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大河ドラマ「光る君へ」に潜む意外な観やすさへの障害

今日も寒々とした1日でした。風に背を向けて電車を待つのには、未だに慣れないです。本格的な春の訪れが待ち遠しいですね。

さて、……。

大河ドラマは昨年から引き続いて観ている。このドラマについては、以前以下の記事を書いた。

平安時代を取り上げた今作では合戦シーン等皆無であることが予想される。妻からは「あなたは離脱するかもね」と言われながらも2カ月経過。面白く観ている。

ただ困っていることが一つある。それは、主人公家族と右大臣家についてはさすがに顔と名前が一致するものの、他の多くの公達らについて、顔と名前とキャラの記憶が未だに曖昧な状態のままであること。

「しっかり観ていないからだ」と言われたらぐうの音も出ない。でも、基本「氏」が同じで下の名前で呼び合っている、服装も色味以外に大差がなく、顔立ちも皆整っているとなると、逆に「皆さんどうやって見分けているのですか?」とお伺いしたくなる。

地方に行くと、集落全体が同じ苗字、村全体でも3つくらいしか苗字がないというところがある。そこではやはり下の名前で呼び合うそうなのだけど、自分の脳がそういうのに慣れていないことを、半世紀以上生きてきて初めて知った。

逆に言えば、そういう生活習慣が身に付かなかったとも言える。今でも子供の頃に遊んだ子の名前を何人か思い出すことができるが、浮かんでくるのは苗字だけだったりする。

話を大河ドラマに戻すが、名前も同じ一字を子に与えて名付けたりすること。これもまた私の覚えにくさに拍車を掛けている。

実は、脳が記憶として定着させる際には、名前がハッキリしないとその対象物が頭に残りにくくなるのは事実。逆に言えば「……のようなもの」に◯◯と名付けることで記憶されやすくなる。この似たような名前も、スムーズな視聴を妨げる一因になっていると気付いた。

そして、この時代特有の家柄重視にも影響を受けている。キャラだけでなく誰と誰が親子で兄弟で従姉妹で…というのが個人データとして頭に入っていないと、その場面の理解がイマイチということがある。婿入り戦略をスラスラっと語られても発言の背景が分かっておらず、ついて行けない。

ここまでに指摘した
・顔立ちが整っていて服装が似ている
・下の名前で呼び合うことに不慣れ
・名前も同じ字があり記憶しにくい
・家族関係が頭に入っていないと理解が難しい
といった平安時代ものの特徴。もしかしたら、平安時代ものの視聴率が今ひとつになるのは、後の時代とは異なるこれらの要因がドラマへの没入を妨げる障害となるからかも知れない。

余談になるが、私が小学校の時に放送された大河ドラマ「風と雲と虹と」で、高位の人から主人公の平将門が「直答を許す」と言われるシーンがあった。それがとても印象深く40年以上経っていても記憶に残っている。

今作ではそこまでの身分差を示す場面が出てこないので、ちょっと拍子抜けしている。時代が下がったからかも知れないが、そういう今にはない習わしみたいなものが出てくると記憶に残りやすくなるので、今後に期待したい。

お読み頂き、ありがとうございました。

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