夏休みの始まりに東海道新幹線が止まった件について
今朝も変わらず暑い中を出社しました。ただ、いつもとは様子が違うこともいくつか。制服に身を包んだ子どもが電車内から姿を消し、カジュアルな装いの子どもが、デイバッグを背負って親と一緒に乗り込んできます。「ああ、夏休みか……」と思ったことでした。
さて、……。
今朝はその夏休みが本格的に始まった日なのに、東海道新幹線が始発から浜松〜名古屋間で運行を停止したまま。それ以外の区間も1時間に2本程度と本数を大幅に減らして各駅停車で運行、要はこだま号と同様の運転をしているという。
私が家を出る頃は、復旧は午後になるという報道だった。でも、執筆時点でなお復旧していないという。こうなると、日本の基幹交通のレジリエンスが問われる事態だと言ってもよいのではなかろうか。
新幹線が深夜に保修作業を行なっていることは承知している。その作業中に作業車両同士が衝突、双方が脱線する事態に陥ったのが今回の運転見合わせの発端である。
ここで、双方が脱線するほどの速度で作業車両同士がぶつかる事態がどうして起こったのかが気になる。前の作業車両が本来どのような位置に停車することになっていて、後から来た作業車両はどこで停まることになっていたのか、である。
このようなことは、本来作業手順書に記載されているはず。そして、その手順書通りに作業が行われていたのかの検証が必要。
作業前に、普通は工事協議会を開催して発注者と受注者が集まって安全上問題がないかについて議論をしたはず。協議会で問題点、課題等を抽出して対応策を決めていく。
そして軽微なものであればともかく、本格的な修正が必要なら施工業者が修正の上再度協議会を開いて修正案を確認し、そのうえで作業に移る。安全を意識している企業体であれば、これは当たり前である。
鉄道マンが列車の安全運行を意識しなくなったら終わりである。会社は違うがJR西日本が2005年に引き起こしたJR福知山線脱線事故では、乗客と運転士の合わせて107名が死亡、562名が負傷する大惨事となった。
保線作業員だから雑な安全対策でも構わないといった判断がなされることはあり得ないと思うのだけど、双方車両が脱線する程の衝突であれば、速度はかなり出ていたと推測される。そうなった理由について、復旧後に徹底的に検証して欲しい。
この記事を執筆中に、今日中の復旧は困難だとJR東海が判断した旨のニュースが流れてきた。今は復旧に向けた作業の安全が、一番望まれるところ。作業員の疲労、暑い中での熱中症リスク等あることを踏まえ、安全第一で取り組んで欲しい。
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