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謝罪できるのも能力、それも2つの……

今日も肌寒い一日でした。もう暑さが戻ることもないのでしょう。

さて、……

10月17日、元自衛隊員でかつての同僚隊員達から性被害を受けた女性が、当の加害者である隊員達から直接謝罪を受けたとのこと。

そのこと自体は、彼女に取って前進と言って良いだろう。でも、朗報か? と問われると疑問が浮かぶ。そもそも、良い話ではないからだ。

大前提として自衛隊員の職務は、国土と国民を守ることだと私は思っている。それなりの決意と覚悟を持っていたのであれば、国民でもある同僚に性加害をすることは本来あり得ないはず。

この当たり前が通じない人間が複数いたことには、率直に絶望せざるを得ない。災害発生時に率先して人命救助を行い、復旧のために身を粉にして懸命に働く姿を見ているだけに、裏切られた感が半端ない。

申し訳ないのだけど、今後はそういう姿を見ても「この中にも性加害予備軍がいるかも……」という疑念を完全には払拭できなくなってしまっている。

これは例外事例だと思いたい気持ちもある。でも、こういう輩をこれまで誰も止めも諫めもしなかったのか。自浄能力を示せなかった組織である以上、信用して欲しいと言われても現段階ではそれは難しいと返さざるを得ない。

今回の加害側の謝り方も画一的であり、本当に自分が悪いことをしたという反省をしているのかが伝わってこない。上の者が認めて謝ったから、それに渋々従っているだけではないか。

悪いと思っていないなら、胸を張って堂々と社会の前に出て反論すれば良い。自分の妻子が同様のことをされても気にならないとアピールすれば良いではないか……できるならば。

今回の謝罪なるものの状況を知るにつけ、謝罪できるのも能力なんだ、との思いを深くする。

謝罪は意外と難しい。
①まず、自分が悪いことをしたと認めることが前提となる。
そして、
②その気持ちを自分の言葉で謝罪相手に伝えられることも必要になる。

この2つが揃わないと謝罪はできないのである。この点を鑑みれば、今回謝罪したとされる隊員の多くは、謝罪っぽいことしかできておらず、真に謝罪と言えるものではなかったというのが私の認識。

今の世の中、キチンと謝罪できる人が減っているように思う。「ちょっとふざけただけ」「悪気はなかった」「俺だけではなくアイツもやっている」等という言い訳が世の中に蔓延している。でも、それで済むと本気で思っているのだろうか。

背景には安っぽいプライドがあると思っている。でも、それにしがみつくことは見苦しく、醜悪である。このことについて想像すらができない人が増えたのは、返す返すも残念である。

長い不景気が日本人の民度を下げた、とは思いたくないのだけど、もしかしたらそうかも知れない。

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