見出し画像

欧州情勢以外にもある複雑怪奇さに、日本は伍していかねばならない

今日は、晴れて日差しも強くなりました。こうなるとかなり暑いですね。日焼けしたかも、と思っています。

さて、……

1939年8月23日、ナチスが政権を掌握していたドイツは、突然ソ連と独ソ不可侵条約を結んだ。このことは、1937年の日独伊防共協定締結以降ドイツの軍事力を当てにしていた日本にも大きな衝撃を与えた。

何と言っても、日本は満州国・ソ連側はモンゴルを間に挟みながらもノモンハン事件で事実上ソ連と国境紛争中であり、またドイツとの同盟交渉中でもあった。その渦中に、頭越しに独ソ間で不可侵条約が結ばれたのである。

あまりのことに、当時政権を担っていた平沼内閣は「欧州情勢は複雑怪奇」との言葉を残して総辞職した。この気持ちはよく分かる。

多くの国が地続きであり、それ以上に多くの民族が住み、宗教も入り組んでいる欧州。大小を問わなければ常に何らかの問題が発生しており、時に国境線の変更も珍しくない。

そういった環境で生き延びてきた人々の考え方は当然複眼的になるし、発想も多様になるだろう。島国で260年も鎖国していた日本人は、そう簡単に彼らの域には達しない。

この点について、日本にも異なる民族は住んでいる、日本でも戦国大名間で虚々実々の駆け引きがあった、という主張はあるだろう。それはその通り。

ただ、日本の場合は圧倒的に一つの民族の人口が多くて支配的であった。そして戦国大名もこの支配的な民族の価値感は共通していた点で、多様性は欧州の比ではない。

ワシントンで開かれていたG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議は21日に閉幕となったが、ロシア代表の発言時に米・英・カナダの代表が席を立ったという。なお、日本代表は退席していない。

議長国であるインドネシアのスリ・ムルヤニ財務相の以下の発言は、日本人の感覚には理解しにくいのではなかろうか。

「ロシアの参加に反対の声が出るのは驚きではなかったが、議論は混乱なく終えられた。ロシアへの強い非難があるにもかかわらず、すべてのメンバーが協力を維持し続ける必要性を理解していて、G20の協力関係や役割が失われることはないと確信している」

NHK NEWS WEB

月初に終わった朝ドラ・カムカムエヴリバディでも取り上げられたように、時代劇の放送はめっきり減った。しかしそれは、撮影に要する費用の影響も大きい。日本人のメンタリティーにおいて、勧善懲悪の分かりやすい時代劇には根強いニーズがある。

そのニーズがもう一段下がるようにならないと、複雑怪奇さには付いていけないのではないかと心配している。

お読み頂き、ありがとうございました。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。