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「お客様は神様」思考も、経済低迷の要因だと思う

新型コロナの増え方には驚いてしまいます。いずれこれも「新しい日常」になるのかも知れませんが。

さて、……

完全に私の主観だけど、日本の経済低迷の要因の中には「お客様は神様」も含まれると考えている。

この言葉、三波春夫の「お客様は神様でございます」が一般商取引にも通じるものだと誤解されて使われているように思う。

せいぜい「お客様の中には神様かと思えるような人もいる」と考える程度ではなかろうか。普通に考えても、あらゆるお客様が皆神様のはずがないのは自明である。

この言葉が怖いのは
お客様は神様。
→あらゆる要望に応えなければならない。
→何を言われても耐えなければならない。
→商品やサービス購入以上の費用を要求してはならない。

……という論理。これでは、どう考えても生産性を下げる方向にしか繋がらない。社員のメンタルリスクを加味して考えれば、かなりの費用負担増となる。

そもそも、日本の「サービス」は無償を前提としているけれど、これはグローバルスタンダードで見ればかなり異端である。海外では、サービスにはそれなりの対価を負担するのが当たり前である。

日本人は、海外でウエイターにチップを渡すのにもなかなか慣れない。でも、心付けは日本でもある。対価性は若干あいまいではあるが、少なくとも無償ではないことについてしっかり認識すべきであろう。

そして八百万の神の国に住むのであれば、神が全て素晴らしい存在ではないことくらいは知っておかなければならない。疫病神もいる。疫病神にサービスはしないだろう。

外資系の企業では、不穏当な要求をしてくるクレーマーに対しては毅然とした態度を取る。会社の利益に繋がらないのだから、当たり前である。間違っても、卑屈に頭を下げるようなことはしない。

日本が経済浮揚のきっかけを掴めないのだとしたら、まず掛かるものは掛かるとして、サービスを要求してきた人間に対して、それなりの支払いを求めるところから始めたらどうかと思っている。

そうすることで、少なくとも収益が確保され生産性が上がる。更に妙なクレーマー対策に力を入れずに済む。

クレーマーにひたむきに対応することで、新たな商品開発の糸口につながったというような「美談」にする傾向があるけれど、この陰にクレーマー対応で疲弊している電話窓口スタッフが多数いることを忘れてはいないか。

一将功成りて万骨枯る状態であれば、そのような商品開発は止めるべきである。

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