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『レジリエンス』ーわたしが留学時代に宿したもの

おはようございます。りくです。

昨日は、卓球水谷選手の新刊
『打ち返す力』について
イベントの感想とともに振り返りました。

わたしの結論はこうです。

水谷さんは困難を(ドイツ留学や難病など)を
なんどもなんども乗り越えてきた。
その『打ち返す力』の正体は、
困難にであったときにこそ
ひとが選ばない、少数の選択肢をとり、
”リスクテイクする勇気”であると。

で、水谷さんのこのはなしを聞いたとき。

これって『レジリエンス(Resilience)』そのものだな。

という感想を持ちました。

昨日の記事にも、このように触れました。

レジリエンス(再起力)とは何か
Daicene L. Coutu ”How Resilience Works,” HBR, May 2002

なぜ、誰もが臆するような困難に直面してもくじけない人がいるのだろうか。-レジリエンス(再起力)の高い人は三つの能力を宿している、という仮説が成り立つ。それらは次のようなものでる。①現実をしっかり受け止める力、②「人生には何らかの意味がある」という強い価値観によって支えられた、確固たる信念、③超人的な即興力

水谷さんのようなスポーツ選手でないにしろ
わたちたちはそれぞれなんらかの”ビジネス競技”に参加する
ビジネスアスリートであるといえるでしょう。
(資本主義経済というルールに乗っていつの間にか参加している!)

あるいは、生存をかけて、種族繁栄のために
生涯パートナーさがしや子育てという”生存競争”に参加している
ライフマラソン選手であるともいえるでしょう。
(生まれた瞬間からいやおうなしに走らされている!)

そもそも、みずから望む望まないに関わらず
9.11や3.11のような困難に飲み込まれてしまうこともあります。

そんなとき、どのように「再起」するか?
それを示すのが「レジリエンス」です。
ぜひいっしょに「レジリエンス」を紐解いてみませんか。

わたしのハードシングスな体験をもとに
わたしなりに解釈してみたいと思います

今回は、すこし長めの旅になります。
お付き合いいただけたら嬉しいです。

ではいきましょう!

1.14歳で味わった人生の挫折

いきなりですが質問です。

「あなたの人生の最大の困難はなんですか?」

わたしは人事の仕事をやってますので
こんな質問を学生さんにすることがあるし
みなさんも就活のときによく聞かれたと思います。

でも、ほんとの人生の困難を
面接という第三者を相手にする場で
本音でさらけ出すってなかなかむつかしい。

もちろん部活で大変でした!
とかは語れると思いますが
「家庭環境で苦労しました」
「パートナーとの関係で悩みました」
こういう話はしづらいですよね。

でも、レジリエンスはたぶんこういうときこそ大事。
働きはじめてからの悩みって
たいていは職場か家庭の人間関係が多いし、
そのときにかかえこんで苦しむケースがよくある

わたしの最大の困難はなんだったろうか?
生物的に、ハードシングスだったなと感じるのは
14歳でアメリカ留学した経験だったと思う。
これは就活でもそう話したし、いまでもそう思う。

※わたしと同い年の水谷選手も14歳でヨーロッパに留学した。これはなんだか運命を感じずにはいられないな、と思った。

わたしは英語がしゃべれない状態で飛び込んだ。
なのに、なぜ行こうと思ったのか?
「刺激を求めてたから」
「ひとと違うことをしたかったから」
「挑戦したかったから」
詳しくはまた、留学回想記を書こうと思う。

カリフォルニア州のインターナショナルスクール。
アジア人留学生も多く、みな仲良くしてくれた。
が、それと、英語を聴きとれるかどうかは別の話。

ステイ先のホストファミリーもあたたかったが、
14歳の娘さんとの関係性はなかなか苦労。
留学中、くやしくてもなんども泣きました。
じぶんはここに存在するのか?という気持ちに。

どうすればいいのだろうか。
コミュニケーションがとれない、という逃れられない事実。
だれのせいでもなく、自分の力がない、ことでしかなかった。
それによるネガディブな感情と向き合ったこと。
親に「留学中は日記残すといいよ」と言われていたので
15年以上前だけどいまでもよく憶えています。

2.わたしに宿るレジリエンス

中学受験まで順風満帆というか、
大きな苦労がなかったわたしにとって、
この留学は最大のハードシングスだった。

過程は省略するが、留学を終えるころ、
わたしは見違えるようになっていた。
友達がたくさんできたし、
コミュニケーションはかなり円滑になった。

一体なにをしたのか?
わたしは2つのオリジナルの行動をとる。

(1)全校集会で環境問題のスピーチをした
(2)千羽鶴をつくって(生徒を巻き込んで)配った

「どういうことだ?」
と疑問に感じられたかもしれません。

思考プロセスはこう。
「なぜわたしが留学したのか」
「それは自分にとってどんな意味があるのか」
「そして留学先でかかわった人たちにどんな意味があるのか」
それらをひたすら考えた結果
アクションにうつした2つの考えでした。

(1)全校集会で環境問題のスピーチをした
 いち日本人から見てみんながどう見えているか?
 多様性と自律のある素敵なカルチャーだ!
 一方で、ランチのフードロスが気になった!
 日本だとありえないと思って全校でフィードバック!

