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退屈とブレイクダンス

ある本で、「退屈」と「暇」は似て非なるモノだと読みました。そもそも暇とは人間が生存競争や労働環境から自らの努力で勝ち取ってきた自由の事を指し、退屈とはその全てに対し変化が起きないことへの「飽き」である、といった論旨であったと思っています。

私達は今、暇なのでしょうか、退屈なのでしょうか。

その本は続いて、現代ではこの退屈すら消費構造に組み込まれている、との事でした。

退屈した人間にそれなりの刺激や変化を与え、消費をし続けさせる

読んでザックリ感じたままに書くとこんな事を言っていたと解釈しました。
というのも、この解釈がある程度間違いが無いものだとすれば、身に覚えがありすぎたからです。

突然ですが、皆さんは週に何回練習しますでしょうか。

私は最近は大体週に三回程度練習出来ています。

実はこの練習ペースは最近一ヶ月くらいの話で、何ヶ月か前までは一ヶ月間一度も練習しない期間などもありました。

理由は2年間費やしてきたブレイクダンスの映像作品完成からの燃え尽きやら何やらでした。

その燃え尽き期間、仕事を終えたあと家に帰った私が何をしていたかというと、

正に退屈していたのです。

時間をかけた作品の完成は今までに得たことの無い達成感を味合わせてくれたと同時に、次の活動への高い障壁だけを打ち立てて、また向こう側へと私を置き去っていきました。

その前に並ぶ長い階段も、途方もなく感じてしまって目標に出来ない

目標も定まらないので特に練習の意欲も湧かない

まあ俺達は2年間頑張ったんだし、しばらくノンビリしよう

という脳内フローをベッドの上でコンマ数秒の間に駆け巡らせ、寝転がってInstagramを開く日々でした。

Instagramは退屈した人間には本当にもってこいな存在です。
いやスマートフォン自体がそうなのかもしれません。

タイムラインに広告が出てき始めてからの変化は一瞬でしたね。

中でもリールはとんでも無いです。

(おそらく)アメリカ人が真剣にアホなチャレンジをして成功して喜んでいるのを見たり、(おそらく)中国人が素手でレンガを割ったりするのを見たり、貞操観念のバグった女の子達のエロい小躍りなんかを見てると途端に時間が潰れていくわけです。

虫眼鏡マークから何かを調べようと思ったのに、その前に広がる自分専用のオススメ動画目掛けて、自律を始めた親指がタップしたら最後、
結局自分が何を調べたかったか分からない、なんて事もしばしば、しかしそんな事を考える暇を与えない数秒間の映像の連続。

それでも訪れる賢者モードにも似た状態を慰めるように、有意義なようでいて何一つタメにならないウンチクやら財テクの話なんかも間に挟まってくるわけです。

せめてもの抵抗として謎のポエミーな投稿なんかをしてみたり、昔見てたバトルの映像なんかを眺めたりしてると、ようやく心の声が聞こえてくるわけです

(練習しろよ)

今まで何度も思った「ブレイクダンスやってて良かった」の中でも最低レベルの質の悪さではありますが、この時は、俺にはまだブレイクダンスがあって良かった…!と素直に思ってしまいました。

ガチのゲトーから更生したbboyが言う「ヒップホップのお陰で薬物とか暴力とかの下らない事に巻き込まれずに済んだ」のめちゃくちゃショボい版です。



この歳になると一ヶ月休んだだけでもすぐにガタが来てしまい、最初のウチは週に一度程度が適量でした。

それでも練習した日としない日とではやはり大きな変化がありました。

練習時間そのものだけでなく、食う飯や睡眠の質も上がったように感じます。

なんかヤバい渦に巻き込まれて抜け出せ無いようになっていた状態から、ブレイクダンスという原動力を使って逆走しているような充実感がありました。

ブレイクダンスのこういった、悪循環を抜け出したり好循環に乗っかるキッカケにもなるという特性は、その発祥にも倣っているようにも感じます。

そうして現在私は、退屈の消費構造というゲトーから、週三回の練習を勝ち取ったのです。

現役バリバリ、バトルバチバチな世代には、「何言い訳してやがるんだデブ」的な感じにピンと来ない話かもしれませんが、練習時間というのは私達がその中にいるだけでは気付けない程に尊い存在なのだと、今なら思ってしまいます。

やはりここで思うのが

ブレイクダンスやってて良かった

です。



そして、現在なぜ、結局スマホを媒介としたnoteを始めるに至ったかも、この経験が元になっていたりするのです。

先に書いたように、ブレイクダンスは悪循環から抜け出したり、好循環に乗っかるキッカケになるという特性があります。

なんだかんだで現在も、退屈した時間はゼロでは無いので、訳のわからん映像を見る時間はあるのですが、「このままじゃヤバいぞ」という感情から実際に練習に行くのは何となく結局めんどくさかったりします。

そこで、挟むのがやっぱりブレイクダンス

YouTubeで学生の頃から見ている好きなバトルか何かを見れば、「このままじゃヤバい」という焦りは気付けば霧散、「よっしゃ、練習するか」というモチベーションへと変えれるわけです。

話は変わりますが、私達の映像作品を見てくれた方々からの感想で最も嬉しかったのも「練習したくなった」でした。

そこで、ネット上に、こういったモチベーションに繋がる情報がたくさん転がってたら良いのに、と私自身考えるようになったのです。

物理的な話に例えると、皆んなで練習する場所もあれば、一人で練習する場所もあったり、そういった手札が多い方が、何となく練習へのハードルも下がりそうですよね。

それのネット版、的な存在を作れたらヤバい

と、思い、ブログを始めてみたわけです。

まずは最低限、Instagramで謎の時間を過ごしているよりは、ここのページ眺めている方がマシ(bboyなら)、な情報から

ゆくゆくは

ここの記事を読んでると、

何だか練習に行きたくなってくる

そんな情報の発信を目指していこうと思っております。

なんか最後の方、手抜きっぽくなってしまっていますが、以上が本ブログのステイトメント的なお話でした。

何度も挫折してきたブログ執筆ですが、今回ばかりは周りも巻き込んで真剣に続けようとしていますので、お見知り置きいただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。

今週末はfuture squadに遊びに行こうと思っておりますので、乾杯しましょう。

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