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校正の大切さをご存知だろうか

地震は間違いなく生存本能を刺激するように思います。自らの生き残りを懸けて、アドレナリン値が上がり、眠いのに寝付かれなくなります。寝不足です。

さて、……

タイトルの通りである。「校正」という言葉を、世の皆さんはどの程度ご存知なのだろうかと思うことがある。

校正とは、今風に言えば「原稿チェック」のこと。私的には原稿を読んで、①誤字・脱字をチェックする、②論旨の一貫性をチェックする、③根拠が何かをチェックする、④社会規範との乖離をチェックする、ところまでを含む行為だと認識している。

実は、私はかつて3年程校正の仕事に携わったことがある。編集者と言えば格好良いのだけど、それほどのものではなかったと思っている。それでも、1万人程度の読者がいる定期刊行物を出していたので、緊張感はあった。

人間の認知能力には限界があって、一度見たはずの原稿も再度見ると誤りに気付くことが結構ある。

初校・再校・最終校とチェックするのだけど、特に重要なものについては更に念校を印刷会社に出してもらい、文字通り入念にチェックをかけることがある。

校正も狭い意味では①だけになるかも知れない。でも、②までは読んでいて腹落ちしなければ指摘すべきところだし、③④もやはり指摘しないと、出版する媒体の信用に関わるものだと思う。

Kindle Unlimitedに加入して、ランダムにいろいろな本を読んでいるのだけど、率直に校正の甘いものが多いと思っている。先の②や③を明確にする努力をしないと「何でそうなるの?」という読者の素朴な疑問に答えられない。

Kindle出版は、どうしても個人の努力に負う部分が多いので、多少は校正が甘くなるのも許容せざるを得ないとは思う。しかし、これがあまりに緩いとせっかく出した出版物の価値そのものが問われることとなる。

こうなると、いつまで経っても多くの読者の納得を得られるものとならない。

なお④については、社会規範とされているものの側にも時代遅れなものが含まれている場合がある。敢えて言わないけれど、そこまで規制する必要があるのかと思うことも残念ながらある。

作る側の脳は、チェック機能が弱くなる。良いものを作り出そうとするならば、この校正作業に当たる人間を専属化すべきなのだけど、昨今の経済情勢はそれもままならなくしてしまっている。

本来、締まった文章にするためには、良い校正者を用意すべきなのである。しかし、ない袖は振れないのも事実で、やむなしとされがち。ここにKindle出版の限界の一端が垣間見られる。

お読み頂き、ありがとうございました。

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