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かつての夢の超特急も、今では地域の足との二者択一の材料になりつつあることを憂う

今朝は幾分寒かったものの、昼は風も吹かずよく晴れた空の下で気温が上がりました。夕方は寒くなりましたが、これは時節柄やむを得ないですよね。木々の葉が色彩を失いつつある中たまに真紅に染まった木があって、そのコントラストがすごく美しいと思います。

さて、……。

私が生まれた時には、すでに東海道新幹線が走っていた。幼い頃の絵本にも「びゅーん、びゅわーん、しんかんせん」という説明とともに富士川(だと思う)を渡る新幹線0系の絵が描かれていたことをおぼろげに覚えている。

当時の最高時速は210㎞/hで、東京〜新大阪間の所要時間は3時間10分。今ののぞみと比べたら30分以上余計にかかっていたのだけど、それでも当時はすごい乗り物だと思われていたのは間違いない。まさに「夢の超特急」だったのである。

今は、新幹線も九州に伸びて鹿児島まで到達、北も北海道の新函館北斗まで届いている。こちらは更に札幌までの延伸を期して工事が進められている。

東北新幹線のはやぶさ・こまちは、全線ではないけれど最高時速320㎞/hで運転している。これ、営業運転を開始した頃の東海道新幹線と比べると110㎞/hも速い。高速道路を走る自動車並みの速度差があると考えたら、技術の進歩の凄まじさを改めて感じる。

私が子どもの頃は、夢の超特急と言えば東海道新幹線一択であった。では、今の子どもたちにとっては何になるのだろう。はやぶさなのか、それともリニアなのかをちょっと考えてしまう。

スピードを追い求めることについて、私たちはついつい前のめりになるが、途中の景色は二の次になることは否めない。できるだけ障害物を避け、かつ直線を志向して速度を上げようとすると、どうしても山の中をトンネルで真っ直ぐに掘ることに繋がりがち。

こういうことを考え始めると、旅とは何か? というおそらく結論の出ない議論に陥ってしまう。

強いて言えば、ビジネスであれば早く目的地に着くのが最優先、景色は無理に要らないとなる。一方で観光旅行であれば、経路の景色も大事となるだろう。この両者は多分交わることがない。

一方で、地域の生活の足として貢献してきたローカル線は新幹線の開業と引き換えに第三セクター化してきている。しかし、残念ながらこの経営がうまくいっているところは少ない。これで良いのかという気にもなる。

バスも含めて地域の足の担い手が減ってきている昨今、既存の鉄道をどう地域交通に組み込んでいくか、そして経営を成り立たせるかは、我々が考えなければならない一つの大きなテーマになっている。そんなことを、行き違った新幹線の編成を見ながら考えてしまった。

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