」と呼ばれて汎用化しているARTについて、私なりの考えを伝えます
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#タルコフスキー

存在の粉砕か、至高の法悦か ~ アート思考は一時休止して

現代アートの元祖たち、現代美術展の感想、キャプションは学習指導か、などに触れながら自分のアート観を伝えます 現代アートの元祖たち ~ デュシャン・ケージ、そして・・ こと現代美術に限定しての記事を閲覧すると(美術品売買業者のHPも含め)、マルセル・デュシャンの1917年発表の作品「泉」は元祖・現代アートとして位置づけている内容が多いです。 デュシャンは古典絵画から20世紀初頭まで連綿と続く西洋絵画の伝統を、目で見て愉しむだけの「網膜的絵画」だと一刀両断し、その代わりに、脳

自分が溶けて、世界と一体化してゆく・・・

諸星大二郎、ダリ、スティーブンス、タルコフスキー、バッドの描く幻視空間への誘い 養老孟司「世界と自分が一体化する」 以前に読んだ、解剖学教授・養老孟司著「自分の壁」第一章「自分は矢印に過ぎない」に面白い部分がありました。そこを少し要約してみます; 本文ではそのあとに、人間の脳つまり意識が、「ここからここまでが自分だ」と自分の範囲を決めて線引きし、範囲内のものは「えこひいき」して、それからはみ出たものに対してはマイナスの感情を抱くと説明が続きますが、中でも私は、「世界と自