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マンション投資勧誘の不都合な現実

今朝は冷え込みが一段と厳しかったですね。「冬来たりなば春遠からじ」とは言うものの、「春風を待ち得たるは幾枝かある」という蘇軾の詩を思い出してしまいます。

さて、……

昨日書いた「投資用マンションへの勧誘電話について」が思ったより読まれている。せっかくなので、マンション投資の問題点をざっと記載してみる。

まず、既に住宅ローンを背負っている身から申し上げると、そもそも借金を背負うこと自体に少なからぬ精神的な負担を感じる。これは、無借金で数千万円を投じられる人には関係ない話かも知れないが。

次に、投資に対するリターンが決して高くないこと。目論見通りだったとしても、年に数%の利回りの場合が多い。今、株式でも配当金でその程度に達する銘柄は少なくなく、そうであれば何も不動産に投資する必然性はない。

株式はいざとなれば市場で換金できるが、マンションの場合はそうもいかない。簡単に買い手が見つからない可能性がある。

そして、基本的には家賃収入を得ることで背負った借金が減っていく仕組みなのだけど、それは当然マンションの借主がいての話となる。もし借り手がいなければ、家賃は入ってこない。

中には「空室時には、〇ヶ月の家賃分を補填します」という業者もあるようだ。でも、逆に言えばそこまでである。

下宿生活経験者なら分かると思うが、借りていた部屋の建物が常に満室だったことはないはず。出入りはあるし、入居前には部屋の営繕や畳替えもしなければならない。その点で考えれば、目論見の数%の利回りは下がる。

しかも、自分が借りる側の立場に身を置けば、どうせ借りるなら新しい建物の方がよいと考えるのは自然の流れ。特に便利な場所の立地ならともかく、そうでなければ経年で古びるにつれて借り手は見つかりにくくなる。

それでも、どうにかこうにか収支トントンでも持ちこたえて無事に借金完済できたとする。こうなる確率すらまなり怪しいのはさておき、その場合には手元にローン期間を経た中古マンションの一室が残ることになる。

この手の業者が、耐震基準を満たす以外に建物にお金を掛けるとは思えず、ぶっちゃけ安普請のオンボロ中古マンションが手に入ったとして、それは資産と言えるだろうか?

これを資産だと思うか、修繕積立金が更に課されるだけの負債だと思うかで受け止めは変わる。私は、残念ながら後者だと思っている。

お読み頂き、ありがとうございました。

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