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モノを持つことの是非

今朝も冷え込みました。いつまでも続くものではないと分かりつつも、春遠からじを実感できず、残念に思います。

さて、……

最近の若者について、よく物欲がないと言われる。その手の話になると、昔は皆良い車に憧れていた、あるいはブランドものを手に入れようと必死に働いた、それに比べて今の若い者は情熱が足りない……的な話になりがち。

そういう人達は大抵オジさん。彼らはモノを欲しがることを絶対善だとして疑わない。

そしてしまいには、「人間は欲がなくなったらおしまいだ」「いつから覇気がなくなったのだ」「今の日本の景気が上向かないのは、若者がモノを買わないからだ」的な、何故か若者を軽侮し、見下し、不景気の全責任まで負わせようとする。

これはいくら何でもおかしいと思っている。

道徳も宗教も、過大な欲を戒めている。つまり、今の若者の方が精神的には高みに達していると見ることもできる。

それに、物欲がない=覇気がないではないだろう。これはかなり論理が飛躍している。

そして不景気については、そもそも少子化が続いて若者の数は減っている。従って、購買力も昔よりは相対的に減っていると考えるべきである。少数派に属する若者が、不景気の元凶というのはやはり無理がある。

そもそも、今の若者は好景気を知らない。景気が良くなった経験がない以上、足るを知り手元にあるもので満足する生活習慣が身に付くのは当たり前だろう。

若者に責任を追わせようとする前に、そのような育ちしか与えられなかった我々の方こそ自らの不徳を顧みて反省すべきであろう。しかるに、そういう声が全く聞かれないのは、率直に恥ずかしいことではなかろうか。

昨今では、モノは必要に応じて借りる、所有しても不要になればサッサと売る方が今風になっている。保管場所もそれほど広くは用意できないし、用意するにはコストも掛かるとなれば、これもやむを得ないことだと考える。

なお、モノをどんなにたくさん持っていても、あの世には持って行けない。昨今話題になるゴミ屋敷。これも物欲のなれの果てだと考えると、ある年齢になったらモノを持たず、捨てる方向に舵を切るべきなのだと思われる。

このようなことを考えると、今の若者はまさに時代を先取りしたモノの所有の仕方を身につけていると言えるのかも知れない。

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