(2)千羽鶴をつくって(生徒を巻き込んで)配った
 いち日本人としてまわりに出せるバリューはなにか?
 おみやげで持参した日本グッズがいつも喜ばれた。
 わたしは日本文化にふれてもらう媒体(メディア)になれるはずだ!
 平和の象徴でもおりづるをつくってみんなに配ろう!
 なんならプロセスから巻き込んで、お昼休みにみんなで作ろう!

どちらも大好評。
まわりに「あいつがんばろうとしているな」と
思ってもらえると、そこから関係が自然とうまくいった。

※余談だが、こうした「へたくそな英語スピーチ」を
スタンディングオベーションで迎えるカルチャー、
それが何より素敵だとわたしは心から思う。

で、ここでもう一度冒頭のレジリエンスに戻ろうと思います。

レジリエンス(再起力)とは何か
Daicene L. Coutu ”How Resilience Works,” HBR, May 2002

なぜ、誰もが臆するような困難に直面してもくじけない人がいるのだろうか。-レジリエンス(再起力)の高い人は三つの能力を宿している、という仮説が成り立つ。それらは次のようなものでる。①現実をしっかり受け止める力、②「人生には何らかの意味がある」という強い価値観によって支えられた、確固たる信念、③超人的な即興力

わたしはこの留学経験で、この3つを直感的に会得した気がします。
(もちろん水谷選手のような一流のものではない)

①英語で意思疎通できないという逃れられない事実を受け止めた
②「わたしがいる意味」と向き合って自分なりの答えを出した
③持てる知識と語学力と折り紙で最大のアクションを振り絞った

これらは、わたしに宿るレジリエンスとして
いまもこころのなかで色あせないものです。

3.レジリエンスは生き抜くための処方箋

人生のおける悲劇は誰にても起こりうる。
そして日常生活においても、
さまざまなプレッシャーが押し寄せる。
そんなとき、どうやって自分を立て直すか。

わたしは、ストレスフルな環境に追い込まれたとき。
留学時代のハードシングスを思い返す。

(以前は無意識だったが、いまは有意識でやっている)

「あのときこうやって乗り越えたな」
「あれに比べれば、たいしたことないな」
そうやって、自らに宿るレジリエンスを奮起させる。

留学経験がわたしの
『生き抜くための処方箋』
になっています。

それが『レジリエンス』を学んでわたしが気づいたこと。
そして、水谷選手の話を聞いて、腑に落ちたことです。

レジリエンスを構成する3つの要素。

①現実をしっかり受け止める力
②「人生には何らかの意味がある」という強い価値観によって支えられた、確固たる信念
③超人的な即興力

おおげさな、壮大な、と思うだろうか。
でも、そんなに難しく考えなくていいのだと、言われている。
歩行ロボットの「アシモ」の例が紹介されていた。

豊橋技術科学大学 情報・知能工学系教授 岡田美智男
ーレジリエンスという言葉は、ビジネスやマネジメントの分野に限らず、一般的な領域でも使われるものだ。私の職業柄か、すぐに思い浮かぶのはロボットの二足歩行だろうか。ホンダのアシモなど、ちょうど2000年を越えたあたりから、ロボットはとてもしなやかに歩けるようになった。
ー驚くことに、人がいたずらで蹴飛ばしてみるも、その体勢をすぐに立て直してしまう。まさに「強靭さ」「再起力」と呼ぶにふさわしいのだ。

ーこのしなやかな動作は、どのようにして生まれるのか。その様子を外から見ていたのでは、なかなかわかりにくい。レジリエンスという言葉のわかりにくさも、そんなところにありそうだ。
ーしかし、アシモの開発において肝となったのは、「まあ、あまり動作を作りこむことなく、半ば地面に委ねてしまおう!」というシンプルなアイデアだったのだ。
ー自らのなかにすべてを抱え込むのではなく、シンプルなものに抑えつつ、むしろ周囲に支えてもらう。こうした「チープデザイン」という方略は、動物たちが生態系で生き延びていくための肝でもあったのだ。

つまり、①現実を受け止める、③即興力などは、
環境や周囲に委ねることに他ならないということだ。
それは、「チープデザイン」で、深く考えなくてよいと。

わたしたちが強く意志をもって磨くべきは、
②「人生には何らかの意味がある」という強い価値観によって支えられた、確固たる信念なのかもしれない。

これは、わたしの解釈ではセンスメイキングに他ならないと思う。

そんなわけで
「レジリエンス」について
わたしの留学体験を交えながら
つらつらと書きました。

かつての困難を
今を生き抜く処方箋に。

そんな使い方ができたら
人生わるくないなと思います。

それでは今日もよい一日を!
Have a nice day!!

りく

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